楽しみながら続けてきた書道が筑波大学現役合格のカギに

第42期生

松村 英美里さん(まつむら えみり)

通塾情報

出身校 青葉台校
出身高校 森村学園高等部
部活 料理部
タイプ AO・推薦入試対策が目的
夢・目標 書道業界でエコ活動

進学情報

受験方式 総合型選抜(AO入試)
大学 筑波大学
学部 人文・文化学群

――[早稲田塾入学の〈きっかけ〉]大好きな書道を受験に活かしたい

小学1年のときから近所の書道教室に通っています。母のすすめから軽い気持ちで始めたところ、どんどん楽しくなって“とりこ”に。腕前も上達し、全国から何万点と作品が集まる高野山競書大会で金剛峯寺賞を受賞し、毎日書道展のU23で奨励賞をいただいたこともありました。

早稲田塾に入学する前は、ちがう個別塾に通っていたんです。でも、書道の実績を受験に活かせるのではないかと思い、受験方式で悩むように。すると、そこの塾長が「AOを考えるなら早稲田塾がいいのでは?」と。思いやりあふれるアドバイスに背中を押され、高1の3月に早稲田塾へ入学しました。

――[受験を通して得た〈一生モノ〉]自ら動いて地域コミュニティを理解した

早稲田塾入学当初は具体的な志望校がありませんでした。ですが、すぐに「慶應義塾小論文」の受講を始めたからか、自然な流れで慶應義塾大学SFCが第一志望校に(笑)。AO書類の研究テーマは書道に絡めたものが良かったので、“地域密着型の書道教室”を深堀りすることに決めました。今、地域コミュニティ形成の過程で問題提起されている世代間分断。高齢者と若い世代が接する機会も多いとは言えません。その点、書道は幅広い年齢層で親しめる習い事だと思います。書道教室が、そうした地域コミュニティの問題を解消してくれる存在になれるのではないかと考えたんです。研究テーマを進める上で、まずは地域の動きを知ろうと市議会議員のインターンシップになりました。そこで市民体育館やホール等の運営のお手伝いをさせていただくうちに、自分は利用していなかっただけで、そうした施設が市民の交流の場として貴重な存在だったんだと実感。結果的に、この研究テーマは提出しませんでしたが、受験に関係なく自分の人生においてとてもいい勉強になりました。

――[タメになった〈授業・カリキュラム〉]研究テーマのヒントを発見した「慶應義塾小論文」

もともと文章を書くのが好きだったこともあり、論文系講座は最初から「慶應義塾小論文」に挑戦しました。課題が多くハードだとは思いましたが、論文の論理構造や1行を何文字で納めるかなど、講座を受けていなければ知らなかったテクニックが盛りだくさん。論文対策としてはもちろん、志望理由書を書く上でも非常に参考になりました。

私が「慶應義塾小論文」を受講して一番良かったのは“ソシュールの構造主義” を教えていただいたことです(フェルディナン・ド・ソシュール=スイスの言語学者)。言葉に対する様々な定義がとてもおもしろく、私も同じような研究をしてみたいと思うようになりました。

SFCの出願を終えた後、次はどうしようと迷っていたときに校舎長が筑波大学への出願をすすめてくださいました。実は慶應義塾大学も、もともとは文学部を希望していたのですが、評定が足りずにあえなく断念。ですから筑波大学は人文・文化学群を選択し、日本語と日本文化をとことん学びたいと希望に燃えたんです。

筑波大学に提出する研究論文のテーマにしたのは「書道と日本語の相互関係」です。「書」を鑑賞して感動するのは、書いてある言葉の意味だけでなく、文字のカスレや文字の書き方など、すべてが混ざり合って心に訴えるから。そのような表現方法と日本語の関わり合いを、自分の経験値も含めながら分析しました。論文をまとめるにあたり、教えていただいた“ソシュールの構造主義”がとても参考になりました。

――[後輩に〈ひと言〉] 「SDGs探究学習プログラム」で瞬発力を養おう!

入学当初からずっと受講してきた「AO・推薦入試特別指導」の講座「SDGs探究学習プログラム」は、面接対策にとてもいい講座だと思います。筑波大学の二次審査は30分の面接で、主に私の研究論文について質問されました。でも展開されたのは発展的な理論で、私は「書表現」について論文を書いたのに、質問は「言葉(音)」に対するものばかり。ただ、ここで焦らず解答できたのは、この講座で答えのない問題に取り組み、予期せぬ問題にも対応できる瞬発力が養えたからに他なりません。おかげでテンポよく会話がはずみ、無事に筑波大学に合格!柔軟な思考能力を伸ばすには本当にオススメの講座です。

――[将来の〈夢〉]本格的に携わりたい書道業界のエコ活動

近年、書道業界でもエコ活動が活発になっています。注目されているのが半紙のリサイクルです。これまで、墨に含まれる添加物等が原因で、書き損じた半紙をリサイクルするのは至難の業でした。しかし、ふつうの再生紙の工程では難しくても特殊な工程でやっと実現したというのが今の状況です。ただコストがかかる活動なので、運営方法が今後の課題。そのエコ活動の理事に先日お会いすることができ、若い世代の方もぜひ協力してほしいと言われてうれしくなりました。大学入学後も何等かのお手伝いをしたいですし、将来は本格的にエコ活動に携わりたい。もちろん作品も書き続けていきますが、それだけではなく書道業界発展のため積極的に動いていければと考えています。

私の「森村学園高等部自慢」

「言語技術」という授業があります。文章構造や論理的思考を養うもので、私も中等部から受けていました。ここで論文を書くための基礎的な知識を学べたと思います。

私の「筑波大学 人文・文化学群 現役合格アイテム」

お守り3つ

1つ目は早稲田塾でいただいたもの。2つ目は金剛峯寺に行ったとき自分で購入しました。3つ目は、インターンシップをしていた市議会議員の方と一緒に買ったお守りです。市議会議員さんは知り合いだったわけではなく、いきなりの直談判!高校生のインターンシップは私が初めてだったそうです。

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