寺に、人々が集い悩みを打ち明け合える 地域コミュニティを作りたい

第41期生

加藤 大宗(かとう だいしゅう)

通塾情報

出身校 町田校
出身高校 神奈川県立弥栄高校
部活 バスケットボール部
タイプ 部活動、生徒会など学校行事と両立
夢・目標 地域コミュニティを作りたい

進学情報

受験方式 AO・推薦入試
大学 慶應義塾大学
学部 総合政策学部

――【早稲田塾入学の〈きっかけ〉】もう一度ハイレベルな世界を経験したい

中学生のとき、一つ上の先輩に誘われて数ヶ月だけ、早稲田塾生だったことがあります。「英語特訓道場」を受講して、そのレベルの高さと、英語を「学ぶ」ではなく「使う」ための授業だったことに驚きました。そして高校生になったとき、「もう一度この世界を体験してみたい」と思い、再び早稲田塾へ。当初は部活が忙しかったので、「英語特訓道場 」と「東進講座」のみでしたが、高2になりAO入試を視野に入れ始めてからは、「AO・推薦入試特別指導」や「論文作法(ろんぶんさっぽう)」などを受講しました。

――【大学・学部を選んだ〈理由〉】自分の経験を活かした入試がしたい

AO入試を志したのは、自分の経験を活かしたいと思ったからです。小3からバスケットボールを始め、中学時代はBリーグチームのユースに所属し、高校の部活では部長を務めました。また祖母が講師をしていた影響で子どものときから詩吟を続け、小5で全国優勝、現在は三段を取っています。そのほかにも、高校ではスポーツ科学科に通いアクロバットなどを学んだこと、家が寺なのでいずれは継ぐために「得度」していることなど、自分の持っている様々なものを活かして、そこから将来の道を考えたいな、と。

寺の息子と言っても、今まで特に専門的なことを学んできたわけではありません。幼い頃は火葬場の独特な雰囲気が怖くて、「絶対にお坊さんにはならない」と思っていたほどでした。しかし小3のときのクラスメイトで、脳に腫瘍がある友達がいて、中学生で亡くなりうちの寺に入ることになりました。そのときに「寺は、このような人たちを支えていく役割があるんだ」と気づかされたのです。

また、うちの寺は3回火事で焼けて、何もないところから祖母が復興し、現在は父が住職を務めてます。そのような姿を見ているので、継ぎたいという思いは自然と湧いてきました。

寺を継ぐというと仏教系の学部がある大学をイメージしますが、両親は「もっと違う、広い世界を見なさい」と勧めてくれました。早稲田塾の講師から「慶應義塾大学SFCに向いている」と薦められたこともあり、様々な分野でトップクラスの研究者がいる環境で自分も学びたいと、第一志望に定めました。

――【刺激的だった〈未来発見プログラム〉】先輩の学ぶ姿勢に驚かされた

高2のときに、未来発見プログラム「グローバル企業経営塾」に参加しました。これは、 経営やビジネスについて世界的な視点で学べるプログラム。これからの寺には経営的な視点が必要だと感じ受講したのですが、内容はもちろん、 参加者からも大いに刺激を受けました。他校舎の生徒とも交流でき、 特に出願を間近に控えた高3生からは、「ここで学んだことを持ち帰ろう」という熱意が見て取れた。「僕も来年は、こうなっていなくちゃいけないんだ」と、目標ができました。また、人前での話し方、効果的なプレゼンテーション、立ち居振る舞いなどを身につけられたのは、その後の入試にも生かされたと思います。

――【早稲田塾での〈生活〉】ギリギリまでテーマが固まらず、ラストスパート!

自分が育った環境でもある「寺」をテーマにすることは早々に決まったのですが、それをどう発展させていくのかは、ギリギリまで決まりませんでした。最初に考えていた看護系のテーマでは現役看護師にインタビューを行い深めていったのですが、自分のものとしてまとめるところまでいけませんでした。その後二転三転して、現在のテーマにたどり着いたのは、出願の8日前。講師からは「遅いよ」と呆れられましたが、相談に乗っていただき、担任助手のフォローも受けつつ、起きている時間はほとんど書類に取り組み、なんとか出願しました。そのような状態だったので、合格できたときはみんなかなり驚いたのではないでしょうか(笑)。

合格発表は、校外学習先の宿舎で見ました。ホテルにあったパソコンで合格を知り、そのまま食堂でクラスメイトや先生に祝ってもらって、とても嬉しかったです。

――【将来の〈夢〉】人々が集う、地域コミュニティとしての「寺」を作りたい

つらいことが溜まりすぎて溢れると、人の気持は弱くなる。だから、その前に吐き出す場所が必要だと思います。
僕は、寺を人々が集い、悩みを打ち明けられるコミュニティにしたい。宗教としての仏教だけではなく、哲学としての仏教をわかりやすく伝え、またヨガや詩吟などの講習会を通して、寺を身近な存在にしていきたい。 いずれは寺を継ぐことを考えていますが、その前に自分自身の視野を広げるために、国際的な仕事がしてみたいですね。人の悩みを聞くためには、まずは自分自身の成長が必要だと感じています。

私の「神奈川県立弥栄高校自慢」

僕が所属していたスポーツ科学科のほかに、普通科、音楽科、美術科があり、色々な生徒と交流できます。近隣にあった2校が合併したので、敷地が広くて体育館も二つある!スポーツ科はスポーツ生理学や動作解析など、生涯にわたってスポーツを続けるために必要な専門知識を学ぶことができます。

私の「慶應義塾大学 総合政策学部 現役合格アイテム」

メッセージ、猫の写真、ボール

試験前日に、母が書いてくれたメッセージカードです。実は、最初のうち両親はAO入試に反対でした。受かるかどうかもわからない、募集人数も少ないのだから、一般の勉強をしたほうがいいのではないか、と。しかし、自分が頑張りたい気持ちを伝え、また学ぶ姿を見てもらうことで、応援してもらえるようになりました。僕が生まれる前から家にいた猫は、出願の3日前に事故で亡くなってしまいました。ずっとそばにいてくれた、大切な存在です。考え事をしているとき、よくボールをいじっていました。「早く合格して、バスケがしたいなあ」と思いながら頑張りました!

フォトギャラリー