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Good Professor

松本 和幸

松本 和幸 教授
立教大学
観光学部

立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科

まつもと・かずゆき
1949年香川県生まれ。’72年京都大学工学部数理工学科卒。’74年同経済学部卒。’74年日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)入行。’79年早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了。’86年米ブルッキングス研究所客員研究員。’88年大蔵省財政金融研究所(現・財務省財務総合政策研究所)主任研究官。’03年より現職。財務省財務総合政策研究所特別研究官を兼務。主な著作に『経済成長と国際収支』(日本評論社)『ビジネスパソコンこうすれば使える』(東洋経済新報社)『Japanese Direct Investment in Europe』(分担執筆・米国で出版)などがある。
松本先生が主宰するWebサイトのURLアドレスはコチラ → http://www.rikkyo.ne.jp/grp/matsumoto/

実証的な「比較」の観点からの国際経済学

松本研究室のある新座5号館
松本研究室のある新座5号館
立教大学新座キャンパスの正門
立教大学新座キャンパスの正門

今週ご紹介する一生モノのプロフェッサーの松本和幸先生は、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科と観光学部の教授を兼任している。ここでは観光学部教授の立場から話をしてもらうことにした。そこでまず、大学観光学部として最古の歴史を誇る、立教大観光学部の特徴から伺った。

「本学の観光学部が一番古くて歴史があるということは、それだけOB・OGの数が多いということです。つまり、日本の観光行政・観光産業に広く人脈があり、しかもその主要ポストの大半を占めているといっても過言ではありません。このことは後輩学生の就職にも有利に働きますから、大変なメリットだと言えるでしょうね」

その学びの特色は、フィールドワークなどを主体にしたリアリティーのある教育だ。

「研究は足で稼げ――というのが本学全体の教育方針です。とくに観光学部のような実証系の学問では、頭だけではなく足で論文を書くというのが徹底されています。ですから1年次の学生から海外に演習に出る機会がとても多く、そのためのサポートシステムも整えられています。これを称してリアリティーのある教育というわけですね」

経済学の視点から観光行政・観光産業をとらえると

立教大学新座キャンパス
立教大学新座キャンパス
立教大学新座キャンパスの本館
立教大学新座キャンパスの本館

さて、松本先生ご自身の専門分野は「国際経済学」だ。そのプロフィールでも分かるように、先生は、長く日本政府の経済政策に関わってきた経済の専門家として知られる。大学教授職に転じた現在も、財務省の研究所特別研究官を兼務している。

「わたしの専門分野である国際経済学とは、為替レートは何によって決まるのか? 世界の国々の競争力を定義規定するものは何か? また主要国と比較して日本の賃金や人口変動などはどう位置付けられるのか? ……など、日本と諸外国の経済や経済政策の国際比較などを研究する学問分野です」

そのなかで松本先生が研究しているのは、現実の経済政策や動向に即した調査分析が多い。

「たとえば、いろんな国が経済開発のための政策を実施しますが、うまくいく国とそうでない国が出てきます。開発経済学(なかでも経済成長論)では、それは何故なのか? と、双方の国についてあらゆる角度から徹底的に調査し分析しています。これらは、それでは日本の経済政策はどうあるべきか? というところにも帰るわけですね」
「さらに、途上国の開発援助に関する研究も行なっています。これも、ある特定の国の援助政策を策定する場合には一般法則が通用しません。国によって文化や歴史・風土・経済システムがまちまちですから、それらを詳細に調べ上げて援助計画を策定する必要があります。そのように個別的にならざるを得ないのが開発援助の特徴ですね」

目下のところ、外務省所管の国際協力機構(JICA)からの依頼で、カンボジアの開発援助について調査研究中だそうだ。ほかに、先進国の向かう方向を知るうえでアメリカ経済についての研究も大きな課題で、とくに日米経済の比較研究に力を入れている。そんな松本先生が観光学部で講義しているのは――

「観光学部では、アメリカや東南アジアなどの主要な国を例にとりまして、その国の社会や主要産業・企業活動などについて経済的な面から講義しています。また観光が経済に与えるインパクトについても触れています」

卒業後に観光行政に携わるにしても観光産業に就くにしても、経済学の面から観光について考える視点は重要だ。

一生モノのゼミで一生モノの人間関係をつくろう

東京証券取引所見学での集合写真
東京証券取引所見学での集合写真
新座キャンパスのチャペル
新座キャンパスのチャペル

立教大観光学部の専門ゼミ演習は2~4年次の学生が対象である。松本先生のゼミでは、毎年30人からのゼミ生を受け入れている。応募者はその倍を超えるという人気ぶりだ。

「勉強することだけを目的にしている学生はあまり来ません。どちらかといいますと、部活やサークルで中心的なメンバーになっているようなタイプの人が多いですね。学生生活を楽しもうという雰囲気が学生たちにあるからなのか、ゼミの出席率がよくて、休む人などほとんどいません。それは大きな特徴でしょうね」

「わたしのゼミのもうひとつの特徴として、日本のトップメーカーや東京証券取引所・日本銀行などの実地見学を頻繁に実施していることがあります。それも人気の理由だろうと思います」

さらにゼミ生の就職事情の好調さも特筆に値するようだ。大手あるいは一流といわれる企業にその大半が就職していき、それが松本ゼミの伝統のようになっているらしい。

立大観光学部では卒業論文が必修にはなっていない。そこで松本ゼミでは、観光をテーマにしたリポート提出を義務づけている。こうしたゼミ生に対する指導方針について最後に話してもらった。

「わたしは国際比較や企業間比較などの、『比較』を研究信条にしております。世の中のすべての事象を比較して見ますと、相対化してとらえることができます。ですから学生たちには、日本を機軸にしつつも諸外国の例との比較で徹底的に調べ上げて、その良い・悪いなど相対的な観点から判断するようにと言っています」
「また、このゼミで、生涯にわたって友情を分かちあえる友人をつくって欲しいですね。同じゼミで過ごした友人というのは敬称抜きで一生呼び合えます。そういう関係がとても大切なのです。そういうことも勘案して、なるべく多くのゼミ生を取るようにもしているのです」

こんな生徒に来てほしい

勉強でも運動でも何でも、自分が心の底からやりたいことに全力投球できる人がいいですね。昨今は「○○ひとすじ」というのはカッコ良くないというような風潮がありますが、そんなことは決してありません。たとえば数学でも語学でも、心の底から勉強したいのであれば、一生をかけて徹底的にやるべきですね。運動でもいいです。そうやって他人の意見に左右されない自分なりの人生の基準を確立してほしいですね。

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