2010年8月28日 開催
特別公開授業
「大学は君の未来を作る場所」
早稲田大学 国際教養学部
重村智計 教授
早稲田塾表参道校にて

- 重村智計 教授(しげむら・としみつ)
早稲田大学法学部卒業
1975年~76年韓国高麗大学大学院研究生。
1985年~86年、米スタンフォード大学研究員。
1971年毎日新聞社に入社。ソウル特派員、ワシントン特派員、毎日新聞論説委員などを歴任。2004年より現職。日本ニュース時事能力検定協会理事。朝鮮半島情勢などを主な専門分野とし、北朝鮮問題に関する分析を行う。関連の著書やテレビ出演多数。
大学、そして将来についての14の話
「上手い文章をかくのは難しい。しかし、わかりやすくて面白い文は、誰にでもかけます」。重村教授は、初めに文章力を磨くことの大切さを強調し、そのコツを伝授した。自分の体験談をふまえて、できるだけ具体的に書いていく。読む人に共感と感動を与えられるように、文章の構成をしっかり考えてから書くことだ。
教授はあらかじめ、参加者に箇条書きのメモを配っていた。「天職とは何か」「哲学とは何か」など、14項目。「何番の話しが聞きたいか。早い者勝ち!」と呼びかける。
「天職」については、「誰にでもあるもの、しかし自分によっての天職は、初めからきまっているのではない。関心を持ったことを精一杯にやっているうちに、それが天職になる」という。「なぜ大学に行くのか」という設問には、「自分の頭で考え、判断する力を身につけるためだ」と答えた。テレビでおなじみの柔和な笑顔と、時折飛び出す、べらんめえ口調の取り合わせが、なんとも面白い。
教室を歩き回りながら、教授は塾生に次々と質問していく。「哲学って何だと思う?」という問いには「難しいもの」「わからないもの」という答えが返った。教授はこう説いた。欧米は中世まで神に支配されてきた。ルネサンス期にいたって、神の代わりに理性という概念を打ちたて、それによって世界を理解しようとした。神(キリスト教)からの独立、解放が哲学である。哲学をするということは、自分の頭で考えることであり、決して難しくない。大学生の間に、自分で哲学していく力を、ぜひ身につけてほしい。
教授の専門分野である朝鮮半島情勢についても、多くの質問が出された。北朝鮮には武力も経済力も、何より石油がない。従って、北朝鮮が戦争を仕掛ける可能性は、ほとんどなかろうという分析だった。これまでに、世界各地で起きた戦争、紛争の五割くらいは、指導者の判断ミスに起因しているとも指摘した。
最後の質疑応答で、教授は日本の将来に触れた。「官僚制度など、戦後の日本を動かしてきたシステムが限界に来ており、改革を迫られているのは事実だ。しかし日本は、教育水準が高いことなど、恵まれている点も多々ある。これからの日本は、あなたたち次第だ。皆さん一人ひとりが、自分の能力を高める努力をしてください」と結んだ。











