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大学プロデューサーズ・ノート 【早稲田塾】

キャンパス移転にともない、周囲の不動産事情にも変化が?

マイスターです。

■東海大学開発工学部が募集停止

↑先日の記事で、東海大学開発工学部の廃止をご紹介しましたが、このとき取り上げた報道の中で

4日に地元の平沼自治会などが、同市に学部存続の要望書を提出。同自治会の杉沢正昭会長は「地元には学生向けのワンルームマンションを経営している人も多く、影響が大きい」と撤回を訴えている。

(上記記事より)

……という記述がありました。
確かに大変だろうなぁ、だけどマンション経営者を護るために定員割れ状態のキャンパスを維持してくれと言われても無理だろうなぁ、などと思って報道を読んでおりました。

歴史の長い大学の周辺には、学生の需要を見込んだワンルームのアパートやマンションがたくさん存在しています。経済活動として自然なことです。
大学の側も、そういった対応に支えられている部分はあるでしょう。周囲に学生が住めるアパートがまったく存在していなかったら、学生も困るし、大学も困ると思います。学生全員に寮を提供できるような大学はあまり多くないでしょうし。まさに需要と供給です。

すべてが順調なときには、もちつもたれつの関係が上手くまわりますが、ただ、大学がキャンパスまるごと移転してしまうようなときには、その関係も崩れます。

そんなわけで、今日はこんな話題をご紹介します。



【今日の大学関連ニュース】
■「同大学部移転、学生住宅足りる? 今出川校地、マンション新設進まず」(京都新聞)

来春からの同志社大の学部移転で京田辺校地(京都府京田辺市)から今出川校地(京都市上京区)へ1万人近い学生の移動が始まるが、今出川校地周辺の学生用住居の確保が進んでいない。地権者には「特需」のはずが、景観規制の強化や資材高などで新築の動きは鈍く、大学近くの物件は学生の争奪になりそうだ。

「単身者マンションの需要が大幅に拡大します」。10月中旬、京都市内で賃貸住宅経営者など180人を集めて開かれた経営セミナーで、学校法人同志社の事業会社「同志社エンタープライズ」の事業部長がこう呼び掛けた。

参加者のうち京都大近くで学生向け賃貸住宅を経営している男性(67)は「今は10室が満室だが、相次ぐ大学流出で学生が大きく減った。少子化もあり、今回の移転は大歓迎」と期待した。

しかし、同社はこれまで4度のセミナーで新設を呼び掛けたが、「なかなか盛り上がらない」と嘆く。資材値上がりで建設コストがかさむ一方、高さ規制が強化され、投資に見合った部屋数を確保しにくいという。

移転決定後、大学と住居開発で提携するあるマンション管理会社は来年3月完成予定を含め7棟を新築したが、それでも部屋数は約150室。現在、今出川周辺の単身者住宅の空き室は約1300室とされ、来春の1次移転で増える見込みの1人暮らし学生約800人には対応できそうだが、2013年春までに計3800人が増える見通しのため、このままでは大幅に不足する。

今出川周辺の不動産業者によると、学生はすでに今年夏から物件探しを始めているといい、合格発表の来年2月以降、新入生も巻き込んで物件の奪い合いが過熱しそうだ。

(上記記事より)

同志社大学は現在、以下のようなキャンパス再整備計画を発表しています。

【2009年】
・文学部心理学科が「心理学部」になり、京田辺校地に。
・神学部および社会学部の1・2年次が今出川校地に移転。
(同志社女子大学の学芸学部英語英文学科および日本語日本文学科も、今出川校地に移転します)

【2013年】
・文、法、経済、商学部の1・2年次生が今出川校地に移転。

この結果、すべての学部で、1~4年次まで同じキャンパスで学ぶ体制が完成します。

【今出川校地】
・神学部
・文学部
・社会学部
・法学部
・経済学部
・商学部
・政策学部

【京田辺校地】
・文化情報学部
・理工学部
・生命医科学部
・スポーツ健康科学部
・心理学部

人文科学系と社会科学系を中心にした今出川校地と、
自然科学(理工学)系、医療系を中心にした京田辺校地。
そんなキャラクター分けが強化されることになりそうです。

↓先日も、青山学院大学のキャンパス移転に関する話題をご紹介しました。

■ニュースクリップ[-11/16] 「学部の一部を青山に移転へ/青学大相模原キャンパス」ほか

このように、受験生や企業へのPR強化も含め、戦略的にキャンパス機能を整理統合する動きが各大学で進められています。



そんなキャンパス調整にともない、学生数が大きく増減するケースもあるようです。



冒頭の東海大学開発工学部のように、人がいなくなるケースも影響は大きいと思いますが、人が急に増えるのもまた、大変。
地元の不動産業にとっては朗報のように思えますが、「対応しきれない」ということも起こりうるわけですね。

需要に対して供給が不足している状態になるわけですから、やはり物件の奪い合いが起こるのでしょうか。
記事にあるように、

「合格したので、不動産を探そうと思ったら、既に手の届く物件が大学の周りにはなかった」

……なんてことにも。
供給に対して需要が不足しているままだと、そのうち不動産の賃貸価格なども上がっていくかも……。

……などと思いつつ改めて地図を見てみると、京都大学もすぐ近くなのですね。


大きな地図で見る

京都市内にはもともと非常に多くの学生が暮らしているわけですので、市全体で考えたらそこまで大きな変化ではないのかもしれません。
が、同志社大学や京都大学のまわりの物件は、見つけるのが(より)大変になりそうです。

どうしても大学の近くに住みたいという方は、お早めにどうぞ。

以上、マイスターでした。

著者紹介

【倉部史記(マイスター)】

大学院修了後、Webプロデューサー、大学職員を経て現在、早稲田塾SOHKEN(総合研究所)・主任研究員。

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