何気ない言葉にふと浮かんだ疑問が学びの始まり
研究者になって、日本語の面白さを伝えたい
安本 珠理(やすもとたまり)さん
通塾情報
出身校 | 柏校 |
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出身高校 | 三輪田学園高校 |
部活 | バドミントン部→体操部→茶道部→帰宅部 |
夢・目標 | 日々変遷していく日本の「話し言葉」及び「若者言葉」を研究したい |
進学情報
受験方式 | AC入試 |
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大学 | 筑波大学 |
学部 | 人文・文化学群 |
――【入学の〈きっかけ〉】 自分の興味を探究するための第一歩
暗記中心の勉強にあまり興味が持てず、進路について悩んでいたとき、母が総合型選抜を勧めてくれました。自分が本当に興味のあることを学び、その学問を深めていける点にとても魅力を感じ、チャレンジしてみよう!と早稲田塾への入学を決めました。早稲田塾を選んだ理由は、カリキュラムの豊富さだけでなく、担任助手との距離の近さも大きなポイントでした。どんな些細なことでも気軽に質問でき、合格につなげてくれた存在だと思っています。
――【大学・学部を選んだ〈理由〉】 身近な日本語に感じた疑問を掘り下げたい!
以前から日常的に使っている日本語について、「自分はなぜ無意識に日本語が話せるのか」「なぜそれが相手に伝わるのか」といった、漠然とした疑問がありました。日本語の文法が私たちの頭の中でどのように組み立てられ、変化しながらも意思疎通を可能にしているのかに興味を持ち、大学では日本語という分野に飛び込んでみたいと思っていました。筑波大学を選んだ理由は、日本語学について学際的な学びができると思ったからです。異なる学群や学類の授業を受けられるので、「言葉の短縮や変遷がどのような心理的要因に基づくのか」といった心理学的な視点からも研究を進めることができると思いました。また、留学生サポートのチューター制度もあり、異文化交流を通じて日本語を違った視点から捉えられるのではといった点も魅力に感じました。私が高校時代に参考にした『基礎日本語学』の談話分析を執筆された教授が筑波大学にいらっしゃるので、その教授のもとで学び、研究を深めていきたいです。
――【私の〈受験ストーリー〉】 「好き」を突き詰めた探究が合格のカギに
合格の一番の要因は、「好きなことをとことん追求したこと」だと思います。探究テーマでは、若者が会話でよく使う「え、まって」という言葉に着目しました。驚いたときや嬉しいとき、不安なときなど、さまざまな状況で突発的に使われるこの言葉を不思議だなと感じ、日本語の文法にどのような影響を与えているのか、また会話だけでなくSNSなどでどのように使われているのかを調べました。筑波大学のAC入試は自由な書式だったため、自分の探究にどれだけ信憑性を持たせるかが課題でした。そのため、専門書や論文を徹底的に読み込み、主張には必ず根拠を添えることを意識して準備しました。この過程で「根拠を持って物事を述べる力」が身についたことも大きな収穫です。日常生活でも、情報を鵜呑みにせず、信頼できるデータや記述に基づいて考える習慣がつきました。夏の間も論文を読み探究を続ける日々でしたが、「え、待って」という言葉に感じた疑問を「少しでも解き明かしたい」という思いから、辛く感じることはありませんでした。この探究心が合格へつながったのだと思います。
――【タメになった〈授業・カリキュラム〉】 視点を広げ、学問への敬意を学べた授業
特にタメになったと思えるのが、「IELTS5.5対策講座」です。英語が得意ではなかった私にとって、英語資格を使って大学受験するなんて考えられなかったのですが、IELTSに特化した対策を受けることで、目標スコアを達成できました。特に、筑波大学以外への出願に活かせたことが大きなポイントです。「総合型・学校推薦型選抜特別指導<提出書類作成>」では、同世代の目線だけではなく大学生や専門家の視点から自分の書類を評価してもらいました。その時にもらったアドバイスで印象に残っているのは、「学問に対するリスペクトが大切」ということです。前例を否定して自分の意見を述べがちだった私に、学問は過去の研究をもとにして成り立っていることを教えていただきました。既存の考えを尊重しつつ、新たな視点を加えることの大切さに気付き、視野が広がったと感じています。また、答えのない問題に対して短時間で自分なりの回答を考え、発表する講座があったのですが、他の人とは違う視点を持つことの大切さを学びました。「こう考えたら面白いと思ってもらえるかな?」「この視点なら新しいかもしれない」と、物事を違った角度から見る姿勢が身についた気がします。私の「え、まって」という言葉に関する探究を、みんなから「そんなこと考えたことなかった」と言われたとき、この授業で学んだことが活かされていると思いました。
――【将来の〈夢〉】日本語の面白さを追求しながら多くの人に伝える研究者に
若者が無意識に使う「え、待って」や「でも」のような言葉を日本語の文法的な観点から研究し、その特徴や変遷を明らかにしていきたいです。そして大学院に進学し、日本語の研究者になって書籍を出版し、「日本語ってこんなに面白いんだよ」「日本語の変遷ってこういう風になってるんだよ」っていうことをより多くの人に伝えたいと思っています。