ストレスを「見える化」し、
より良い環境作りに貢献したい

第46期生

上永吉 惇志(かみながよしあつし)くん

通塾情報

出身校 青葉台校
出身高校 明治大学付属明治高校
部活 水泳部・生徒会
夢・目標 腸内環境がメンタルヘルスに与える影響を解明し、誰しもが緊張をコントロールして最大限のパフォーマンスを発揮できる社会の実現

進学情報

受験方式 夏秋AO
大学 慶應義塾大学
学部 環境情報学部

――【入学の〈きっかけ〉】将来への焦りから見つけた成長の場所

入学したのは、高1の夏です。中学生の頃から続いていたコロナ禍の影響でやりたいことが思うようにできず、理想とする将来像と今の自分との間にギャップを感じていました。私が通っていた高校は大学の付属校で、他大への一般受験を選ぶ人はあまりいないのですが、私は自分のやりたいことが幅広く学べる環境を求めていました。 「このままではいけない」という焦りの中で、自分が成長できる塾を探していた時に出会ったのが、総合型選抜に強みを持つ早稲田塾です。好きなことをとことん突き詰めた実績を評価してもらえる総合型選抜に魅力を感じ、カリキュラムの幅広さや、同じ志を持つ仲間たちが集まる点においても「ここならモチベーションを保ちながら自分を成長させられる」と思いました。

――【大学・学部を選んだ〈理由〉】分野横断で「好き」の探究を続けるために

人が緊張した時に身体にどのような反応が起きるのかに関心を持ち、腸内環境を整えることでストレスホルモンを低減できるのではないかという仮説を立て、探究を続けてきました。この探究テーマに決めたのは最先端のトレンドであるバイオサイエンスの分野に魅力を感じたからですが、父が製薬系の会社に勤めており、家でもバイオ系の話題が出ることが多かったことも影響していると思います。家では『Nature』や『Newton』などの科学雑誌を読んで、父と感想を言い合っていました。 この探究テーマはバイオサイエンスだけでなく、心理学や社会学、認知科学など、文理融合型のアプローチができる多角的な視点が必要で、それらを横断的に学べると思ったのが慶應義塾大学の環境情報学部です。自分の興味を思う存分に追求できる環境が整っていると感じ、強く惹かれました。

――【刺激的だった〈未来発見プログラム〉】専門家との出会いと学びが将来の視野を広げた

未来発見プログラムで参加したのは、「最先端科学プログラム」と「スーパーバイオサイエンスプログラム」です。慶應義塾大学名誉教授・冨田勝先生のご指導のもと、最先端のバイオ研究の話などを聞くことができ、とても刺激を受けました。特に冨田先生との出会いは自分にとって大きかったですね。自分の探究テーマについて先生に相談した際に、「たくさん論文を読みなさい」というアドバイスをいただき、その後の探究を深めていく後押しになりました。 最先端科学プログラムでは、原著論文の読み方を学び、自分が選んだ原著論文の内容について5分間のプレゼンテーションを行いました。最終発表では優秀賞をいただき、自信につながったと思います。スーパーバイオサイエンスプログラムでは、データ解析ができるプログラム言語を学び、私はビフィズス菌とピロリ菌の共通点や相違点に注目して比較分析を行って発表しました。 こうした未来発見プログラムを通じて、今後の学びへの意欲がいっそう高まりました。

――【早稲田塾で〈学んだこと〉】身につけた伝える力や探究心は今後の土台に!

早稲田塾のお陰で、人前で自信を持って意見を述べられるようになりました。また、「論文講座」で論理的思考力を鍛えたことも大きかったです。塾生同士で自分の探究テーマについて説明する際、分かりやすく伝えることが難しかったのですが、コミュニケーションの中で鍛えることができました。 早稲田塾で志望理由書の書き方について受けたアドバイスも印象に残っています。最初はガチガチに硬い文章を書いていたのですが、「論文ではないのだから、最初の一文で読み手の心をつかむことが大切」と言われ、キャッチーで相手が読みたくなるような表現を心がけるようになりました。このことは、面接やプレゼンテーションの場面でも大いに役立ったと思います。 探究テーマを深めていく過程では、「自分の“好き”を追求するには、常に最先端の知識を追うことが必要」ということを実感しました。総合型選抜の受験を通して身についたこの考え方は、今後にも活かしていきたいです。

――【将来の〈夢〉】腸内環境からストレスを可視化できる指標を確立したい

私の将来の目標は、「誰しもが緊張をコントロールし、最大限の力を発揮できる社会」を実現することです。そのために、ストレスの可視化や定量化に取り組みたいと考えています。 例えば仕事に関するストレスの評価には、現状では社内アンケートや離職率といった主観的・結果的なデータが使われており、実態とのズレが生じやすいのが課題です。ストレスをもっと客観的に数値で「見える化」することができれば、個人のストレス状態の把握だけでなく、職場環境を客観的に判断する材料にもなります。こうした仕組みが社会に広がれば、より健全な労働環境づくりにもつながると思います。 私は、ストレスと相関関係があるとされる腸内環境に注目し、健康診断の一環としてそのデータを取得することで、より安定した指標が確立できるのではと考えています。大学ではこの仮説を検証し、企業や社会に貢献できるサービスの開発や起業を通して、働く人たちの「見えない不安」にアプローチできる仕組みを実現したいです。

私の「明治大学付属明治高校 自慢」

大学付属校のため、教授による大学レベルの講義や実験が受けられるのが魅力です。高校にいながら、先の進学を見据えた学びができるのは、他にはない魅力だと思います。設備も整っており、高度な実験や研究に取り組む経験を積むことができました。

フォトギャラリー