慶應法学部で著作権法や芸術論を学び、
文化振興に寄与したい

第45期生

坂内七海(さかうちななみ)さん

通塾情報

出身校 吉祥寺校
出身高校 学習院女子高等科
部活 手芸部
夢・目標 著作権法に向き合い、制作者、利用者に寄り添いながら文化発展に寄与する

進学情報

受験方式 FIT入試
大学 慶應義塾大学
学部 法学部

――【入学の〈きっかけ〉】自分にしか得られない「学び」を得るために

私は大学の付属校に通っていたので、そのまま受験せずに進学することも可能でした。しかし、勉強が嫌いではなかったので、せっかくならもっと頑張ってみようと思い、他の大学を受験してみようと思うようになりました。総合型選抜で受けようと考えた理由は、大学合格にとどまらず、大学での学びに接続する入試であること。早稲田塾のことは、姉が早稲田塾に通っていたので以前から知っていました。普通の塾は一方的に勉強を教わるものですが、早稲田塾では講師対生徒、生徒対生徒の対話を重視した双方向型のカリキュラムが多い。対話を通じて「自分にしか得られない学び」を探せる点に惹かれて、高1の冬に入学しました。

――【タメになった〈授業・カリキュラム〉】「慶應義塾小論文」で幅広い教養が身についた

早稲田塾の授業の中で特に役立ったと思うのは、「慶應義塾小論文」です。この授業は、過去に出題された小論文を解いて、その解説を聞き、復習課題を提出することを繰り返すというもの。小論文の書き方を学ぶと同時に、慶應の理念が理解できる内容です。私はこの授業を通して文章力だけでなく、それ以外にも得るものがたくさんありました。授業で取り組む小論文には哲学、文学、歴史など多彩なテーマがあり、それらについてもかなり丁寧に説明していただけたおかげで、受験勉強の枠にとどまらない、幅広い教養が身についたと感じています。

――【刺激的だった〈未来発見プログラム〉】「スーパーリーガルマインドプログラム」をきっかけに探究テーマを発見

未来発見プログラムの中で特に印象に残っているのは「スーパーリーガルマインドプログラム」です。これは毎週、行政法、契約法などさまざまな分野の法律を取り上げ、ある訴訟がどういう判決に至るかという問題について生徒同士で議論するというもの。その中に、著作権法や知的財産法を取り扱う回がありました。私は4歳の頃からクラシックバレエをずっと習っていて何かバレエに関わる研究をしたいと考えていたのですが、当時の私はバレエと学問をどう結び付けてよいのかわからず悩んでいました。しかしこの講座をきっかけに、バレエの振り付けも著作物の一つであること、しかもその基準がまだ曖昧であることを知りました。私は高1のときに、オペラ舞台のバックダンサーとしてコンテンポラリーバレエを踊ったことがあるのですが、コンテンポラリーバレエはクラシックバレエ以上に独創性が強いもの。自ら作品に参加することで、制作者の意図や振り付けを守ることの難しさを感じ取っていました。「スーパーリーガルマインドプログラム」で著作権法の問題を知ったことを機に、私は「現行著作権法における著作物性の判断基準(創作性要件の検討)」という探究テーマに至ることができました。

――【早稲田塾で〈学んだこと〉】学びを「楽しい」と思えるように

私にとって早稲田塾は、学びを「楽しい」と思わせてくれた場所です。それまでは学校で決められた勉強をしていただけでしたが、総合型選抜の準備をする中で、自分でやりたいことを探し、本当に楽しいと思える勉強に出会えました。そしてこの「学び」は自分一人でするものではありません。早稲田塾では生徒自走式の授業が多く、自分が積極的にみんなに質問したり答えたりしないと学びは進まない。私はもともと人をまとめたり、人前で話すことが得意なタイプではありませんでしたが、早稲田塾で学ぶうちに積極的に発言したり、人の意見に耳を傾けることができるようになりました。

――【私を支えてくれた〈スタッフ〉】私のやりたいことに向き合ってくれた

スタッフや担任助手の方々は、私がやりたいことをずっと一緒に探してくれました。最初から最後まで探究テーマが大きく変わらなかったのですが、その探究がどんなふうに面白いのかとか、探究を通じて新しい論文や考え方に出会ったときにどんな感動を覚えたのかといったことを、いつも丁寧に確認してくださいました。学びを楽しみ続けられるように、やりたくないことのほうに誤って転がっていかないように、ずっと寄り添い、向き合ってもらえました。講師の方々からかけていただいた言葉の中で特に印象に残っているのは、「坂内さんは探究をしていて、とても楽しそうですね」というもの。「自分は本当にやりたい学問を見つけることができたんだ。そしてこの学びは大学での学びにも接続していくんだ」と確信できて、すごく心強かったです。

――【将来の〈夢〉】著作権に向き合い、文化振興に寄与したい

大学の選び方には、ブランド力や理念などさまざまな指標があると思いますが、私の場合は「自分の学びたいことにつながる大学を探す」というシンプルな価値観を軸にしていました。慶應法学部を選んだ理由は、法律以外の人文科学や語学も重点的に学べる点。私の目標は著作権法の研究を通じて文化振興に寄与することであり、そのためには語学や芸術論、文化論など、法律とは直接関係のない分野も学ぶ必要があります。将来の目標は、著作権に向き合い続けて、文化振興に寄与できるような人間になることです。著作権法には「文化発展に寄与することを目的とする」ことが明記されていますが、実際には著作物や著作者が多様化する中で、なかなかその目標が果たせていないという現状があります。私はずっとバレエを続けてきたし、短歌や俳句をつくる機会もあり、芸術活動を大切にしたいと考えています。著作権法を研究し、法律に関わり続けることで、著作権法が掲げる目的の実現に向けて少しでも役に立てるようになりたいです。

私の「学習院女子高等科 自慢」

私の高校の特徴は、すごく国語に力を入れていること。一例を挙げれば、定期テストの内容がほとんどすべて記述式であることや、中学1年生から高校3年生まで毎月のように短歌や俳句をつくる授業が特徴的です。小論文が得意だったのも、高校の授業で日本語運用能力を高められたおかげだと思っています。

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