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GOOD PROFESSOR

大東文化大学
経済学部 現代経済学科

古屋 核 教授

古屋 核(ふるや・かく)
1967年生まれ。
89年、東京大学教養学科卒業。91年に同大大学院総合文化研究科修士課程修了。96年にはカリフォルニア大学バークレー校博士課程を修了し、96年より2001年までカリフォルニア大学アーバイン校経済学部助教授に。01年4月より現職。

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経済学は難解な学問ではない?!

9台のパソコンが置いてある「ブラウジングルーム」は、学生が自由にパソコンでインターネットを使うことができる。1階にあり、気軽に寄れるのが嬉しい

経済学と聞いて、腰が引けてしまう塾生が少なくないかもしれない。ただでさえ難しそうなのに、数学まで必要な文系学部。

「数学といっても、中学3年までに勉強した範囲ですよ」と、古屋核先生は笑う。

「スポーツに例えるとわかりやすいかもしれませんね。経済学はスキーのようなものです。どのレベルでも楽しめますから。パラグライダーのように、ハイレベルの技術を持たないと空を飛べないスポーツとは違います」

多くの人が思い込んでいるほど経済学は難解な学問ではない?! しかし『簡単にわかる経済学』などと名付けられた本でさえ、読むとえらく難解だったりするし……。そんな思いとは裏腹に、古屋先生は経済学をじつにわかりやすく説明してくれる。

先生いわく、経済学は大きく2つに分けられるという。ミクロ経済学とマクロ経済学だ。
ミクロ経済学は、経済を構成員――消費者や企業・政府など――の行動を細かく分析する学問。
マクロ経済学は、大勢が集まった経済全体の動きを重要な指標――生産量や失業率・物価・金利・為替レートなど――に焦点を絞り経済全体を捉え分析していく学問だという。

「わかりやすいように具体例を挙げましょう。たとえば吉野屋と松屋が安売り競争をしているとき、それがどうして起こり、どこまで進むのかを分析する。これがミクロ経済学です。マクロ経済学なら、従来型の土木中心の景気対策が、生産量やGDPの成長率、雇用の指標、金利などにどのような影響を及ぼすのかを調べたりします」

経済活動を方程式にあてはめて分析

校門をくぐってすぐの建物の地下にある学食「青学サービス」。人気メニューは、味噌ラーメン(310円)とサービスランチ(400円)

先生の専門は、マクロ経済学のなかの失業の理論だ。「なにが影響して失業率が決まるのかを一生懸命考えてきました」。もちろん経済学である以上、分析は数式を使って行われる。実際の経済活動を連立方程式に当てはめていくのである。

「経済学は数字で表す学問です。たとえば財政支出が10%増えたら、物価が何%変化するのか。数字を割り出せる数式を作り出さなければいけません。ただし、使う連立方程式は難しくありません。むしろ、どのような形で式を立てるかが難しいのですよ」

社会の仕組みは簡単ではない。その社会と密接に関係している経済を数式に当てはめるのだから、確かに大変だ。

「だから経済学には、社会制度や歴史あるいは社会心理などの知識も必要となってきます。ただ、これらすべてに関して深い造詣が必要かという、そうでもありません。むしろ、社会の様々な条件をどう切り出し、どうブレンドするかが重要になります。ブレンドすることで、社会制度や人間の行動を理解していきますから」

経済学から人間の行動パターンがわかる

少し肌寒い日だったが、ベンチで友達と語り合う学生たちの姿も

先生が経済学による社会制度や人間行動の理解の例として示してくれたのは、タクシーの料金制度だった。

もしタクシーに「初乗り料金」がなく、距離と時間だけに比例する制度だったら、運転手は常に距離を稼ごうとするに違いない。そのために遠回りをするような運転手も出てくるだろう。一方、バス料金のようにどこまで乗っても一定料金なら、遠距離の客を乗せない運転手が続出するだろう。

「『人はパンのみに生きるにあらず』ですから、経済学で理解できるのは人間の一面です。ただし、その一面は世界中の人々に共通する行動パターンでもあります。だからタクシー料金のように、不正をしにくい社会システムを考えることさえできるのです。いままで日本は閉じられた社会でした。ところが国際化によって状況は一変。自己責任が問われ、欧米型の契約社会に近づいています。常に意思決定が求められています。だからこそ、経済的な思考の理解なしに生きていくことは難しいと思うのです」

経済学は人間そのものの理解に役立つ

経済学が人文系の学問である理由を少しは理解できたような気がした。経済学と聞けば、ついついはじき出す数字の動きに頭がいってしまう。しかし、経済を動かす人間そのものの理解にこそ経済学は役立つのである。

「もちろん講義では理論だけを教えるだけでなく、現実の経済との関わりも勉強できるようにしています。 最近では、アメリカと日本の経済システムの違いを、学生に調べさせました。 ドラフトやフリーエージェントなどの制度を分析しながら、経済学を使っていくのですよ」「話すのは得意じゃないんです」と照れ笑いを浮かべる古屋先生。しかし、その話は本当にわかりやすかった。そのうえ、経済学の面白さまで伝えてくれた。

もしかしたら、自身の話術の巧みさを知らないのは、先生だけかもしれない。先生の講義で経済学に夢中になる学生も、きっと多いだろう。

こんな生徒に来てほしい

大学時代というのは、能力が非常に伸びる時期です。経済学は、やる気があれば大きく伸びる学問でもあります。大切な時期の学問ですから、将来性を買う意味でも、やる気を最重要視したいと思っています。

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※掲載されている教授の所属・役職などは取材当時のものであり、現時点の情報とは異なっている場合があります。