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イベントレポートタイトル

2008年 10月 12日 開催

特別公開授業

「肝臓移植の現場から ~生体肝移植の現況~」

自治医科大学 移植外科
河原﨑秀雄 教授
早稲田塾新宿校にて

「肝臓移植の現場から ~生体肝移植の現況~」

河原﨑秀雄 教授(かわらさきひでお)

東京大学医学部医学科卒。都立府中病院外科医員の後、東京大学医学部附属病院小児外科医員、講師、同医学部助教授を経て、現職。著書に『生体肝移植マニュアル』、『日本に根づけ、生体部分肝移植』。

失敗や困難は問題解決のエネルギーになる

「わからないことは何でも聞いてください」と、終始塾生に気を配り穏やかに話をされる。

内科・小児科医の父を持つ河原﨑教授。医師を志した動機は「父は開業医で、よく病院に見学に行きました。外科的な手技が素晴らしくかっこいいな、と思っていたんです。貧しい患者さんにも配慮する医師としての父の姿を見て、自分も医師になりたいと」。

国内における小児生体肝移植の第一人者である教授だが、実現までには困難を極めた。35歳でUCLAに留学中、日本における脳死肝移植の可能性から探った。日本の社会が脳死を受け入れるか? 当時の答えはNO。であれば、何年かかるか? 30年なら自分は退職してしまう。それなら20年後には実現させるぞ、と決意。実際に20年後の1997年、脳死肝臓移植法が制定されることになる。同時に、別の方法はないかと研究を続けた。
「科学には、追い求めていれば必ず通ずるものがあります。2000回くらい子どもの肝臓を触っているうち、こんなに小さな肝臓なら大人のものを移植できないか? と考えたのです」
しかし、実験を繰り返すも失敗の連続で、臨床応用のためのシミュレーションまでに3年が経過していた。
「失敗や困難は問題解決のエネルギーになります。問題を追い求めていると、答えに出会えるものなのです」
講義中、生体肝移植手術の模様がビデオで紹介された。現在でも手術は約10~28時間かかる。「体力的に女性には無理ではないか? という質問を受けますが、必要なのは持続力。実は女性の方が向いています」と女子学生にエールを送る。

受講生は、教授の解説にメモをとりながら、その精密な手術で救われる命の重さについて真剣に考える。
最後に「たくさん読書をして見聞を広めてください。そして身体も鍛えておいてください。人間性を高めることがとても重要です」と教授。医師を志す塾生にとって、決意を新たにした公開授業となった。

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