曼荼羅文化を守り、広めたい
早稲田塾と共に歩んだ、筑波大合格への道

第44期生

市原光悠(いちはらみはる)さん

通塾情報

出身校 柏校
出身高校 芝浦工業大学柏高校
部活 美術部
夢・目標 曼荼羅文化の保存と研究に取り組むこと

進学情報

受験方式 AC入試
大学 筑波大学
学部 人文・文化学群

――【早稲田塾入学の〈きっかけ〉】曼荼羅研究を研究テーマとして認めてくれた

総合型選抜での合格実績が豊富な早稲田塾に興味を持ち、説明を聞きに行ったのは高2の5月頃。私は高校の探究授業の中で曼荼羅の研究に打ち込んでいたのですが、そのことをスタッフの方に話すと「曼荼羅というテーマは面白いね。総合型選抜の研究テーマになり得るし、早稲田塾でそのテーマを深めることもできるよ」と励ましていただきました。「週1回の探究授業では十分な曼荼羅研究ができない」と悩んでいた私にとって、曼荼羅研究のサポートを受けながら受験の準備ができる早稲田塾の環境はまさに願ってもないもの。これが決め手で入学を決めました。

――【タメになった〈授業・カリキュラム〉】研究テーマ練成会で研究内容を深掘り

一番好きだった授業は「総合型・学校推薦型選抜特別指導」ですね。答えのない問いに対して5分間で回答を考えて発表するという訓練を積むことで、入試本番の緊張感にも慣れることができました。また、短時間で集中して答えを絞り出していると、自分でも驚くような意外な回答が突然浮かび上がってくるときがあります。これはおそらく、無意識下で自分が大切にしていることや、関心を持っている情報が、極限状況で明らかになるのだと思います。その意味で、この講座は自分の心と向き合う貴重な時間でもありました。

入試に直結する効果があった授業は、大学別の「研究テーマ錬成会」。大学ごとに求めている人財像を意識しながら、自分の興味のある研究テーマについて深めていくという内容でした。講師や担任助手、そして生徒同士でも提出書類を見せ合い、話し合うことで、とても良い刺激を受けることができました。

――【刺激的だった〈未来発見プログラム〉】異文化交流の難しさと面白さを学ぶ

未来発見プログラムでは「異文化交流プログラム」を受講しました。これは「自由・平和・ヒューマニティ」「国際相互理解」「アジア太平洋の未来創造」を理念として掲げる立命館アジア太平洋大学の国際学生たちを招き、英語でのグループワークを行うというもの。私たちのグループは食糧危機をテーマに討論し、「昆虫食の推進」を解決策として発表したのですが、アメリカ人の参加者から「動物食を禁じるヴィーガンの人に対しては有効な方策ではない」と指摘され、異文化交流の難しさを改めて思い知りました。私が手がける曼荼羅研究においてもチベット文化の理解が不可欠となるので、有益な学びを得ることができたと思います。

――【後輩に〈ひと言〉】自分と人を比べず、目標に集中してほしい

早稲田塾の生徒は優秀な人が多いので、良い刺激を受けられる反面、キラキラしている人たちと自分を比べ、自信を失ってしまうこともありました。そんなとき、講師に言われたのが「あなたに必要なのは、その不安を前に転ぶ力に変えることだ」という言葉。それからは、不安を感じるたびに研究活動などの具体的なアクションを起こすことで、前に進むことができました。これから受験をする皆さんも、人と比べることなく、自分の目標に集中して取り組んでほしいと思います。

――大学・学部を選んだ〈理由〉】チベット文化とサンスクリット語を学べる環境が決め手

曼荼羅の研究ができる大学を講師と一緒に探していたとき、理想的な環境があると感じたのが筑波大学でした。曼荼羅を研究するためにはチベット語とチベット文化、さらにサンスクリット語を学ぶ必要があるのですが、このすべてを満たせる大学は他にほとんどありません。語学だけなら外国語大学でも学べますが、比較文化や宗教学もハイレベルに探求できるのはやはり筑波大学の人文・文化学群。筑波大学は国立大学の中でも研究費が高く、学術に対して手厚い学風があるという点も魅力的でした。

――【将来の〈夢〉】曼荼羅文化を守り、広めたい

私が曼荼羅に興味を持ったのは、中学3年生の頃。受験勉強や人間関係などに悩んでいたとき、ふと足を踏み入れた美術館の「曼荼羅展」がきっかけです。仏教の世界観を絵画で図式化したといわれる曼荼羅を鑑賞しているうちに、自分の悩みがこの広い世界においていかにちっぽけなものかに気づき、心が解放されるのを感じました。その後さらに調べていくと、曼荼羅を元にした目標達成シート「曼荼羅チャート」や、心理療法に用いられる「曼荼羅塗り絵」など、仏教の枠を超えた幅広い領域で曼荼羅が活用されていることもわかってきた。そうした学びの中から、「曼荼羅の構造を研究した上で、現代社会に活かすための方法を考案すること」という夢が固まってきたのです。一方、曼荼羅の発信地である現在のチベットでは、曼荼羅文化に対する保護が十分とはいえません。現地の方々と交流を図りながら、文化保存に向けた働きかけもしたいと考えています。

 さらにくわしく≫ 現役合格物語インタビュー

私の「芝浦工業大学柏高校 自慢」

生徒の個性を面白がり、真摯に向き合ってくれる先生の多い学校です。私が曼荼羅の研究をしていると、いろんな先生が肯定的な意見をくださり、とても励まされました。

私の「筑波大学人文・文化学群 現役合格アイテム」

田中公明著『曼荼羅イコロジー』

日本の曼荼羅研究の第一人者による学術書。アカデミックな内容ですが非常にわかりやすい名著です。高1のときにこの本に出会ったことが、私の曼荼羅研究の原点となりました。

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