長瀬史明 (ながせふみあき)
- 第29期生
──[私の〈ハイスクールライフ〉]カナダ留学で身についた“努力するクセ”
淑徳高校の留学クラスに入学し、高1の夏から高2の夏までの1年間、カナダに留学しました。でも英語が特別好きでも得意だったわけでもなく、実際に留学してからは苦労の連続。事前に英会話学校に通ったり英検を受けたりと準備は一応したものの、わずか3ヶ月そこそこ。それだけでは英語でコミュニケーションがとれるわけがありません。
話せないのが本当に辛かったのですが、滞在先のホストマザーが根気よく面倒を見てくれました。日本から持っていった単語帳の中から、彼女が単語をピックアップし、僕がその単語を使って短文を話す、という方法でトレーニングを。語感や文法など英語的な問題点をネイティブの視点から指摘してもらい、実用的な英語力を培っていきました。発音や文法を間違えても、相手が大人ならばこちらの意図を汲んで理解してくれたり、聞き直したりしてくれる。だけど、滞在先の家庭にいた小学生の子どもたちは、ちょっとでも僕の英語にミスがあると、まったく理解してくれない。この“手強い”聞き手に鍛えられることも、たびたび。滞在中、英語力がどんどん身についていきました。
学校の授業は、やはり英語ということもあり難しく、必死でくらいついていきました。僕は日本からギターを持っていったので、ホストマザーからギターのレッスンに行くよう勧められました。英語によるレッスンが理解できるか、不安ながら飛び込んだ結果、コンテストで最優秀賞をとれました! カナダで、何事にも全力で取り組んだことで自信がつき、精一杯努力するクセがつきました。
──[入塾の〈きっかけ〉]経験を生かしてAOにチャレンジ!
留学から帰ってきた僕は、留学前と比べると我ながら大変身したと思います(笑)。何事にも懸命に取り組むようになり、学校の成績がグングン伸びていきました。評定平均値は、5段階評価で「5」が並ぶほど。そして高2の3学期には、10段階評価で平均9.9をマーク! カナダでクラスの誰よりも頑張ったという自負と、目標を実現させるための集中力が、帰国後もそのまま自分のスタイルとして定着。英語はもちろん、その他の科目を引き上げることに成功しました。
高3になると、学校のクラスメートは留学経験や英語の学力を武器にAO・推薦を狙って対策を進めていました。そんな環境で、最初僕は一般入試だけを考えていて、その準備は自分でやろう、と思っていた。英語は一般入試に通用するくらいの実力があるし、あとは地歴公民に専念して古文を少し補強すればよい、ぐらいに考えていました。しかし、周りの声に耳を傾けるうちに、少しずつAOに気持ちが向いていったのです。悩みに悩んだ末、一般入試を受ける気持ちに変わりはないものの、慶應SFCのAOにチャレンジしてみようと思い、高3の夏休み前、AO対策に定評のある早稲田塾に入りました。

──[早稲田塾での〈生活〉]論文作法が本当に面白い!
志望理由書対策講座、論文作法と、AO対策の講座をメインでとりました。特に論文作法には驚きました。単なる書き方を教えるのではなく、受講生同士で徹底的にディスカッションを行い、内容を深めてゆく……まったく初めての経験で、本当に面白かった。塾の授業という概念を越えた、すばらしい講座でした。最初は満足に書けなかったのですが、講師の手厳しい講評で本気になれた。そして積極的にディスカッションして他の人の意見を吸収するなど一生懸命に取り組んだら、講師から「すごくいい!」とほめられるように。それがうれしく、さらに勉強に弾みがつきました。
それでも、志望理由書の作成では苦労しました。最初に決めたテーマでうまくいかず、それから何度も新たなテーマを模索。僕は色々なことに興味を持っていたので、テーマは数限りなくありました。逆に、一つのことを貫けなかったことが、AOに立ち向かう上での“弱点”になってしまったよう。しかし、慶應SFCは個々の色々な興味に応えてくれる環境。書類審査には通りませんでしたが、一般入試でもう一度ここを目指そう! とファイト満々で、気持ちを新たに進んでいきました。
──[私の〈受験ストーリー〉]小論文をさらに補強!
