SFCで学びを深め、都市の“らしさ”をデータ化して
魅力あふれる都市づくりに貢献したい

第45期生

板谷 佳琳(いたたに かりん)さん

通塾情報

出身校 吉祥寺校
出身高校 国際基督教大学高校
部活 ダンス部
夢・目標 都市の“らしさ”を定量化して、魅力ある都市づくりに貢献する

進学情報

受験方式 夏秋AO
大学 慶應義塾大学
学部 環境情報学部

――【入学の〈きっかけ〉】母に教えてもらい早稲田塾へ

私は高校受験の際にペーパーテストで苦戦した経験があり、苦手意識がありました。できれば自分の得意な面接試験などで大学受験したいと思い、母に相談したところ、「総合型選抜」という入試方式があること、そして総合型選抜に強い早稲田塾を教えてもらいました。総合型選抜について調べてみると、ペーパーテストを課さない大学があることに加え、自分がやってきた活動を活かして入試に挑戦できることを知り、「総合型選抜でチャレンジしたい!」と思うように。また、母と早稲田塾を訪れ面談をした際、塾生が作成したポートフォリオなどを見せていただき、すごく熱心に探究をしていることが伝わってきました。自分も同じように探究を深めながら大学受験したいと思い、高1の夏に入学しました。

――【大学・学部を選んだ理由】探究テーマと合致したSFCの研究環境

私は小学2年生から中学卒業までの約8年間、香港で暮らしていました。香港は高層ビルが多く、都市の構造もとても複雑。そうした環境で暮らしているうちに、「まちづくりって面白そうだな」と思うようになり、街の景観色はどのように決められているのかなど、まちづくりについて調べ始めました。そして、母国・日本の都市開発には課題があることを知りました。その課題とは都市の“らしさ”が失われつつあること。都市の“らしさ”とは、言い換えればアイデンティティのことです。私は、アイデンティティとは街の景観や建築様式だけでなく、そこに暮らす人々の生活や活動を包括したものだと捉えています。この課題を解決するためにはどうすれば良いかを考えたとき、漠然としたアイデンティティを定量化して再現性を持たせたら、都市の魅力を残していけるのではないかという結論にたどりつきました。

この経験から、「都市の“らしさ”を定量化して、魅力ある都市づくりに貢献する」ことをテーマに掲げて探究を開始。自分で撮りためた500枚くらいの香港の街の写真とGoogle Earthなどのサービスを使い、景観色やビルの高さ、建物の配置などを測定し、街を分解して“らしさ”について考えました。そうした探究を深めていく中で、複数の指標から分析し、分野を横断した研究が必要だと実感。SFCでは、GIS(地理情報システム)を用いた分析を行う研究室があるなど、データを用いたまちづくりの研究ができるため、自分の探究テーマとマッチしていると感じて志望しました。

早稲田塾に入学する前はSFCを知らなかったのですが、スタッフや担任助手の方から、「探究テーマを深めるならSFCがいいんじゃない?」とアドバイスをもらいました。調べてみると、まさに自分のやりたいことができる大学だと分かり、SFC一本に。数ある選択肢の中から私に合致した大学を提案していただいたおかげで楽しく受験生活を送ることができました。

――【タメになった〈授業・カリキュラム〉】まちづくりは“鳥の目”で行うことを学んだ

「慶應義塾小論文」と「未来発見プログラム」が印象に残っています。「慶應義塾小論文」では、小論文の型や書き方だけでなく、慶應義塾大学のさまざまな学部の過去問を通して、時事問題や社会の見方などを学ぶことができました。「なぜその問題が起きているのか、それを解決するためにはどうすればいいのか」という、まちづくりに必要な思考力や想像力を身につけられたので、とてもためになった講座だと感じています。

また、未来発見プログラム「SDGsまちづくりプログラム」にも参加。これは東京建築士会が主催するプログラムで、現役の一級建築士の方から、座学やフィールドワークを通して、まちの魅力や都市計画、まちが抱えている課題などについて学ぶという講座です。私はこれまで1つの建物をデザインすることがまちづくりに繋がると考えていたのですが、プログラムの中で「鳥の目で見た都市計画をすることが大切」ということを教えていただき、まちを俯瞰してデザインすることが本当のまちづくりだと学びました。

――【早稲田塾で〈学んだこと〉】さまざまなアウトプットを通して、多角的に視野が広がった

ひと言で言うと、「視野が広がった」という点が早稲田塾で学んだ大きな成果です。早稲田塾は、インプットだけでなく、アウトプットについても指導してくれます。一般的な塾では板書を取って自分の知識として蓄えていくインプットがメインですが、早稲田塾はグループでのプレゼンや発表など、とにかくアウトプットの機会が多い。そのため、自分と異なる分野を探究している学生と接し、多様な考えを吸収することができました。また、未来発見プログラムや小論文の講座などを通し、問題点の見つけ方や解決法を考える力などを養うこともできました。さまざまなアウトプットを通して、知識や思考力、想像力などの幅広い能力を身につけ、多角的に視野を広げることができたのは、早稲田塾のおかげだなと感じています。

――【将来の〈夢〉】データを用いたまちづくりで、都市の魅力を最大限に引き出したい

探究テーマと被りますが、将来の夢は「都市の“らしさ”を定量化して、魅力ある都市づくりに貢献する」ことです。具体的にどのような形で貢献できるかは模索中ですが、定量化したまちのデータを用いて問題点を洗い出したり、魅力を再発見したりして、どうしたら都市の“らしさ”を残せるのか・引き出せるのかを研究していきたいと考えています。そのためには、データの精度を上げることが大切だと感じています。というのも、私が探究活動で収集したデータには粗さを感じていました。より精度の高いデータを収集するためにはどうすればいいかをSFCで学びたいと思っています。

私の「国際基督教大学高校 自慢」

学生の3分の2以上が帰国子女と、多くが海外で生活した経験を持つので、多様性を尊重し、自分とは違う考えでも受け入れてくれる温かさが魅力です。また、厳しい校則もなく、比較的自由な校風なので、のびのびと勉強や部活動などに励むことができます。

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