{literal} {/literal}
GOOD PROFESSOR

国際基督教大学
教養学部 語学科

古藤 友子 教授

ことう・ともこ
国際基督教大学教養学士(ICU)・文学士・文学修士(東京大学)。おもな著書に『五行大義』(共著・明治書院)『周易本義』(共著・明徳出版社)がある

  • mixiチェック

言語から人間について分析していく

ICUのシンボル・大学礼拝堂の十字架
複数ある礼拝堂のひとつ「シーベリー記念礼拝堂」

古代の日本に多大な影響を与えた中国哲学のひとつに易(易経)がある。この易について長年にわたって研究してきたのが、今回ご登壇をお願いする国際基督教大学(ICU)教養学部語学科の古藤友子教授。言語研究において定評のあるICU語学科について、学科長も務める先生に特徴など伺うと……

「言語は人間だけがもつもので、知の根源にあります。ICUの語学科では、個別の言語を材料に言語学的な考察を行ないながら、究極的には人間とは何かを研究します。語学は、古代ギリシャ・ローマの時代からリベラル・アーツの重要な要素とされてきました。ICUの学生は、英語や日本語の学習を通してまず学問の基礎を身につけます。こうした語学教育プログラムと相互に関連しながら、言語研究が進められます」

「さらにICUには、英語以外のさまざまな外国語科目を履修したり、キャンパスの国際性を生かしたりすることで様々な言語に触れる機会があります。言語のもつ多様で複雑な諸相を自然に捉えることができる環境に恵まれています。ことばに興味があり、ことばから人間や文化を分析したい人にはピッタリの大学・学科だと自負しております」

「英語漬け」の揺り戻しで「中国」研究へ

学生たちの憩いの場・通称「バカ山」

そんな古藤先生が若き日の大学進学にあたって選んだのもICUだった。もともと西洋哲学のほうに興味があった古藤先生だが、ICU人文科学科に入学後は1年次の大半の時間が英語の習得に費やされた。当時を振り返っても「まさに英語漬けの毎日でしたね」と笑う。

「1年次では英語ばかり勉強したという感じでした。つぎは違う言語をということで中国語を選びました。それが後に中国哲学を研究するキッカケともなりました。異文化を学ぶためには、その言語の習得から入って日本語に縛られない複眼的な思考が必要です。今も昔もそういう考えは当を得たものだと思っています」

日本の貿易相手国として中国がアメリカを凌いで1位になって久しい。そんな時代だからこそ、ICUにかぎらず日本中の大学では中国語の講義にたくさんの学生たちが集まるようになった。もはや中国語は、英語に次ぐビジネスや市民生活レベルにおける必須の語学リテラシーにもなりつつある。

しかし古藤先生の学生時代はクラスに5人程度という超少人数体制であった。ただ、その分みっちり中国語を学ぶことができたともいう。

人間として最も基本的な「知」としての言語

リベラルアーツの拠点・図書館

ここのところ古藤先生が専門としているのは「易」と「陰陽五行説」の研究だ。古代中国で生まれ「陰」と「陽」の組み合わせで世界や未来を理解しようとする易は、中国をはじめ東アジアでは最も基本的な文献としても親しまれてきた。日本においても、さまざまの年中行事や相撲、あるいは神道や仏教などの考え方の根本部分に易や陰陽五行説の影響をみることができる。

「易や陰陽五行説を説いた文献は2千年ほど前から伝わっているものです。大昔に書かれた文献であっても、他の文献を頼りにしながら当時の人々の考え方を現在においても知ることができます」

メジャー制度のもとリベラル・アーツの理想へ

広々としたICU正門ロータリー

「来る08年度からICUは31のメジャー(専攻)に分かれます。ひとつのメジャーだけでなく、ほかのメジャーに興味が湧けばそのメジャーも選択することができます。入学時には方向性がはっきりしていなくても、学びながらメジャーを決定することができるようになるわけです」

もともとICUは学部・学科の垣根が低く、学際的なリベラル・アーツを標榜する大学として広く知られる。その障壁がさらに低くなって、真のアカデミズムを学ぶ自由度がさらに広がろうとしている。

こんな生徒に来てほしい

まずは知的好奇心をもった人。それに、言語について興味をもっている人を歓迎します。きっと楽しんで学べるのではないでしょうか。語学や哲学に限らず学ぶということは、きちんとした手順でリテラシー(活用能力)を高めていけば、一生豊かに生きていけるだけのパワーを与えてくれるものです。新しい発見もたくさんあるはずです。

公開日:

※掲載されている教授の所属・役職などは取材当時のものであり、現時点の情報とは異なっている場合があります。