ついに衆議院解散・総選挙
09年7月、麻生太郎内閣は、憲法7条による衆議院の解散を決めた。投開票日は8月30日。
この選挙で野党・民主党は「政権交代」を掲げている。民主党(解散時113議席)と友好関係にある社民党(同7)、国民新党(同1)の票を合わせて、過半数である241議席(総定数480議席)獲得を目指す。対して与党自民党(同306)は、連立を組む公明党(同31)を合わせて過半数241議席を死守する構えだ。
ということは解散時の議席から考えて、民主党は社民党・国民新党がほぼ同じ議席数ならば
113議席→230議席(117議席増)
と、現有113の倍を超える、230議席を獲得しなければならない。半面で自民党は、連立与党の公明党がほぼ同じ議席ならば
306議席→210議席(96議席減)
の「大敗」でも、過半数維持という意味では「勝利」なのだ。
いくら、各種世論調査で麻生政権の支持率が低迷しているとはいえ、野党民主党のこれほどの勝利、総理を出す自民のこれほどの「大敗」があり得ようか。ふつうは考えられない。しかしそれが起き得るのが小選挙区のこわさだ。
以前も説明したように、衆議院は小選挙区(300議席)と比例代表区(180議席)の「並立制」である。小選挙区は1選挙区で1人しか当選できない。この制度が上記のような大逆転を現実にする可能性を手繰り寄せる。
前回05年9月の総選挙における小選挙区での獲得議席は
自民219議席
民主52議席
と自民の圧勝だった。だがどちらの党の候補者へ投票したかを示す得票率は
自民53.9%
民主41.82%
と、「219vs52」とはほど遠い。これが小選挙区なのだ。
小選挙区は、1つの椅子を争う椅子取りゲームに似ている。得票率を体力と仮定すると、1つの椅子ならば「約54」の自民の方が、「約42」の民主より圧倒的に強くなる。では3-5議席を争うような選挙区制度ならばどうであろうか。
参考となるデータとして、小選挙区(1人)もあれば大選挙区(最大8人)もある、09年の東京都議会議員選挙の結果を見てみよう。自民と民主の二大政党に限って、得票率を示すと
民主約41%
自民約26%
だった。都議会総定数127議席を単純にこの得票率で計算すると
民主52議席
自民33議席
となる。実際の結果は
民主54議席
自民38議席
とほぼ釣り合う。定員8人の「大選挙区」大田区は、トップ当選の候補の得票率が16%、最下位当選候補が約7%だった。トップの半数以下の得票でも当選できた。
対して「小選挙区」(定数1)の千代田区は、当選が約46%、次点落選が約45%を獲得した。「小選挙区」だと1%どころか1票でも及ばなければ落選なのだ。









