2009年2月22日 開催
特別公開授業
「歴史からみた少子化」くらしと経済シリーズ2009
一橋大学 経済研究所
斎藤 修 教授
早稲田塾秋葉原校にて

- 斎藤 修 教授(さいとう おさむ)
慶應義塾大学経済学部卒業。1987年から一橋大学経済研究所教授。専門は比較経済史、歴史人口学。社会経済史学会代表理事、日本人口学会理事、国際経済史協会(International Economic History Association)理事等も歴任。1986年『プロト工業化の時代』でサントリー学芸賞受賞。2003年、21世紀COEプログラム「社会科学の統計分析拠点」拠点リーダー就任。
広い視野で社会問題を見据える
「私の話は、日本の現在の状態を分析するだけでなく、時代や国を行き来するような内容になると思います」
はじめに、斎藤教授はこう話した。その言葉どおり、近年日本が抱える少子高齢化問題について、現在の数値だけではなく明治時代からの数値も用いながら、講義が繰り広げられていく。
人口の推移を歴史的に分析してみると、少子化になったことは何度かあるが、これだけ人間が長生きしているのは歴史上初めて。そのため、年金や社会保障などの社会システムも、現在大きな問題を孕んでいるのだと、教授。
続いて、平均寿命と国名を結びつけるクイズや、平均寿命を割り出した生命表で、人口問題を細かく分析する。高度経済成長期ごろから日本の乳幼児の死亡率が低くなってきたこと、100年前は、仕事を隠退する前に亡くなる方が6割もいたこと、65歳以上の人の余命がここ20年くらいでどんどん延びていることなどが、データから読み取れる。また、アメリカの話では、人種別平均寿命を表したデータを読み解きながら、国内に根強く残る社会格差により、生活弱者が保険に入れず病院に行けないという現状にも触れた。GDP世界一位で経済的に豊かなアメリカが、平均寿命ではイギリスと大差ない。国民一人ひとりがどのように社会の仕組みを作るかで、その国の状態が大きく変わっていくのだという。
真っ只中にいるとなかなか理解できないことも、大きい視点で見るとわかってくる。そういった広い視野をもちながら、これからの日本の仕組みを考えていってほしい。
国も時代も超え、幅広い範囲で人口と寿命を研究してきた教授の言葉。少子高齢化について深く考えさせられる2時間となった。











