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GOOD PROFESSOR

玉川大学
経営学部 国際経営学科

大藤 正 教授

おおふじ・ただし
1950 年東京生まれ。’72年玉川大学工学部卒。’72年玉川大学工学部副手。’84年同大学院工学研究科修士課程修了。’92年同助教授。’98年同経営学部教授。この間に’96年ブラジル・ミナスジェラス大学留学。現在は玉川大学学生センター長。品質管理学会理事。主な著作に『IE手法入門』(共著)『品質展開法1』『品質展開法2』(以上、日科技連出版社)『QFDガイドブック』(共著・日本規格協会)などがある。第3回赤尾賞受賞。

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世界で唯一の「無形財貨サービス」研究者

大藤研究室のある「大学研究室」棟
歴史を感じさせる学園正門プレート

玉川大学経営学部で教鞭をふるう大藤正教授に、所属する経営学部国際経営学科の特徴から伺った。

「ここは学科の名前のとおり、企業経営者の人材育成が大きな目的です。いまはグローバル化の時代といわれ、国内企業も大手を中心に海外進出が盛んになっています。したがって企業経営者の人材育成を目的に、国際的な観点からの教育を施している学科と位置付けられるでしょう」

国際経営学科の全学生はノートパソコンを常に携帯している。キャンパス内には無線LANが構築されており、ブラックボードのシステムにより24時間アクセスできる。学生は「いつでも、どこでも」学べる体制が整っているのだ。

ちょっと話は変わるが、日本経済界は敗戦後の混乱期から短時日のうちに奇跡的な復興を遂げ、大巨人アメリカに次ぐ経済大国という地歩まで駆け昇った。その要因はいくつか挙げられるだろうが、ひとつに生産現場における品質管理(QC)活動の功績も見逃せない。これは当時の労使双方が協力して、製品品質や生産性の向上に取り組んだ運動でもあった。

そうした「品質管理研究の第一人者」と自他ともに認めるのが大藤先生である。なかでも「無形財貨サービス」の研究を専門としていて、この分野では世界的なオーソリティーでもある。

「品質管理やQC活動というのは、形ある製品の品質向上をめざして始められたものです。ただ、私は無形の財貨や形のないサービスに着目して研究しています。そもそも形あるものを生み出すのは何かと考えますと、人間の技術力や労働力あるいは知識であるわけです。ですから高品質の製品を生み出すためには、それを生産している人たちの質を高めないといけません」

先生が無形の財貨の研究を始めた理由である。品質管理研究の一環として、片手間にこの問題を扱っている研究者はいても、これを特化させて専門としているのは、世界でも大藤先生が一人ではないか、という。

「こればかりを研究していても簡単に正解の出るものではないのですね。そこが難しく、またやり甲斐のあるところで、わたしのライフワークだと思ってやっています」

大藤先生はこれらの研究に関連し、QFD(品質機能展開)という日本で考案された手法を推進した功績でも知られている。こういった研究の他、技術の体系化や新製品開発法などにも取り組んでいる。また品質管理に関するすべての雑誌の編集に携わり、毎年11月に全国で展開される「品質月間」の第7代委員長を’07年より務めるなどの多忙ぶり。さらに毎年、各国持ち回りで開催される「国際シンポジウム」に毎回招待され、出席している。先生の活躍する舞台は、大学という枠を飛び越えて世界なのである。

ビジネスゲームで「倒産」したらリポート100枚

学生たちの憩いの場でもある「玉川池」
吉田松陰ゆかりの松下村塾遺構もある

玉川大国際経営学科のゼミ演習は3・4年次学生が対象で、大藤ゼミでは例年10人までのゼミ生を受け入れている。その内容について先生は次のように語る。

「3年次のゼミ生には、まず私の講義『サービス経営』と『経営科学』がありまして、それにゲームも行ないます。ゲームというと誤解される向きもありましょうが、これは『ビジネスゲーム』というロールプレイング(役割実演法)です。架空の企業を設立して、それを経営して企業規模を拡大していくというものです。むろん経営方法などを誤ると倒産しますし、毎決算期には決算書を作成するという本格的なものです」

ゲームは1年間続けられ、これによってゼミ生たちは「企業経営とはどういうことか」を実感できるようになる。なお、ここで経営判断を誤ったり、放漫経営の末に失敗して「倒産」した場合は、過酷なペナルティーとしてリポート100枚の提出が待っている。

4年次は、1年間かけての卒業論文作成に充てられる。テーマは国際経営学に関するものであれば、大藤先生の守備範囲を外れても構わないそうだ。

「これはゼミの方針でもあるのですが、学生を自律型の人材に育てたいという強い想いがあります。ですから、こちらからお仕着せのテーマを与えるのではなく、ゼミ生自身が自分で研究したいテーマを見つけてチャレンジしてもらう方法を採っています。そうしますと、中には私の土俵を外れる研究テーマも出てきます。大学生といいましても、20歳を越えた大人ですから、彼ら・彼女らの土俵にこちらも上がって取り組むことで、私自身の勉強にもなり、成長になるのではないかと思ってやっているわけです」

最後に、自身の学生指導の考えについて、こう語ってくれた。

「大学教員とは、まず学生をサポートするのが仕事――そう私は考えています。受け身のティーチングやトレーニングは義務教育までで、高校生からは自分で学ぶのが本来の姿のはずです。それで我々教員はそれぞれの学生が目指すところをいっしょに考え、方向づけて導いてあげます。それがサポートあるいはコーチングといわれる指導法なのです」

ここで学生側の自律性が重要になるのは、言うまでもない。

こんな生徒に来てほしい

所属する国際経営学科の立場からしますと、やはり世界を舞台に、グローバルに活躍したいと考えている人たちに来ていただきたい。むろん国内での活動を考えている人も拒否しませんが、ここで学ぶからには地球の裏側にまで飛び出していくような気概に満ちた人がいいと思いますね。

公開日:

※掲載されている教授の所属・役職などは取材当時のものであり、現時点の情報とは異なっている場合があります。