早稲田塾
GOOD PROFESSOR

成蹊大学
理工学部 エレクトロメカニクス学科

齋藤 洋司 教授

1959年東京生まれ。’87年慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程電気工学専攻修了。’87年豊橋技術科学大学電気電子工学系助手。’92年成蹊大学工学部電気電子工学科専任講師。’93年同助教授。’01年同教授。’05年から学部改組により現職。
この間’98年米ノースカロライナ州立大学訪問研究員。電子情報通信学会東海支部創立50周年記念奨励賞(’89)。主な著作に『電気回路の講義と演習』(日新出版)『プロフェッショナル英和辞典 SPED TERRA 物質・工学編』(小学館)などがある(著作はいずれも共著)。
齋藤先生が主宰する「成蹊大学理工学部 電子デバイス研究室」のURLアドレスはコチラ
http://www.ee.seikei.ac.jp/~momma/index.html

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世界を驚かすエレクトロニクスをめざす

齋藤研究室のある「大学13号館」
研究室メンバーとの集合写真

成蹊大学は’05年度に工学部から理工学部への改組を行なった。今週の一生モノのプロフェッサー齋藤洋司教授も、それに伴って、工学部電気電子工学科から理工学部エレクトロメカニクス学科へと所属を替えた。まずは、その「エレクトロメカニクス学科」の特徴からお伺いしてみよう。

「ものづくりの基本がすべて学べるということ、それも機械工学・電気電子工学・経営工学の3分野を融合した視点から学べるというのが本学科の一番の特徴でしょうね。そのため、間口がかなり広い学科構成ですが、自分の研究テーマにするものを学びながら絞っていけるカリキュラムにもなっています」

さらにエレクトロメカニクス学科で特筆すべきものとして、「学生主導プロジェクト」がある。これは講義で学んだ知識を、学生たち自身で考えながらモノづくりに生かすというもの。すでに、フォーミュラカーや自律歩行ロボットなどの各種プロジェクトが立ち上がっており、全国大会などにも積極的に参加するなど、成果を上げている。

「学生主導プロジェクトは卒業研究としても正式に認められます。そのアイデアから製作・発表までを学生たちが主体的に進め、私たち教員は経済的な裏付けを確保してあげて、学生から質問を受けたときには細かく指導をするというスタンスです。参加学生は、みんな楽しみながらやっているようですね」
なかなかユニークかつ魅力的なプロジェクトといえよう。

太陽電池・プラズマ・半導体その全てが独自研究

冬枯れの成蹊大キャンパス全景

さて齋藤先生自身のご専門は、前・電気電子工学科時代は半導体工学分野の「薄膜材料」や「デバイス」などの研究が中心であった。現在のエレクトロメカニクス学科の所属になってからは「太陽電池」や「プラズマ」などの研究にシフトしているという。

「このうち太陽電池については、電池性能の高効率化の研究をしています。太陽光の照射エネルギーは1㎡あたり電力換算で約1kWといわれています。しかし、現在の太陽電池から出力されるのはせいぜい200W程度にすぎません。現在の技術では約20%の利用に止まっていることになります」

そこで齋藤先生は、太陽電池に使用されているシリコンにエッチング処理(平面に凹凸をつける)をして、受光した太陽光に乱反射を起こして受光量を増大させるべく研究をしている。これらは先生オリジナルのアイデアであり、前人未到の分野ということになる。

もうひとつの研究テーマのプラズマについては――

「こちらのほうは、①『大気圧プラズマ』という電極さえあれば大気中でも放電するプラズマを用いた液晶画面用基板洗浄への応用、②これをチタンに置き換えて改良する研究(ただし、プラズマに長時間放電に曝されて電極のステンレスが劣化し、サビが発生するという欠点がありますが)、③工場・自動車等の排気ガスの浄化へのプラズマ利用――等々について研究をしています」

このうち電極材料にチタンを応用する研究も世界で齋藤先生だけだという。このほかにも、④ダイヤモンド薄膜の作製⑤赤外線を使ったサーモグラフィーや暗視カメラの開発なども手掛けているという。

どうせなら独創的アイデアによる世界初のモノを

成蹊大生の知の拠点「情報図書館」

エレクトロメカニクス学科の学部生は、3年次後期から各教員研究室に配属になって、それぞれ卒業研究に取り組む。

「学部生の研究室配属は3年次後期からですが、まだ3年次中は準備期間という扱いになります。研究室にある実験装置などの説明を受けて、それを実際に使いながら慣れてもらいます。そして4年次に進級する前にそれぞれ研究テーマを決めるという段取りですね」

卒研のテーマ決めについては、まず齋藤研究室において実験・研究の可能な諸テーマが先生から挙げられる。その中から関心のあるテーマを選んで決める。実験研究の実際的な指導は研究室の大学院生があたるが、そのテーマに詳しい院生がいない場合は、齋藤先生自らが指導にあたる。そうした学生たちへの指導方針については次のように語る。

「卒業研究に入りましたら、学生も私もいわば共同研究者であり、対等の関係と考えてやっています。方針はある程度こちらで示しますが、学生の自主性を最大限尊重して、彼らが自らやりたいことを第一にやってもらっています。もちろん問題が発生したときなどは、私も学生といっしょになって考えて解決するようにしています」

「昨今の学生たちを見ていると、目先の作業にとらわれて全体の仕組みや原理を十分に理解していない人が多い傾向があるなと、気になります。ですから、実験研究を始める前に、その仕組みや原理について理解することの重要性については特に指導しています。そうしたことが実験研究をスムーズに進めることにもなりますからね」

なお実験を主体とする研究室に進むからには、できれば大学院修士課程くらいまでを見据えてじっくりと研究に取り組んでほしいとも語る。

最後に自らの研究の醍醐味については――
「近年の理系研究室では、計算機シミュレーション等による研究手法を主体とするところが増えていますが、私たちの研究室ではモノづくりそのものが主体となります。自ら考え出した未知なるモノを実際に作製できるというのが大きな魅力です。ちょっとした工夫やアイデアで、世界的なアピールすら可能というところもこの研究分野の醍醐味でしょうね」

こんな生徒に来てほしい

ものづくりが好きな人、ものづくりを通して人々の役に立ちたいと思っている人ですね。これは私の研究室ばかりでなく、エレクトロメカニクス学科全体の傾向だとも思いますよ。

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※掲載されている教授の所属・役職などは取材当時のものであり、現時点の情報とは異なっている場合があります。