原口さとみ (はらぐちさとみ)
- 第29期生
──[私の〈ハイスクールライフ〉]モダンダンスを通じて将来の展望が……
中学からモダンダンス部に所属していて、高校生活はダンス一色でした。楽しい思い出も、辛い思い出も、友人との葛藤も、ダンスを通じて経験したことは、数限りない。様々な場面が、いまでも目に浮かびます。なかでも高校時代に全国2位に輝いた経験は、一生忘れることはないと思います。「GAMEOVER ~リセットカノウ?~」というタイトルで挑んだダンスは、ゲームの世界と現実社会の区別がつかなくなり、判断を誤った現代の若者を描いた作品。非常にメッセージ性の高い内容となりました。このテーマを選んだ背景には、共に練習をしてきた部員が交通事故で亡くなる、という悲しい出来事が。「人の命」を表現したい……。そんなこだわりから、友人と何度も議論して設定しました。
この経験を機に、命の重さや生きるということに強く関心をもつように。少年犯罪や麻薬への依存など、貴重な人生を棒にふってしまう若者が多く存在していることも、この間に読んだ本で知りました。そして、道をはずれてしまった若者のサポートに携われないかと、思うようになったのです。
──[将来の〈夢〉] “創作”をベースに問題を解決したい
犯罪や麻薬に手を染めてしまった若者の更生に関わる仕事に就きたいと思った矢先のこと。早稲田塾の講師が話していた、「教育とは、もともともっている才能や能力を引き出すこと」という言葉が、強く胸に響きました。これまでの既成概念を突き破るような教育があってもいいのでは? それには、私の打ち込んできた創作ダンスこそが手段となるのでは、と思うように。
創作ダンスは、人の行動や感情を想像することからスタートし、メッセージを伝えるのにふさわしい動きを考え、全身で表現していきます。こうしたイマジネーションを必要とする活動こそ、彼らに豊かな感情や判断を取り戻させるのでは。
最終的には教育者を目指すかもしれないし、ジャーナリストになるかもしれない。とにかく“創作”という活動を通じて、手を差し伸べられることができれば、と思っています。そして、まだ社会的に確立していない仕事に取り組むうえで、より幅広い領域の知識を身につける必要があると感じ、在学中の姉の勧めもあり、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)への受験を決意しました。
大学に入学した現在は、国際問題にも関心をもち、フリーマーケットやチャリティライブを通じて得たお金を、カンボジアのスラム街やイスラエルのろう学校に寄付する活動を行っています。少年犯罪も含め、社会的弱者を取り巻く問題について、より加速度を上げて解決していきたい。

──[タメになった〈授業・カリキュラム〉] 入試英文の読解から「大学の求める人物像」を知る
進学先を決定する高3の時期に、モダンダンス部での実績を生かせる受験方法として、AO入試に挑戦することを決めました。AO入試には、志望理由書と面接、そしてプレゼンテーションが課されます。早稲田塾で「AO・推薦入試特別講座」や「論文作法」などの講義を受け、対策を重ねました。
唯一、直接受験に関係のなかったのが英文読解でしたが、合格後も継続して受講していました。この授業では、和訳や解き方の解説はほとんどない。「英文が訴えるメッセージを読み解く」ことを、徹底して繰り返す。歴史や法律などもひもとき、文章の背景を深く理解しようと努めました。
いわゆる“受験のノウハウ” を身につけるという観点からは、「進化論」や「日本国憲法」を調べることは、無意味に思えるかもしれない。けれど、講義では言葉の連なりをツリーのように関連づけ、調べた内容をベースに、英文が語りかける内容を解読していく。すると、すべての文章が「人間としてこう生きてほしい」というメッセージで構成されていることに気づいた。つまり、出題する大学の「こんな学生に入学してほしい」という、メッセージそのもの。
そういう視点で過去問を読むと、大学側が求める人材像も明確になってきます。私は面接で、英文から拾った「モラルコンパス」(人間のモラルの尺度)という言葉をあえて使い、志望理由を話しました。狙いはピタリ! 面接担当の方は、私の思いに共感してくださったから、合格を手にすることができたのだと思います。
──[後輩に〈ひと言〉] 自分の人生をデザインしよう
受験は、人生の大きな関所ではありますが、目的ではなく通過点。受験というシステムに人生を任せるのではなく、自分の意思で人生をデザインしてください。そのほうが、きっと楽しいと思います。

私の「桐蔭学園高校自慢」
桐蔭学園高校の自慢は、2300人を収容できるホール。プロによるオペラや、ジャズライブなども上演される。1回30万円という本格的な照明を利用しながら、自分たちもダンスや音楽を思いっきり演じることができます。
私の「慶應義塾大学 総合政策学部 現役合格アイテム」
英語のノート
この講義ノートには英文のほか、自分で調べたメモもたくさん書いてあります。社会主義についてとか、西欧の貴族のこととか。英文読解を通じて、英語だけではなく多くの知識が得られました。
















