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イベントレポートタイトル

2010年7月11日 開催

特別公開授業

「あなたの知らない生命薬学の世界」

東京理科大学 薬学部 生命創薬科学科
深井 文雄 教授
早稲田塾新宿校にて

「あなたの知らない生命薬学の世界」

深井 文雄 教授(ふかい・ふみお)

東京理科大学理学部応用化学科卒業。同大学理学研究科修士課程修了。理学博士。専攻は分子病態学。接着分子学、腫瘍細胞生物学を研究分野としている。著書に「生命薬学シリーズ 『病態生理・生化学』Ⅱ ‘肝疾患’」「Vascular Biologyナビゲーター」など。

創薬はエキサイティング!

薬学には、薬の適正使用を追求する「医療薬学」と、創薬のための総合科学である「生命創薬科学」、2本の柱がある。今回の授業で、深井教授は主として、創薬について述べた。

薬剤師は目の前の患者、一人ひとりを救う。一方、創薬研究者は創薬によって多くの人の苦しみを救おうとする。研究者には、生命薬学と創薬に関する高度な知識と技術の習得が求められる。

平成19年度、東京理科大学・薬学部には、薬剤師の養成をめざす薬学科の学生が80名に対し、創薬生命科学科の学生は100名。創薬に力を入れていることがわかる。教授は、「創薬は病のメカニズムの分析から始まって、製品ができ上がるまでの道のりが長い。時間にして10~15年、コストは数百億円かかる。しかし、薬は医療に欠かせない。日本からも、これまでにすばらしい新薬が生まれている。生命科学と医薬品の開発に関心がある、理工系志望の学生を歓迎します」と語った。

次に、テーマは教授の専門である「細胞接着」へ。ヒトの身体は約60兆個の細胞でできていて、固形組織(接着性細胞)とドロドロした不定型の血液組織(非接着性細胞)の2つにわかれる。ある細胞が分化して、1つの組織を形成したり増殖したりするのは、接着しているからだ。はがれてしまうと、その細胞は死んでしまう。

スライドには、白血球が血管を破って外に出て、まるで舌を出すようにして侵入してきた細菌を食べてしまう瞬間の動画が写し出される。理屈がわからなくても、面白い。接着分子を介して接着しているから白血球は動くことができ、細菌を殺せる、ということのようだ。接着を弱める因子を利用することによって、がん細胞の転移を抑えることもできるという。

創薬という仕事は、病のメカニズムを分析して仮説を立て、実験することの繰り返しであるらしい。「創薬は、実にエキサイティングですよ」。子どものような笑みを浮かべて、教授はこう結んだ。

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