バレエの道から弁護士を目指す
早稲田塾は“道しるべ”だった
犬飼 巴菜(いぬかいはな)さん
通塾情報
出身校 | 大崎品川校 |
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出身高校 | 一ツ葉高校 |
部活 | ー |
夢・目標 | 弁護士になり芸術家の作品を守る |
進学情報
受験方式 | FIT入試 |
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大学 | 慶應義塾大学 |
学部 | 法学部 |
――[入学の〈きっかけ〉]長年やってきたバレエを辞め、将来を見据えて
早稲田塾に入学したのは高2の2月、15年間続けてきたバレエを辞める決断をしたときです。それまでバレエ一筋だったので、特に大学への憧れもありませんでした。そんな私に総合型選抜を勧めてくれたのは、母でした。入学した当初も私はバレエ留学でフランスに住んでおり、帰国する高3の6月まで、オンラインで授業を受けていました。早稲田塾は私のような海外生に対しても柔軟で、毎週面談を実施して、日本の大学に対する知識という初歩的なところから始まり、自分自身の過去の掘り下げ、バレエを辞めて何をしたいかなど、担任助手が丁寧にサポートしてくれました。 総合型選抜での受験は、自分自身が何者で、培ってきた経験をどう魅力的に伝えるかが本当に難しい。ゴールに向かって突き進む精神力と、目標(将来)設定に対する強い意志が必要不可欠な受験方式だと思いました。
――[私の〈受験ストーリー〉]振付という“無機的”なものに著作権法を適用したい
バレエという舞台芸術を長年やってきたので、芸術家による振付の著作権保護について調べました。親の影響で3歳からダンスが好きになり、そこからバレエを始めた私は、古典舞踊のすばらしさに魅了されていました。その中で、芸術作品ともいえる振付はどのように守られているのだろうと疑問を持ったのことが探究テーマを決めたきっかけです。 関連論文を読んで争点を探り、自分の考えとすり合わせてテーマを深めていきました。また、実際に芸術家の方たちにインタビューし、生の声を聞くこともできました。「法に守られてはいるが形式的なもので、実感はない」との意見が多く、実際に保護はあまりされていない印象です。振付は形のない無機的なものなので、著作権が適用されにくいというのもあります。それによって芸術家の方が困っているならば、そこに一石を投じる立場になりたいと考えています。
――[大学・学部を選んだ〈理由〉] 友人の存在と、早稲田塾スタッフのアドバイスが決め手
慶應義塾大学法学部を選んだ理由は、友人の存在です。友人はフランスの大学でアートの著作権法を学んでおり、交換留学先として慶應義塾大学を選んでいました。大学の様子やカリキュラムの話を聞き、自分も同じ慶應に行きたいと考えるように。また、私と同じアプローチで研究されている教授が在籍しており、その方々の講義を受けたいと思ったのも理由のひとつです。 正直、著作権法を学びたいから法学部=弁護士、というふうに流れで将来の目標を立てたようなところがありました。しかし、早稲田塾の先輩方から弁護士になるためにはどうしたらいいかなど、具体的な情報を得られたのが大きかった。そのおかげで、弁護士に対するイメージが自分の中で固まり、大学で勉強するべきことが明確になりました。
――[タメになった〈授業・カリキュラム〉]直前の面接対策が功を奏した結果に
「総合型・学校推薦型選抜特別指導<提出書類作成>」は、自分の探究テーマに対して貪欲に調べようという雰囲気の中で進みます。受講するたびに、「私に何ができるのか」と自問自答する日々でした。提出書類に自信が持てず、担任助手に相談してその方の書類を見せてもらったことも。けれど、最後まで自分自身を繰り返し見つめ直した結果、今後迷わずに進むべき道を見つけられたのだと思います。 「本番直前授業」は、短いスパンの中で何度も過去問を解くという授業でした。私は慶應法学部FIT入試のA・B両方の方式を受験するつもりだったので、小論文も面接対策も、最後の追い込みはこの講座で行いました。面接対策は、講師・担任助手と本番さながらの模擬面接や、塾生同士で何度も質問を繰り返す自主作業を行いました。結果的に私は面接があるB方式で合格したので、ここでの対策が功を奏しました。
――[刺激的だった〈未来発見プログラム〉]あらためて芸術の尊さに触れた実践型プログラム
日本に帰国後、「イーハトーブ・カンタービレ~宮沢賢治の世界を表現する~」を受講しました。宮沢賢治ゆかりの地である盛岡に行き、塾生みんなで一つの作品を創り上げる芸術系のプログラムです。創る過程では色々な議論がありましたが、どうにかカタチになってほっとしました。このプログラムで、「バレエで何を表現してきましたか」と問われても、答えることができず、「長年取り組んできたバレエだけど何となく形式的にやってきてしまったのかな」と感じました。このプログラムを通して、芸術とは何かを深く考える機会を得ることができました。また、ダンスや音楽など、多種多様な芸術に携わっている塾生と交流が持てたことも糧になりました。
――[早稲田塾で〈学んだこと〉] 「この道で大丈夫」と自信を持たせてくれた
早稲田塾は、自分の実力を向上させるため、そして旬な情報を得るために活用しました。授業と講師からのアドバイスで書類をブラッシュアップし、書き上げたものを第三者目線で見てもらい、フォードバックを受けて何度も考え直す。反対意見が出たら、それに対して一度じっくり考えてみる。これらの過程を通して、多角的な視点を持てるようになったと思います。 早稲田塾から得られる情報は私にとってありがたいものばかりでした。特に過去問や、先輩方のアドバイスをいただけるのは、自分と照らし合わせができて大変参考になりました。 何より早稲田塾は、大学進学に何のイメージも持っていない私に、大学で学ぶ楽しさを、たくさんの人が教えていただきました。自分にとって早稲田塾は“道しるべ”のような存。バレエは諦めたけれど、他の道でも大丈夫なのだと自信を持たせてくれたことに、感謝しています。