サッカーワールドカップ南ア大会の組み合わせ抽選
09年12月、翌年に南アフリカで開催されるサッカーワールドカップ(W杯)の組み合わせ抽選があり、日本は本選予選でオランダ、デンマーク、カメルーンと対戦することになった。ここで過去のジンクスなどを元に主な出場国の今後を考えてみよう。
1)イングランドはなぜUK(イギリス)で出ないのか
W杯は1930年から始まっているが、当初は欧州の関心が薄く、とくにサッカーの母国であるイギリスのやる気はほとんどなく、参加さえしなかった。
イングランドサッカー協会は“The Football Association”を名乗る。ちなみに日本サッカー協会は“Football Association of Japan”。つまりイングランドは「私は母国だから協会名にわざわざ地域名を書き入れる必要はない」と高飛車なわけだ。ちなみにサッカーの語源はAssociationのsocに由来する。
イングランドがW杯に参加したのは1950年の4回大会から。その時も「我々はUKになる前から地域別にサッカーをしてきたから特別に扱え」と、やはり高飛車に出て、主催側もまあいいかと許したので現在に至るまでイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4地域に別れてチームを構成している。
その割には優勝1回なので、いっそUKで出ればもっと強いチームが作れるはずだとの声がないではないのだが、それで出ているオリンピックでもさしたる成果を残していないので、案外、今のままの方がいいのかもしれない。ただしドイツ大会も優勝候補とされながら敗退。このままではいつになるかわからないイングランド大会まで、ジンクス上は優勝がお預けになりそうな雰囲気だ。
2)なぜスペインは優勝できないのか
現在FIFA(国際サッカー連盟)ランキング1位のスペイン。歴史上の「無敵艦隊」の言葉を贈られる強豪である。欧州クラブのなかでも最も強いリーグとして、イタリア、イングランドとともに挙げられている。つまりランキングは1位で、国内リーグも世界トップクラスなのに、なぜかこの国はW杯で優勝がない。
これには次のような理由が主に付されている。スペイン国内はカタルーニャ、バスクという本音は独立したい地域があって、その代理戦争としてサッカーは国内では盛り上がるが、代表を組むと対立がチームに内在化して盛り上がりを欠く、と。
しかしそうだとしたら、クラブでは都市対抗的色彩が強いイタリアの代表チームがW杯でしばしば優勝していることや、上記のように地域の違いを例外的に認められているイングランドが1度優勝している説明がつかない。
3)日本は強くなったのか
本大会予選リーグ敗退という結果に関わらず「W杯に出られるようになったから強くなった」とはいえない。というのも、W杯本大会は1978年までは16チームで構成したので、アジアからの出場は1ヶ国がせいぜい。
82年から94年までは24チームに増えたのでアジア枠は原則2となったが、この間1度も日本は本大会に進めていない。94年が有名な「ドーハの悲劇」でアジア3位となって出られなかった。
日本が初出場を決めた98年からは、本大会が32チームに増えてアジア枠も3に増えたお陰だ。なぜならばこの時の日本の成績も、「ドーハの悲劇」と同じくアジア3位だったから。
2度目の出場となった02年大会は、自国開催で予選免除だったのでバロメーターにはならない。ドイツ大会はアジア最終予選出場国を2ブロックにわけて、片方で日本はトップ。つまりアジアの1位か2位としての出場なので、実力がついたと好意的に解釈することはできる。ただし06年はアジア枠が4.5もあって余裕があったという点は見逃せなかった。
その点で2010年大会からは、アジアにドイツ大会で痛い目にあった強豪オーストラリアが参入し、予選で同一ブロックとなったから「強さ」を試すには絶好の機会だった。06年大会でのアジア勢は、日本に限らず全部予選落ちだったから、4.5枠を削る方向になるやもしれないとうわさされた中で堂々のトップ通過。後は本大会で実力をみせるのみである。









