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Good Professor

小原 隆治

小原 隆治 教授
成蹊大学
法学部

小原隆治(こはら・たかはる)
1959年、長野県生まれ。1984年、早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。1990年、同校博士課程単位取得、退学。その後、成蹊大学にて専任教員となり、現在に至る。主な著書に編著『これでいいのか平成の大合併』など。

最近注目されている地方自治が専門

小原隆治先生の専門は、地方自治論である。 「講義でも日本の地方自治について話しています。堅めの話が中心ですので、地味と言えば地味なのですがね」と、先生は少し照れながら講義内容について説明された。しかし一見地味に見える地方自治の問題。実は非常に注目されている分野なのである。

1999年に地方自治法が改正され、中央から地方に権限を委譲しようという動きが始まった。またここ数年、原発など迷惑施設に対する住民投票の実施が盛んになり、住民の意思を尊重しない施設の建設が続々と見送られている。

老人の介護サービスにおいては、地方自治体の取組みによって格差が生じ、少しでもサービスの良い地方自治体へと移住する人まで現れた。 つまり、自治体の善し悪しが住民生活の質を左右する時代の入口に、日本は立っているのである。

「国から権限を分け与えるという姿勢ではダメでしょう。住民が自分で条例を作り、自分たちで統治していくようになってこそ、本当の意味での地方自治が始まると思います。  

もちろんそうなれば住民が自主的に動いた地域と、動かない地域とでは、住民生活に大きな差が出てきます。そうなれば逆に、みんなが地方自治に関心を示し、自ら動くようになると思います」  上から押しつけられた政策では、真の問題解決にはならない。

個々人の自治への意識と行動が、住みやすい町をつくり、住みやすい社会をつくる。それが地方自治を研究してきた先生の一つの答えである。こうした先生の信念は、ゼミ生に対しても貫かれている。

「自治能力」をつけてほしい

「『ゼミの成功の8~9割は、みなさんの力量に関わっているのですよ』と、僕はゼミで言い続けています。ゼミ生に『自治能力』をつけてほしいからです。  学生はそれぞれ個性がありますから、問題を整理するのが得意な人もいれば、組織を調整するのが得意な人もいますし、仕切るのがうまい人もいる。そうした役割を担って、積極的にゼミに参加するようになれば、組織として水準を上げていけるのです。

いやー、青春ドラマみたいで申し分けないのですが、『先生、去年のゼミで僕は変わりましたから』と、僕に話しかけてきたゼミ生もいたのですよ。確かに彼は、ゼミでの活動を通して変わっていきましたけれどね」と、先生はとても嬉しそうに笑った。

みんなの積極性によって組織の水準が上がり始めれば、時には驚くほどの結果を生む。さいたま市の合併について調べていた2年のゼミ生は、最初こそ先生の指示待ちだったが、半年後には自らどんどん調査に出向くようになったという。気がつけば、街頭で数百人の住民アンケートを集め、県庁に分析結果を持ち込んで、役人に取材までしてしまったというのだから驚く。調査の規模や手法は、ほとんど大新聞なみだ。

自分の役割を自主的に担っていく行動力は、もちろんゼミや地域での問題解決だけに役立つわけではない。会社をはじめとするあらゆる集団や社会で、「自治能力」が求められている。会社などで何も言えない「イエスマン」の弊害が叫ばれるなか、自主的に動ける人材は年々評価が高まっている。

そして小原先生は「自治能力」を持つ人材を発掘すべく、新たな行動を開始した。それは大学の入口、受験の改革に携わることだ。 今年10月から法学部では、AOマルデス入試が始まる。論文作成やグループ討論などによって、ゼミを引っ張っていける人材を入学させようという試みである。

「コミュニケーション能力があり、そうした能力を支える強い個性を持つ人材を入学させることによって、さらにゼミが活発化すると思います。先ほど言った『組織としての水準を上げていく』核となる人物が、以前の入試制度より入りやすくなりますから」  

成蹊大学では、1年からゼミに入ることができる。小原先生のゼミに所属すれば、「青春ドラマ」のように成長できるかもしれない。そしてもう一つ重要なことは、一生ものの友だちを見つけられることだという。 「大学時代のゼミ仲間とは、いまだに逢っています。ホームパーティーを開いたりしてね。この歳になっても利害関係抜きに、本音で話せるのが嬉しいのです。本当にあらいざらい話していますから(笑)」  

今、日本は過渡期にある。政治も個人も、他人任せの時代は終わったのだろう。地方自治の研究の先には、個人の生き様が映し出されていた。

こんな生徒に来てほしい

「やはり自主性のある学生に、ゼミに入ってもらいたいですね。特に素晴らしい個性を持っている人は、AOマルデス入試に挑戦してもらいたい。顔の見える面接を行うことで、通常の入試では見落としてしまうかもしれない才能豊かな学生を発掘したいですね」

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