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AO・推薦入試対策 志望理由書編 【早稲田塾】

東京薬科大学のAOおよび一般公募入試

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数ある薬科の単科大学のうち最も人気の高い学校の一つ。いわゆる一般選抜は同大学の場合B方式と呼ばれ、前期と後期がある。そこでの定員よりも、推薦入試(指定校含む)およびセンター利用の方が上回る。したがって所定の条件を満たしている同大学志望者は推薦をぜひとも視野に入れたい

書類の確認をする前に同学の「公募制」「AO」の概念がやや特殊なので確認しておきたい。

公募制とは学校長の推薦を必要とし、合格後は必ず進学しなければならない。ところが東京薬科の場合、薬学部は学校長の推薦は必要なものの他大学を併願してもいいという「併願可の公募制」である。非常に珍しい。生命科学部は専願と併願可で分けて選抜する。

逆にAOは学校長の推薦を必要とせず、その点は同学も同じなのだが「専願」が条件となっている。この辺は他大との関係を目配りしている者にとってはとても重要な情報なので、最新の情報を要項などでくまなくチェックしておくのが望ましい。

●一般公募
薬学部は全体の評定平均3.5以上を必要とする。生命科学部は公募専願が「理科、数学、外国語(英語)各教科の評定平均3.5以上」公募併願が「理科、数学、外国語(英語)各教科の評定平均3.0以上」となっている。

薬学部は自書する志望理由書類はない。

生命科学部には専願・併願共用のフォーマットで「自己推薦書」が存在する。A4判の約3分の2のフリースペースが与えられて、題意は

自己PRして下さい。また自分について説明したいことがあれば書いて下さい

とある。学校長が書く「推薦書」には理科、数学、外国語(英語)の各評定平均と、全体の評定平均、および「推薦所見」だ。ここは記載者職の氏名を書く欄があるため、学校長ではなく学級担任が綴ることになろう。学校長自身が書いていいかは不明であるが多分構わない。

したがって自分で書く自己PRや「自分について説明したいこと」は、できれば「推薦所見」を受けて展開したい。別に同じことを述べるべきと助言しているのではなく、そこからの広がりが持てるとよりよいとの推測である。

自己PRなのだから「めざましい」があれば大いに展開していいだろう。事実の羅列で終えられるほどのものであれば。そうでないならば念のため、生命科学部の「教育理念」や農学、工学、薬学、医学、理学を包含するユニークな学部のあり方、志望する学科(分子生命科学科と環境ゲノム学科)の特色などを踏まえた上で、そこで活躍できる人材であると結びつけられる内容であるのが望ましい。単純な自己PR以外に「自分について説明したいこと」を付しているのは、その余地を与えているとも推測できる。いずれにせよスペースに限りがあるので述べたい旨を端的にまとめる作業が重要となってくる

●AO入試
薬学部は「志望理由」(1200字)と「自己評価(自己PR)と活動記録」(同)の、合わせて2400字というかなりの量を書かなければならない。志望理由で圧倒的に多いのは、当然ながら「薬剤師になりたい」である。それはそれでいいとしても、単にそれだけでは「薬学部」の志望理由であって「東京薬科大学の志望理由」にはならない。

薬剤師のようなメディカルの専門職は、多くが業務独占職である。薬剤師にしかできない業務が存在する。また薬剤師法

薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする

とあるから、ここを踏み越えての論議はあり得ない。
比較的目立つのはこうした「薬剤師とは何か」という知識を十分に調べないで、家族や近くにいる薬剤師から受けた影響を延々と述べたり、それが素晴らしかったから私もと急転直下する内容だ。例えば母が薬剤師であるとして、その仕事ぶりから感銘を受けたり自身の志望動機とするケースである。これだと自分ではなく母の志望理由書になってしまう。「身近ほど知らない」はままあるパターン。その仕事は何かをきちんとした書物などで把握して論じないと「薬学部」の志望理由にすらならない。

その上で東京薬科大学研究を十分に行うこと。他大学と比較検討するまではしなくていい。東京薬科大学のどこに自分の「これから」が重ねられるのかを、全機会を利用して探求するようにしたい。

「自己評価(自己PR)と活動記録」は、どちらかというと「これまで」を述べる。活動記録が「めざましい」人は大いにアピールすればいい。AOは評定平均を問わないので、高い人や薬学に関係しそうな科目の成績が良い者などはそれも大いに使える。ただし同大学は「めざましい」系ではないので地味な、他者から客観的に評価を受けにくい「これまで」であっても「自己評価」できれば構わない。部活、ボランティア、地域活動などだ。

ただその場合は活動の内容自体があいまいな文章になったり、自己の特性を「しっかりしている」「頑張る」「やり抜く」「何でも」とありきたりの表現でまとめてしまう危険も高い。何度も書き直して推敲する作業が求められよう。

生命科学部には「実験AO」と「研究AO」がある。実験の方は書類選考通過後、会場試験である実験を行い、その後の面接を行う。「調書」は実験について論じる形でなく「志望理由と自己評価(自己PR)」を約1000字でまとめる。「志望理由」については一般公募で述べた薬学部とほぼ同じ助言となる。もっとも「薬剤師」は抜きで。「自己評価(自己PR)」も当欄の薬学部の項を参照されたい。ここではあくまでも人となりを審査され、実験は実験として行われると見られる。少なくともこの題意から実験向きかどうかを見出そうとはしまい。とはいえ実験が好きというアピールができるならばあってもいい。

「研究AO」は「研究題目」と「研究成果」を1000字以内にまとめて会場試験でそれを発表し、質疑応答となる。同大学WEBサイトにある「Q&A」によると

個人あるいはグループで行った研究の結果が対象になります。例えば科学クラブでの研究、スーパーサイエンスハイスクール、高校や大学の教員の指導で行った研究結果等です。本学で実施する夏休み「研究実習」で行った研究結果も対象となります
特に指導を受けずに個人で行った研究でも自信があれば応募して下さい。可能性は十分あります

とのことだ(http://www.ls.toyaku.ac.jp/admission/AO.html)。いずれにせよ書いた内容が最終まで影響するので、発表を想定した内容になっているのが望ましい

著者紹介

【坂東太郎】

毎日新聞記者などを経て現在、早稲田塾論文科講師。 現在、日本ニュース時事能力検定協会監事を務める。 著書に『マスコミの秘密』『時事問題の裏技』『ニュースの歴史学』など。

※「志望理由書対策入門」の内容は、早稲田塾生専用サイト「マイページ」にて15回分早く連載されています

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