留学で感じた地方の観光の可能性
APUで“持続可能な観光”を学ぶ

第45期生

西島茉優(にしじま まゆ)さん

通塾情報

出身校 青葉台校
出身高校 県立市ヶ尾高校
部活 ダンス部
夢・目標 地域に根付いた持続可能な観光を実現し、日本を観光立国として発展させる

進学情報

受験方式 総合型選抜
大学 立命館アジア太平洋大学
学部 サスティナビリティ観光

――【入学の〈きっかけ〉】早稲田塾のサポートで、留学中でも受験を意識できると感じた

早稲田塾を知ったきっかけは、高2の4月に母から紹介されたことです。私は高2の9月から10カ月間、イタリア留学に行くことになっていました。日本に戻るのは高3の7月でまさに受験期真っ只中。帰国してから一般選抜の準備は大変だけど頑張るしかないか……と思っていた時、母から「一般選抜もいいけど、他の手段としてこれまでやってきたことを評価してくれる総合型選抜があるよ。総合型選抜の準備ができる早稲田塾という学習塾もあるみたい。あなたの長所や経験が活かせるんじゃない?」と言ってもらいました。確かに、帰国してから一般選抜の勉強をするよりも、イタリア留学の経験を活かせる入試方式の方が合っていると思い、総合型選抜への挑戦を決意しました。

その話を聞いてから数日後、早稲田塾について詳しく知りたいと思い、母と青葉台校へ。5カ月後にはイタリア留学に行くことを伝えると、塾の先生やチューターと月1回オンライン面談ができることを教えてもらいました。私の性格上、留学中はそこでの生活で精一杯になり、大学受験のことを考えられなくなることが目に見えていたので、サポートを受けられるなら留学中でも受験生であることを意識できるかなと思い、留学へ行く前に入学しました。

――【大学・学部を選んだ〈理由〉】日本の魅力を発信する方法を学ぶならここしかない!

立命館アジア太平洋大学(APU)を選んだ理由は、日本で唯一のサスティナビリティ観光学部があったことです。持続可能な観光を作っていくために、観光産業やマーケティングなど、多様な分野から観光について学べる点が魅力でした。またAPUは、国内の学生と海外の学生の比率が半々で、国際的な交流ができるのも特徴の一つ。留学で感じた“日本人が知っている日本の魅力”を突き詰めつつ、海外の人ならではの“日本人が知らない日本の魅力”も一緒に考えて発信していけるのではないかと感じ、観光について学ぶならここしかないと思って進学を志望しました。

――【刺激的だった〈未来発見プログラム〉】“持続可能な観光”の重要性を痛感

高3のときに『新時代のグローバルツーリズム~観光学入門~』を受講しました。この授業は、観光業のリアルについて学び、新時代の観光業のあり方や日本文化を世界に発信することの意義などについて考える授業です。私自身、この授業を受ける前までは「観光は良いもの!」と漠然と思っていました。しかし、授業を受ける中で、観光には「オーバーツーリズム」をはじめとするさまざまな課題があることを知り、そうした課題をどう改善・解決し、より良い観光にしていくのかという“持続可能な観光”の重要性を痛感しました。この授業を通して、観光は「楽しい」だけではないということと、観光客側と観光客を受け入れる側それぞれの視点から観光について考えられるようになりました。

――【私の〈受験ストーリー〉】留学を経て、人に頼れるようになった

イタリア留学を経て、人に頼れるようになったことが一番の成長です。私は元々、自分一人で何でもやる性格で、人に甘えたり頼ったりすることが苦手でした。留学の最初の頃は自分一人で何とかしようと頑張っていたのですが、言葉もわからない異国の地で初めて“何もできない自分”がいることを実感。ホームステイ先のホストマザーの前で泣いてしまったんです。悔しくて情けないと感じていたのですが、その出来事がきっかけで、頼ったら助けてくれる人がいるということに気付き、また頼ることで関わった人も親身になってくれることがわかりました。学校ではイタリア語が分かっていなくても分かったふりをしてその場を乗り切っていましたが、留学先の先生に正直に伝えると、自分のためだけにイタリア語の講座を開いてくれたこともありました。

この経験を通して自分の性格がガラッと変わり、視野がとても広がりました。自分が変われば周りの環境も変わることを肌で感じられたのは、大きな変化だったと思います。それからはマインドもオープンになり、周りの人の協力を得ながら新しいことにどんどん挑戦できました。2023年7月に帰国し、2カ月後に受験本番。2カ月間という準備期間はやはり大変でしたが、早稲田塾のサポートもあり、留学中に「イタリアの地域から学ぶ地元の人と来訪者が一緒につくり上げる観光について」という探究テーマも決まっていましたし、現地でフィールドワークも行っていたので、短い期間でも提出書類を仕上げることができました。提出書類の一つに、自分の経験から成長したことをテーマとしたエッセイを書く課題がありましたが、留学に行って自分の性格が変わった経験をありのままに書くことができたので、留学は本当に大きなターニングポイントだったなと思います。

――【将来の〈夢〉】ルッカのモデルケースに学び、祖母の町の魅力を世界へ

私の将来の目標は「日本の魅力を世界に発信すること」です。具体的には、地方に根付いた観光資源を使い、地元住民と観光客が一緒になってその地方を盛り上げ、世界に誇れる観光を実現したいと考えています。

留学中にルッカという町へホストファミリーと旅行に行ったときのこと。ルッカは町の周りが大きな壁に囲まれていて、周辺をサイクリングやランニングすることができます。私はサイクリングツアーに参加したのですが、ルッカの地元住民の人が町の魅力を伝えてくれて本当に楽しかった! 観光のための町ではなく、地元住民が普通に生活をしている中に観光客がいる、普段の生活風景に観光の要素が入るという構図が新鮮で、地元住民と観光客が一緒になって町を盛り上げ、賑わっている雰囲気が素敵だなと感じました。フィレンツェやベネツィアといった有名な観光地ではないですが、ここまで魅力あふれる町にできるんだと感動し、日本でもこれができないかなと思ったことが、この目標を掲げたきっかけです。このモデルケースを取り入れたい町は、奈良県桜井市。私の祖母はずっと桜井市に住んでいるのですが、近年はシャッター街がどんどん増えてきて、市自体が閉鎖的になってきている現状があります。何かできないかと考えたとき、桜井市の特産品である「三輪そうめん」が思い浮かびました。やはり日本の魅力の一つは「食」。三輪そうめんは地元の人が伝統を守り続けている歴史ある産業なので、それを観光資源として活用し、ルッカのように観光客と一緒に盛り上げられれば、その魅力が世界に発信できるのではないかと思います。

日本の観光地というと東京や京都などがフィーチャーされがちですが、日本の魅力は地方にもたくさんあるはずです。大学では、こうした観光の課題解決について学び、地方に根付いた観光資源の活用方法を探究していきたいです。

私の「県立市ヶ尾高校 自慢」

私が所属していたダンス部もそうですが、部活に熱心に打ち込んでいる生徒がたくさんいます。地域の行事や、横浜・みなとみらいのイベントにも出演するなど、地域とのつながりがあるところが自慢です。

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