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大学プロデューサーズ・ノート 【早稲田塾】

「校名変更」の実態

マイスターです。

本日発売の、『AERA』('09.7.20号)に掲載されている記事

<「校名変更」の費用対効果 名前を変えて生き残れ>

に、取材を受けてのコメントが掲載されております。
よろしければ、ご覧ください。

イメージを変えるために大学や短大が校名を変えるという現象は、全国各地で見られます。
理由の多くは、「受験生獲得」でしょう。

短大が四年制化する、女子大が共学化するなどの具体的な変化を伴うケースもありますが、中には

「校名や学部学科名を変えることで、受験生からのイメージを刷新する」

……という、安易な看板の掛け替えに終始している事例も少なくない様子。
受験業界では周知の事実ですが、意外と、それをおおっぴらに指摘する人は少なかったりします。

一方、大学側の目線としては、「どういう状態の大学が校名を変更しているの?」とか、「実際のところ、効果はあったの?」なんてことが気になるのではないでしょうか。
そんな、とっても気になる業界のタブー(?)に焦点を当てた、珍しい企画です。


「校名変更した大学と、受験者数の変化」
……と題して、校名変更した30大学と、実際の受験者数の増減がまとめられた表も。
マイスターはこの表に、うなりました。

良い意味で、改革に成功し、評価を上げた大学ももちろん少なくありません。
校名変更には、同窓会などからの反対が必ずといって良いほどあります。そうした意見を制して変化を起こすというのは、大変なこと。トップがリーダーシップを発揮された大学も多いと思います。

しかし一方、不祥事で話題になったあの大学や、募集停止したあの大学の名前などもちらほら。
これには、うーむと考えてしまいます。

30校のうち12校に、2008年の受験者数が書かれていないという事実も、重い。
既になくなってしまった大学も含まれていますが、大半は、「受験者数が非公表」なのです。
こうした数字を非公表にしている大学は、「非公表にするだけの理由がある」ととられても仕方ありません。
そういう大学が、次々に校名変更をしているのも、れっきとした事実なのですね。

ちなみに、社会には、受験生数が伸び悩んでいても、すべてを明快に公表し、その上で大学の良さや理念を訴えようと尽くす大学だってあるのです。
個人的には、校名を変え体裁だけ取り繕うよりも、情報公開を徹底的に行う教育に真摯な大学の方を、受験生には勧めたいです。

(ちょうど先週、読売新聞「大学の実力」調査結果が発表されましたので、稿を改めてそちらはぜひご紹介したいと思います)


昨今では、校名変更を、外資系のブランドコンサルティング会社に持ち込む大学もあるそうです。
実際に、いくつかの大学から相談を受けたという企業の方が、記事の中で以下のようなコメントを寄せています。

大学側は、『風邪薬をくれ』と言う。こちらは、『重傷だからきちんと治療しましょう』と話す。それを煙たがられることも多い。

(「名前を変えて生き残れ」(『AERA』'09.7.20号)記事より)

血を流して問題を抜本的に解決する過程を面倒くさがり、安易なその場しのぎで問題を先送りしようとしてしまう動きも、残念ながら、大学ではしばしば起こります。
その「安易なその場しのぎ」のひとつに「校名変更」が含まれていることも、疑いのない事実なのでしょう。

もちろん、輝かしいブランディング成功事例もありますが、そういう大学は大抵、校名だけでなく中身もちゃんと変えています。
看板だけ掛け替えているような大学は、要注意かもしれません。

とりあえずマイスターにできることは、受験生やその保護者の方々、そして高校教員の皆様に、

「大学名や学部・学科名はあまり参考にならないから、中身を見て判断して」

……と、呼びかけることでしょうか。

以上、マイスターでした。

著者紹介

【倉部史記(マイスター)】

大学院修了後、Webプロデューサー、大学職員を経て現在、早稲田塾SOHKEN(総合研究所)・主任研究員。

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