建築・芸術講座を経てSFCへ
聴覚障がい者が暮らしやすい街を目指す

第45期生

水藤晟太(すいとうせいた)さん

通塾情報

出身校 津田沼校
出身高校 筑波大学附属聴覚特別支援学校
部活 野球部
夢・目標 聴覚障がい者が暮らしやすいまちづくりに、建築士の視点で携わる

進学情報

受験方式 夏秋AO
大学 慶應義塾大学
学部 環境情報学部

――【入学の〈きっかけ〉】部活や文化祭委員長の経験を活かし、総合型選抜にチャレンジ

私が早稲田塾に入学したのは高1の9月。当初は推薦や一般選抜での進学を考えていましたが、志望していた慶應義塾大学に進むのは厳しそうだと感じていたとき、父が探してきてくれたのが早稲田塾でした。総合型選抜の魅力は、勉強以外の探究活動(課外活動)を活かした受験ができること。野球部での活動や文化祭委員長としての活動にも積極的に取り組んでいた自分にあった入試だと感じ、早稲田塾で総合型選抜に挑戦しようと決めました。

――【早稲田塾で〈学んだこと〉】生徒たちとの議論を通じ、伝える力が身についた

以前から建築士になりたいという思いはありましたが、早稲田塾に入学して総合型選抜の準備を始めてから、自分の本当にやりたいこと、夢が明確になりました。それが早稲田塾で得た一番の成長だと思います。また、私は自分の考えたことを言語化するのが苦手だったのですが、早稲田塾ではプレゼンテーションを通して自分の意見を発表する機会が多く、自然に「伝える力」が身につきました。たとえば「総合型・学校推薦型選抜特別指導」の「提出書類作成講座」では、生徒同士で探究テーマを発表し、アドバイスをしあいます。私の探究テーマに対しても「聴覚障がい者が暮らしやすいまちづくりには、本当に実効性があるのか」「健常者にとってのメリットはあるのか」といった鋭い指摘を受けました。それに応えるうちに対話する力が磨かれ、洗練された書類を完成させることができました。

――【タメになった〈授業・カリキュラム〉】建築・芸術を志す仲間と共に学んだ「絵」と「思想」

合格に直結した授業といえば、「建築・芸術系講座<実技>」。建築に必要となるデッサン力と思想の両方を深く学ぶことができました。印象に残ったのは、生徒たちが自分の考えや思想まで絵に反映していたこと。最初は苦労しましたが、課題で卵の絵を描いて提出した際、講師から「この卵には生命が宿っているようだ」と褒められたときには本当に嬉しかったですね。集まる生徒は、自分の主張をしっかり持っている人ばかり。日本は同調圧力が強い環境といわれますが、講師も生徒も臆せず自分の考えを発言している姿を見て、「自分も周りの圧力を恐れることなく、やりたいことをアピールしていいんだ」と勇気づけられました。

――【刺激的だった〈未来発見プログラム〉】「SDGsまちづくりプログラム」の発表でW受賞を達成!

未来発見プログラムでは「SDGsまちづくりプログラム」に参加しました。このプログラムでは、まず建築士の方々から建築士の仕事に関して講義を聞き、その後実際に街を歩きながら、まちづくりにおける工夫や、市町村と民間がどのように関わっているのかといった話を聞きました。そして最後に、自分たちで選んだ場所をどういう場所にしていきたいかグループで考え、プレゼンテーションをします。私は自由が丘編と横浜編に参加したのですが、地元でもある横浜編のグループワークでは優秀賞とオーディエンス賞をダブル受賞!スポーツが盛んな横浜の特性を活かし、駐車場をパブリックビューとスポーツ用品店を兼ねた複合型施設に変えるアイディアが高く評価され、とても嬉しかったです。

――【将来の〈夢〉】建築士になり、聴覚障がい者が暮らしやすい街をつくりたい

私の夢は、聴覚障がい者が暮らしやすいまちづくりに、建築士の視点で携わること。より具体的にいえば、聴覚障がい者が過ごしやすい建築物を作ることです。私自身も聴覚障がいがあるのでよくわかるのですが、世の中には音が聞こえやすい建物と、反響音が大きいせいで音が聞こえづらい建物があります。ところが残念ながら、今はまだ音の反響を抑える方法も見つかっていないのが現状です。

高校時代にはこのテーマを探究するため、論文を読むとともに反響音に関するフィールドワークを行いましたが、先行研究はまだまだ多くはありません。大学では建築空間における音の反響のメカニズムを学び、反響を抑える方法を研究したいと考えています。さらに、自然と調和した建築とは何かについても学び、聴覚障がい者が暮らしやすい街づくりを実現したいです。

――【大学・学部を選んだ〈理由〉】音響と建築の両方を研究できる学部を求めて

建築学科がある大学はたくさんありますが、音の反響と建築を結びつけて学べる大学・学部はほとんどありません。その数少ない例外が、慶應義塾大学の環境情報学部。大学には音に関する研究をされている教授や、自然と調和した建築について研究されている教授が在籍されています。こうした専門家の方々から教えを乞うことで、夢に近づければと思っています。

私の「筑波大学附属聴覚特別支援学校 自慢」

普通の高校は近隣に住んでいる人が通学するものだと思いますが、私たちの学校は北海道から九州まで、全国から生徒が集まって来ています。いろいろな文化に触れられるのは刺激的でした。探究活動などの課外活動も活発で、受験勉強だけにとどまらない学びが得られるところも魅力です。

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