2009年7月26日 開催
特別公開授業
「あなたの知らない生命薬学の世界」
東京理科大学薬学部生命創薬科学科
深井 文雄 教授
早稲田塾新宿校にて

- 深井 文雄 教授(ふかい・ふみお)
東京理科大学理学部応用化学科卒業。同大学理学研究科修士課程修了。理学博士。専攻は分子病態学。接着分子学、腫瘍細胞生物学を研究分野としている。著書に「生命薬学シリーズ 『病態生理・生化学』Ⅱ ‘肝疾患’」「Vascular Biologyナビゲーター」など。
世界のヒトを救う創薬の可能性
東京理科大学のキャンパスで、実際に創薬を体験することのできる、早稲田塾×東京理科大学薬学部の塾大連携「スーパー生命創薬科学ワークショップ」。今年で3年目を迎えたこのプログラムに、深井教授が参加し続ける大きな理由の一つが、「高校生にもっと薬学部について知ってもらいたい」という後輩育成に対する情熱だ。
「薬学」には大きく2つの柱がある。薬剤師として薬の適性使用を研究する「医療薬学」の分野と、創薬のための総合科学を研究する「生命創薬科学」だ。
東京理科大学の「薬学科」では、医師と丁々発止のやりとりができる高い専門性を持ち、ヒューマニズムあふれた、問題解決能力のある薬剤師の養成を目指している。
一方、深井教授が教鞭をとる「生命創薬科学科」の目指すところは、高度な知識と技能を備えた、薬学をリードできる質の高い生命薬学/創薬研究者の養成だ。
「生命科学は理学・農学・工学でも学べるが、薬学部で学ぶ生命科学は、ヒトの健康と病気が対象。よって研究は徹頭徹尾、ヒトが対象です。生命科学に興味を持っている理工系志望(生物、化学、物理)の高校生に内容を知ってもらって、ぜひ来てほしい」と、深井教授は呼びかける。
そして薬学研究の実際例として、専門である『細胞接着』を標的とした新規治療薬の開発について、スライドやビデオを交えながら丁寧に解説。
「生き物は細胞でできています。私たちヒトの固形組織は、細胞が“ひっついて”できています。」
この“ひっつく”働きを利用して、抗がん剤の効果を高めることができるという。特に、急性骨髄性白血病に有効な治療が望めると、実用化が待たれている。
その他にも、多くの病気の基本的な病態である炎症に対する研究など、深井教授は創薬に向けて精力的に研究を続けている。
「生命科学は夢があります。そして非常にエキサイティングです。がん、糖尿病、循環器疾患、遺伝病など、創薬研究者は世界の人々を救える可能性があります。新薬を創る研究者、技術者になろう。」と締めくくった。
参加者たちにとって、創薬研究者のもつ使命の大きさを改めて実感し、夢に向かって力強く踏み出す勇気と希望がわく公開授業となった。