二学期からはハイレベル小論文を追加し、論文作法で培った力のうち、“書くこと”に特化してさらにトレーニングを積みました。慶應SFCの小論文は2000字という長文。年度によってはさらに長い場合もあります。しかも制限時間が短いため、とにかく速く多く書くことが自分にとっての課題でした。そのトレーニングのおかげで、実際の試験では余裕を持って書き上げることができた。論文作法とハイレベル小論文がなければ、この試験に対応できなかったと思います。
英語についてはほとんど不安はなく、学校で大量にもらった長文のプリントを夏前にこなし、留学中に身体に覚え込ませた単語帳の復習を行う程度で十分でした。留学中の努力がものを言いました。実は単語帳の中に、留学中、普段の会話で使わなかった単語があるのですが、不思議とこれが試験で出ない。長文の説明文と日常会話は違うという意見もあるでしょうが、どうもそうではないと……。このことにある程度確信があったので、復習も頻出事項に重点を置き、あとは200~300単語を30分で一挙におさらい、というような方法でクリアしていきました。あとは対策の進んでいない世界史に専念するのみ。

──[受験を通して得た〈一生モノ〉]論文作法で、物事を作り上げる基本を学んだ
論文作法の時間にディスカッションする中で、皆の様々な意見を聞いてきた経験が今に生きています。今、大学で「外交政策ワークショップ」というグループワークを行っていて、これは日本の外交政策をチームで一つ作り上げてプレゼンする、というものなんですが、僕らのチームは「対ロシア資源外交」に取り組み、ロシアに経済特区を作る計画を練っています。ここで必要なのが、何より“人の意見を吸収する”ということ。いくら知識があっても、ただ頭ごなしに自分の考えを押しつけるだけでは形になっていかないのです。話し合って人の考えを吸収し、それをふまえて自分の意見をかみくだいて説明し、お互いに理解を進めていくことが重要だと痛感しています。今後、研究室に入ったり、企業に就職しても、コミュニケーションをとりながら作り上げていくことが必要とされる。その基礎を、論文作法で培えたのだと思っています。
──[後輩に〈ひと言〉]合格のためにどれだけの勉強が必要か考える
合格した慶應SFCの一般入試は英語と小論文が試験科目です。僕はこの2科目には万全の態勢で臨みました。しかし、世界史のある大学にはほとんど太刀打ちできなかった。世界史に関しては、僕は勉強を始めるのが遅すぎたのです。どのくらい勉強したら大学に合格できるかは、人によって違うから、早い時期から、納得のいく勉強を積んでほしいと思います。
そして、最後まであきらめない! たとえAOを失敗したと思っても、まだまだ時間はあります。気持ちを切りかえて、一般入試に思いっきり力を注いでください!
私の「淑徳高校自慢」
各学年に1クラス、全員が在学中に1年間の留学を体験するという「留学クラス」があります。日本では実質2年間しか一緒に過ごせないのですが、クラスメイト同士の結びつきがとても強く、卒業した今でも、親しくしています。あと、淑徳はトイレがすごくきれいなんです。このトイレにはホレましたね。この高校に来て本当によかったと思わせてくれました(笑)。
私の「慶應義塾大学 総合政策学部 現役合格アイテム」
単語帳
留学中にホストマザーと一緒に勉強した単語帳です。まったく英語が話せず本当に苦労していた僕に、彼女がこの単語帳を使って根気よく指導してくれました。日常会話で使われる実用的な単語のラインが留学生活で把握でき、その頻出語がそのまま受験でもよく出る単語だとわかったのは、大きな収穫でした。その法則に従って何度も繰り返し、英語には自信をもって入試に臨むことができました。
















