2008年10月12日 開催
特別公開授業
「授業を分析する ~人種差別に立ち向かったある教師の実践を事例として」
東京学芸大学 教育学部
山名 淳 准教授
早稲田塾秋葉原校にて

- 山名 淳 准教授(やまな じゅん)
■略歴
1963年 鳥取県生まれ。
1991年 広島大学大学院博士課程後期単位取得退学。
現在 東京学芸大学教育学部准教授。博士(教育学)。【著書】
『ドイツ田園教育舎研究-「田園」型寄宿制学校の秩序-』風間書房 2000(単著)
Die padagogische Gestaltung des Raums --Geschichte und Modernitat. 2003(共著)
『近代ドイツ=資格社会の展開』名古屋大学出版会、2003年(共著)
『教育と政治--戦後教育史を読み直す』頸草書房、2003年(共著)
『リトミック研究の現在』開成出版、2003年(共著)
『ネイションとナショナリズムの教育社会史』昭和堂、2004年(共著)
『教育人間論のルーマン』頸草書房 2004(共編著)
『夢幻のドイツ田園都市--教育共同体ヘレラウの挑戦』ミネルヴァ書房、
2006年(単著)
『教育的思考の作法』福村出版、2006年(共著)
『教育史研究の最前線』日本図書センター、2007年(共著)
いじめの残酷さを、生徒たちに伝えたい。あなたならどうする?
「当事者度が高いかどうかで、これから見るVTRの感じ方が変わってきます。
今の自分が10歳年齢を重ね、教育者になったと仮定して見てください。」
と、山名先生は塾生たちへ呼びかけた。
舞台は、キング牧師が暗殺され、人種差別問題に揺れ動いていた40年前のアメリカ。小学校3年生の担任教師だったエリオットは、「人を見た目で差別してはいけない」ということを生徒たちに教えるため、ロールプレイング授業を実施する。
その授業は、青い目の子は5分長く遊び時間をもらえるのに比べ、茶色い目の子は水飲み場の使用を禁止、なおかつ見せしめとして黒い襟を着けなくてはならないなど、瞳の色で教室内に差別を作り上げるものだった。
子どもたちは、「人を見た目で差別する」ことが、いかに理不尽なことであるか、身をもって学んでいく。
ロールプレイング授業から見えてくる子どもたちの変化は、興味深いものであるが、危険を伴う授業でもある、と山名先生は語る。
「ひとつ間違えば、差別を助長しかねない。教師の技量は、先を見越して、教室の中の現実を作り上げていくことです。」
ルールを解除された生徒たちが、笑顔で黒い襟を棄てるところでVTRは終了した。
質疑応答の時間には、教育の本質に迫る、様々な質問が飛び出した。
「生徒が積極的に発言する欧米の授業に比べて、請負型になる日本の授業についてどう思うか」
「小学校で英語教育を行うことは正しいか」
「保護者とどういう関係を築いていったらいいか」
教育者を目指す塾生たちの目は、真剣そのものだ。
その後の山名先生を囲んでの座談会のテーマは、「小学校教育において、ロールプレイングを授業に取り入れるべきか」。グループごとの発表の場では、「いじめがどんなものか分からせてしまう恐れがあるので、リスクが高い」「教師はもともと人に物事の考え方を教えるのが仕事。常にリスクはあるのでは」など、ここでも熱のこもった意見を聞くことができた。
座談会終了後も、先生に質問するために並ぶ塾生たちの行列は、なかなか途切れない。
彼らにとって、教育について深く考える熱い1日となったようだ。











