2010年4月18日 開催
特別公開授業
「君たちの未来について語ろう」
慶應義塾大学
竹中 平蔵 教授
早稲田塾秋葉原校にて

- 竹中 平蔵 教授(たけなか・へいぞう)
一橋大学経済学部卒業。ハーバード大学客員准教授、慶應義塾大学総合政策部教授などを経て、1998年に「経済戦略会議」メンバーに就任。その後小泉首相時代には経済財政政策担当大臣、金融担当大臣、総務大臣、郵政民営化担当大臣などを歴任する。退任後、2006年より現職。
世の中に興味を持つ、勉強する、自立する
私たちは、この世の中でしか暮らせません。世の中のことに興味を持つことが大事です」。竹中教授は、こう切り出した。ダンディな服装で、テレビで見るときと同じ笑顔を浮かべながら、会場を埋めつくした参加者に語りかける。
教授はハーバード大学に留学して、「経済学ってこんなに面白いものなのか」と衝撃を受けたという。「金利とは?」「なぜ金利が生じるのか?」。先生たちは問いかけ、世の中の仕組みをわかりやすく解き明かしてくれた。
教授も問いかける。「ジュースやコーラのボトルは丸いのに、牛乳パックはなぜ四角なのか」。塾生が挙手して答え、教授が解説する。「冷蔵庫に保存するとき、四角のほうが便利だから」。先入観を排して、物事を冷静に、合理的に考えることの大切さを説いた。
「皆さんは恵まれています」。教授の話は本題に入り、熱がこもる。海外で出会ったタイや中国の少女は、生きるために必死で働いていた。それに比べ、参加者たちは思いきり学ぶことができ、周囲の人もそれを望んでいる。教授は高校時代、尊敬する教師から「社会の仕組みは難しい。勉強しなくてはダメだ。大学に進める人は、行けない人の分まで勉強しろ」と言われたという。
経済学を学ぶ面白さを力説しながら、英国の著述家、サミエル・スマイルズの「自助論」を挙げて、自立することの大切さを強調する。日本のGDPはまもなく中国に抜かれ、世界で第3位に落ち込む。十数年後には中国の半分になってしまう。グローバル化とデジタル化が進むと、日本人労働者の賃金は安い国の賃金にフラット化される。見通しは明るくないが、「『自助論』に書いてあるとおり、人生の奥義は2つ。快活さと勤勉さを失わないことです」と語った。
最後の質疑応答で、教授は「中国の経済力が上昇することは、日本にとっても良いこと。いかにチャンスを生かすかを考えるべき」と主張した。さらに「私が若かったら2年間ほど中国かインドに行き、その実態を見てきたい」と、旺盛な知識欲をのぞかせて、授業を締めくくった。











