2007年10月14日 開催
特別公開授業
「医科学研究の最前線がんと脳疾患」
東京薬科大学 生命科学部
柳 茂 教授
早稲田塾秋葉原校にて

- 柳 茂 教授(やなぎ しげる)
福井医科大学卒。医学博士。内科臨床医として勤務後、母校福井医科大の助手を経て、米エール大に留学。帰国後、神戸大医学部助手、00年同助教授。05年より現職。この間02~06年に科学技術振興機構さきがけ研究員を兼任。04年日本生化学会奨励賞受賞。
生命科学研究はオリジナリティの追求である
大学で神経変性疾患治療の最先端研究に取り組む柳 茂教授。柳教授の研究チームは、遺伝子の一部を欠損させたマウスの実験などから、遺伝子治療に利用できる未知のタンパク質や酵素を探すことに力を注いでいる。
中でも、神経ネットワークに関わるタンパク質の働きを調べることが中心テーマだ。現在、柳チームが発見した「CRAG」と呼ばれる新規タンパク質を用い、アルツハイマー、パーキンソン病などの神経変性疾患の治療研究(群馬大医学部と共同)が進行中。マウスを使った実験では、「脳内神経系のゴミを消す」というCRAGを与えることで、小脳疾患が劇的に改善されることがわかっている。
こうした遺伝子治療は、死亡率が急激に高まっている「がん」の新しい治療法としても期待されている。柳教授は福井医科大の助手を経て、エール大学に留学。そのとき、日米の大学教育の違いに驚かされたという。各人が他人との違いを大切にし、逆に他人の非常識と思える考えも許容するのが当たり前とされている地で、オリジナリティとは何かを考えさせられた。
特に、ノーベル賞受賞者を最も輩出しているユダヤ人独特の逆転の思考法である「振り子発想」(ユダヤの子供は「皆が右を見たら左を見ろ」と教えられる)には衝撃を受けた。「研究とはオリジナリティの追求である」と強調した柳教授。最前線の生命科学に触れた2時間は塾生の探求心を多いに刺激した。











