――[入学の〈きっかけ〉]高校の先輩から紹介されて。ここなら安心できると感じた

　早稲田塾に入学したのは高3になる直前です。高校の先輩が早稲田塾に通っており、紹介していただきました。総合型選抜という入試方式があることは、自分で調べて知っていました。私は建築に興味があり、建築学科を受けるならドローイングの試験は必須です。もともと絵を描くのが好きだったし、好きなことを受験に活かしたい！という気持ちも、総合型選抜への挑戦を後押ししたと思います。吉祥寺校は、とても雰囲気が良く、自分が興味関心を持つ理由をスタッフが親身になって聞いてくださり、ここなら安心して勉強できると入学を決めました。

――[私の〈受験ストーリー〉] 興味関心のあることから探究テーマを深堀り

　私は、建物を通して「命の尊さ」を伝えたいと思っています。高1のときに親族が病気になって命の重さを実感し、その想いはますます強固なものに。その後、広島の原爆ドーム を実際に見に行き、戦争の悲惨さを今に伝える建築物の荘厳さに衝撃を覚えました。また、私は昔からジャズが好きで、吹奏楽部に入ってサクソフォンを吹いているのもジャズ の影響からです。ジャズもルーツを辿れば人種差別への抵抗や解放から育まれてきたもの。 時代は移り変わっていますが、今も新型コロナウイルス感染症やパレスチナ問題の紛争などでたくさんの尊い命が失われています。早稲田塾で受けた建築系講座などを通して、自分の好きな建築でどう命の尊さを表現できるかを少しずつ深堀りしていき、「命の尊厳を守る建物をつくること」という探究テーマに結びつけていくことができました。

――[刺激的だった〈未来発見プログラム〉] 「SDGs まちづくりプログラム」で進路発見

　入学してすぐ、未来発見プログラムの「SDGs まちづくりプログラム」を受講しました。一級建築士の方に持続可能な都市デザインを学び、普段と違った視点で建築と向き合うことができる講座です。特に実りの多かった点は、4 人 1 組のチームで行ったフィールドワーク。私のチームは「下北沢の再開発」をテーマに、現地に足を運んで資料収集や歴史を調べ、新しい公園をつくる提案書を作成しました。最終目標のプレゼンもうまくいき、大学で必要とされるプレゼン能力も養えたと実感。また、学びを通してあらためて建築の魅力に気づくことができ、建築学科への進路を決定づけた講座でもありました。

――[タメになった〈授業・カリキュラム〉]建築系講座で知識も技術も磨いた

　印象に残っているのは、建築学科に特化した「建築・芸術系〈実技〉」講座」ですね。基本的なデッサン力を養えるのはもちろん、普段接点のない芸術家の方が講師なのでお話を聞くだけでも新鮮。やはり芸術肌というかエッジの効いた方で（笑）、自由な作風の中にどう社会へのメッセージを折り込んでいくかの講義は、とても参考になりました。また、「建築・芸術系教養講座」では、実技以外にも建築と社会の結びつき、世界情勢の知識や考え方を学ぶことができます。命の尊厳と建物を探究するにあたり、もっと社会への問題意識を高めていかなければならないと気づけた貴重な時間でした。

――[大学・学部を選んだ〈理由〉]建築を大きく捉え、幅広い知識を身につける

　早稲田大学創造理工学部建築学科は、“建築”を大きく捉え、都市計画から環境等の工学、歴史遺産の保存など、専門に特化しない学びを得られるのが特徴です。特に、命の尊さのようなメッセージ性のある建物をつくりたい私にとって、国内外の身近な諸問題を勉強できるのは、今後きっと役に立つはず。大学では特に建築文化・社会学に力を入れ、人の心に響く建物とはどういうものかを探究していきたいと思っています。

――[将来の〈夢〉] 建築士としてメッセージ性のある建物をつくりたい！

　高校生のとき、老人ホームでボランティア活動をしたことがあります。普段接することのない高齢者とコミュニケーションが取れる良い機会だったのですが、さらに別の目的もありました。それはバリアフリーの設計に興味があったこと。高齢者と過ごすことで、みんなが安心して過ごせる建物とはどういうものかを考えることができて良かったです。夢は、もちろん建築士になること。建築の持つ力で命の尊さを表現するため、大学でとことん勉強して夢に近づきたいです。