「歴史」を伝える「負の遺産」を残すことで
未来につながる街が生まれる

第44期生

小林夢奈(こばやしゆめな)さん

通塾情報

出身校 大崎品川校
出身高校 東京学芸大学附属高校
部活 バスケットボール部
夢・目標 歴史的背景と負の遺産を建築によって伝える街づくり

進学情報

受験方式 早稲田建築AO入試(創成入試)
大学 早稲田大学
学部 創造理工学部

――【早稲田塾入学の〈きっかけ〉】「この塾に入れば自分が変わるかも」という好奇心

総合型選抜は、受験の可能性が広がるので一般選抜と両立して挑戦しようと考えていました。そして高1の8月に早稲田塾の講座を体験。その際に「総合型・学校推薦型選抜特別指導」を受けたのですが、自分が全く何もできなくて、衝撃でした。そして「この塾に入れば自分自身が変わって、考えをまとめたり積極的に発言したりできるようになるのだろうか」という好奇心もあり、入学を決めました。

――【タメになった〈授業・カリキュラム〉】口喧嘩で「論破」できるまでに成長!

入学のキッカケとなった「総合型・学校推薦型選抜特別指導」では、短時間で考えをまとめる力だけでなく、「なぜこのキーワードを選んだのか」を振り返ることで自分のルーツや考えの根本について見直すことができました。また、他の生徒の様々な意見に触れて、自分にはない発想を持っている人を認めること、多様性への理解が深まったように思います。

また、私自身を変えてくれた授業の一つに「慶應義塾小論文」があります。受講している生徒はみな「宿題が大変!」と言う授業です(笑)。もちろん、私も大変でした!最初のうちは、小論文は自分の考えを書けばいいと考えていた私でしたが、この授業を通してきちんと方向性を決めて書く必要性を知り、課題文から自分で道筋を見つけ出すことに注力するようになりました。

以前の私は誰かと口喧嘩をしても言い負かされてしまうタイプでした。でもこれらの授業のお陰で、とっさに自分の考えを言語化して、論理的に反論できるようになりました。今では論破することも少なくありません(笑)。

――【刺激的だった〈未来発見プログラム〉】異なる視点を与えてくれた「SDGsまちづくりプログラム」

「SDGsまちづくりプログラム」に参加しました。建築士の方を講師に迎え、実際に公園などを見学しながらフィールドワークをするプログラムです。このプログラムで私は、「視点を変えて建物や街を見ること」を学びました。近づいてみる「虫の目」、全体を俯瞰する「鳥の目」、流れを見る「魚の目」のそれぞれを意識することで、視野が広がり、街づくりについて深く考えられるようになったと思います。またグループワークでは4人のメンバーがそれぞれの意見の相違を認めつつ良い方向を目指す、ということを実体験できました。

高2のときには英語プレゼンテーション大会「TIME CUP」にも出場しました。大会のエントリーシートは全員出さなければいけないと思いこんでいたので提出したのですが、実は希望者だけだったという……。勘違いからの出場になりましたが、代表に選ばれたことがとてもうれしかった。スタッフに「研究テーマに限らず、自分の伝えたいことを話していい」と言われたので、私の名前の「夢奈」にちなんで、自分の夢に“蓋”を被せないで挑戦していくこと、私は建築で人を笑顔にする「エンターテイナー」になりたい!とスピーチしました。受賞はできませんでしたが、充実した経験ができました。

――【私を支えてくれた〈スタッフ〉】早稲田塾は、安心できる「サードプレイス」

スタッフには、本当によく支えてもらいました。資料作成のときに長時間付き合ってくれ、泣きたいときには私の話を聞き、いつでも助けてくれました。生活面の支えは両親や家族がしてくれましたが、精神面を支えてくれたのは早稲田塾。悩みや辛いことを全部受け止めてくれる、私にとっての「サードプレイス」。早稲田塾は、答えを教えてくれるのではなく、受験の道標になってくれました。早稲田塾生活は本当に楽しかったです。ありがとうございました!

――【将来の〈夢〉】街の「歴史」を残し、伝えていくためにできること

ずっと、建築に漠然とした興味がありました。具体的にテーマとして意識したのは、高校生になってから。建築と言っても建物そのものではなく、建築を一つのキッカケとした街づくり全般からテーマを考え始め、映画などのロケ地になった場所を観光資源にする「ロケツーリズム」などを、学校の探究学習の時間も含めて調べました。そうして最後にたどり着いたテーマが「建築を、歴史的背景や負の遺産によって伝える」ことでした。

私が住む浦安市は、東日本大震災のときに液状化の被害があり、今でも浮き出したマンホールなどが残されています。これは、浦安市が宅地や商業施設建設のために作られた埋立地にあるから。私の脳裏には、ドロドロになった浦安の姿が、今でも焼き付いています。埋立地に液状化のリスクがあるということを目に見える形で残していかないと、「土地が足りなければ埋め立てる」という発想ばかりになり、自然環境の破壊にもつながっていきます。“負の遺産”を残すことで、当時を知る人たちの中で風化させないこと、そして知らない人たちに伝えることができる。そのためにどのような街づくりができるのかを、大学で建築を学びながら考えていきたいと思います。

私の「東京学芸大学附属高校 自慢」

「SSH探究学習プログラム」という、自分でテーマを決めて取り組む授業があります。私はこの授業でロケツーリズムについて調べ、それが総合型選抜にも生きたと思います。

私の「早稲田大学 創造理工学部 現役合格アイテム」

ノート

授業だけでなく、自分の考えや調べたことを何でも書いてあるノートです。いわば、自分自身の積み重ね。書類作成では一番役に立ちました。

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