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坂東太郎のこれだけは知っておきたい高校生のニュース常識 【早稲田塾】

天皇皇后両陛下ご結婚50年と「皇統」の行方【1】

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09年4月10日、天皇皇后両陛下が結婚50年を迎えられた。今上(ただ今の天皇陛下)が即位された「平成」も21年となった。代々受け継がれている天皇の地位(皇統)を守り、つなぐのが今上最大の責務の一つといっていい。そこで今回から2回にわたって、「皇統」について考えていく。

①皇位継承順位

今上の二男で皇太子の弟でもある秋篠宮文仁親王と、紀子妃との間に悠仁親王がお生まれになったのが06年9月6日。この日より「悠仁親王は現在の皇室典範では皇位継承順位が3番目」と報じられた。
皇室典範とは天皇家の継承などを定めた法律だ。そこには次のようにある

【第1条】 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する

これが大前提。よって現在の皇太子殿下と雅子妃の間にお生まれになった敬宮愛子内親王は、女性なので継承権はない。逆に悠仁親王は「皇統(天皇家の系統)に属する男系(文仁親王)の男子」なので継承できる。
とにかく男の子でないとダメだという決まりだ。
ここを押さえた上で皇位継承順位について皇室典範の定めをみる。

【第2条】 皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。
1.皇長子
2.皇長孫
3.その他の皇長子の子孫
4.皇次子及びその子孫
5.その他の皇子孫

「1.皇長子」とは天皇の長男を指すので現在の皇太子殿下(徳仁親王)で継承順位1番。
「2.皇長孫」は皇太子の男子を意味する。しかし現段階で誕生なさっていないのでいない。
「3.その他の皇長子の子孫」もいないのでパスしていく。
すると「4.皇次子及びその子孫」へ行き着く。「皇次子」は天皇の二男である秋篠宮文仁親王ご自身をさすので文仁親王が2番。よって誕生したばかりの悠仁親王は「皇次子」の「子」なので皇位継承順位が3番目となる。
ちなみに、現在の天皇陛下のご親戚にあたる宮家には男性が数人いらっしゃるが、全員「5.その他の皇子孫」になるために悠仁親王よりも継承順が下がる。

②かなり危機的な皇統の維持

というわけで、今上陛下の子の世代には皇太子殿下、文仁親王(いずれも40代)がいらっしゃるので、「皇統」はここまでは大丈夫。それをさらにつなぐには、悠仁親王の世代が大切となる。ちなみに他の宮家の当主はすべて、悠仁親王はいうにおよばず、文仁親王よりも年長である。
すると雅子皇太子妃か紀子妃のさらなるご出産を期待するしかない。しかし御二方とも40代で、出産はそろそろ厳しいご年齢。すると40~50年後には悠仁親王のみが皇位継承者となる危機的な状況になりかねない。
なぜ危機的か。それは悠仁親王がすくすくと成長されればいいというだけではない。ある時点でつつがなく成婚なされ、さらにその妃殿下が男子をお生みになる、という前提でのみ皇統の維持がはかれるからである。

現在の皇位継承順位通りに進んだ例が過去にあるかも問題だ。すなわち父(今上)が天皇で、その子の兄(皇太子殿下)→弟(文仁親王)→弟の子(悠仁親王)、の順で連続して皇位に就いた例である。
非常に珍しく「89代後深草→90代亀山→91代後宇多」までさかのぼる。後深草天皇の在位は1246年から59年。ただ、この継承は後深草、亀山両帝の父である後嵯峨上皇の恣意が働いており、後の大覚寺統、持明院統の争いの萌芽となった。
この持明院統の流れを引く、北朝の「北3代崇光→同4代後光厳→同5代後円融」も同じパターンではある。ただし北朝は「皇統125代」には数えられていない。崇光天皇は、足利尊氏が弟の直義と争った観応の擾乱の際に、便法として南朝と和解し(正平一統)、そのいけにえのような形で廃された気の毒な帝でもある。

③女性天皇とは

そこで、せめて「女性天皇」を認めたらどうかという議論が起きる。具体的には敬宮愛子内親王の即位の可能性がよく取りざたされる。
というのも「女性天皇」は前例がないわけでなく史上に8人(実数)あり、皇室典範1条をなぞらえば、「皇統に属する男系の女子」でもあるので受け入れられやすいとの観測がある。それを実現するには冒頭の1条改正をしなければならない。その上で次の条文が問題となる。

【第12条】 皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる

つまり結婚したら皇籍を離れなければならない。では独身ならばいいかというと

【第11条】 年齢15年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる

なので「意思に基き」「皇族の身分を離れ」なければ皇族でいられるものの、結婚しなければ当然のことながら子どもは生まれないから(皇族というお立場では事実上そうであろう)、さらに若い世代を将来望むのは無理となる。

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著者紹介

【坂東太郎】

毎日新聞記者などを経て現在、早稲田塾論文科講師。 現在、日本ニュース時事能力検定協会監事を務める。 著書に『マスコミの秘密』『時事問題の裏技』『ニュースの歴史学』など。 早稲田塾の「AO・推薦対策講座」および「論文作法」を担当。

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