早稲田塾
GOOD PROFESSOR

専修大学
商学部

内野 明 教授(学部長)

うちの・あきら
1955年神奈川県生まれ。’81年横浜国立大学大学院経営学研究科修士課程修了。’81年横浜商科大学助手。’89年同助教授。’90年専修大学商学部助教授。’95年同教授。’09年より学部長。’99年米ウスター工科大学客員研究員。主な著作に『ビジネスチェンジ――情報技術が変える仕事・組織・人』(共編著・同文館)『システムダイナミックス入門』(分担執筆・日科技連出版社)『例解構造化COBOL』(共著・実教出版)などがある。
内野先生が主宰するWebサイトのURLアドレスはコチラ →
http://www.isc.senshu-u.ac.jp/~thc0417/

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経営情報システム研究のオーソリティー

内野研究室のある9号館正面入り口
専修大学創立120年記念館でもある9号館

「計理の専修」としてつとに知られる専修大学。その商学部の学部長に、2009 年9月に就任した内野明教授が、今回ご紹介する一生モノのプロフェッサーである。

「本学商学部はマーケティング学科と会計学科の2学科から成っています。前者は1年半かけて商学部のカバーする広い領域の基礎を全員で学び、2年次後期から学生が自分の学びたい領域を4つのコースから選択します。後者の会計学科は、1年次から会計の専門領域をみっちり学ぶことになります。全体を把握してから学ぶ領域を選ぶ学科と、最初からターゲットが定めてある学科とがあるわけです。またゼミ演習が2年次後期から始まりますが、こちらの方は学科の枠を跳び越えて学生それぞれが関心のあるテーマのゼミを選択できるようになっています」

つぎに学部長に就任しての抱負を話してもらった。

「いま学生の就職をめぐる状況が非常に厳しく、3年次の夏あたりから就職活動を始めないと間に合わない状態になっています。その大変さは理解できますが、やはり学生の本分は『学び』にこそありますから、そちらも忘れないようにしてほしいですね。とくに問題解決能力、自ら情報を収集・駆使して問題が解決できるようになる――そういう基礎的な力は付けてほしいと考えています」

まさに、これこそが大学アカデミズムで学ぶことの本質だろう。その内野先生ご自身の専門は、「経営情報システム」と「マネジメントサイエンス」である。どんな学問分野なのか伺った。

「経営情報システムは、企業やその他の組織におけるコンピューターや情報ネットワークのシステムをあらわします。その情報技術の側面ばかりでなく、人と組織、そして両者のマネジメントを考慮するため、効率的でありながら人と調和するシステムを研究するものです」

「もうひとつのマネジメントサイエンスは、経営の問題に対して数学的手法を用いて科学的に解析していく領域になります。わたしの専門は、そのなかで『システムダイナミックス(SD)』とよばれるコンピューター・シミュレーションを行なう手法です。さまざまな複雑な問題に、長期的視点で対処する場合に有効なのですが、来年どうなるかを期待するわが国の企業人の受けはいま一つです」

というわけで、日本での普及はそれほど進んでいないものの、SDについて、先生はわが国におけるオーソリティーの一人であることは間違いない。

ところで経済学・経営学の話には「マネジメント」という用語がしきりに出てくる。そもそもマネジメントとは何なのか? 現役高校生のみなさんにも分かるようにレクチャーしていただいた。

「企業活動などに欠かせないものには、人・モノ・カネ・情報・時間などがあります。これらの資源はいずれも無尽蔵にあるわけではなく、どれにも制約があります。その制約条件のなかで、いかにうまく企業活動をしていくのかを考えるのがマネジメントになります。受験生の皆さんにとって一番大事なのは多分時間ですが、その時間をいかに効果的に使うかがマネジメントなのです」

経営学のほか数学も情報プログラムも英語も教えるマルチな活躍

屋上通路でつながる生田校舎8~9号館

さて、今回の主役である内野先生は、非常に多彩な才能に恵まれた研究者・教育者でもある。

「基本的には、経営情報システムと、それに関係深いマネジメントサイエンスを中心に研究し、学生に教育もしてきました。しかし、そのほかにも経営数学や基礎数学・情報プログラミング・情報リテラシーなども教えてきました。現在はビジネス英語も教えています」

研究・教育が仕事の先生とはいえ、専門化が進む昨今では珍しいほどのマルチぶりである。

学問・教育、さらに囲碁でも何事でも徹底せずにはいられない

専修大学生田キャンパスの学部別掲示板

専修大学商学部のゼミ演習は2年次後期から始まる。内野ゼミでは毎年10人前後のゼミ生を受け入れている。内野先生がゼミ指導で常に重視しているのは「プレゼンテーション力をつけること」にある。

「まずは経営学の教科書を使って、マネジメントの基本的なことをみっちり学習してもらいます。学習したことをゼミ生個々でレジュメにまとめて、パワーポイントを用いて発表してもらいます。その発表については自己採点もさせます。これはアメリカの大学でわたし自身が経験した方法で、日本人の学生にいきなりやらせると戸惑う人が多いようですね(笑)。そうやって自己採点した得点を、次に5点、10点上げるためにはどうすべきか自ら考えることで、自然にプレゼンテーション力がついていくというわけです」

あらためて内野先生が学生指導で心掛けていることを伺うと、次のように語ってくれた。

「身に付けてほしいのは、情報リテラシーと英語力、それにシステマティックな考え方です。これをベースに、プレゼンテーションの力をつけて欲しいと思っています。ですが、どうしても英語が苦手だという人には強要しません。また、ゼミとかサークルというのは人間関係形成の場ですから、積極的に参加して一生モノの親友を見つけてほしいですね。大学とはそういう場でもあると思っています」

最後になったが、内野先生は専修大学囲碁部の部長を長年務めてきた。部員10人ほどの小さな部だが、学生囲碁界におけるその実力は全国トップレベルにある。ここまで育て上げた原動力には、中学生のときから囲碁を趣味にしてきたという先生によるものも大きい。

こんな生徒に来てほしい

受験生のみなさんは、第一志望の大学に入学できるように是非がんばって勉強してほしい。また、推薦入試で大学に入る人は、受験勉強の代わりに、高校時代に何かこれをやり遂げたといえる成果を残してほしい。自分の出来得る限りの努力をして、高校とは全く違う世界である大学に旅立ち、そしてその世界をエンジョイしてください。

公開日:

※掲載されている教授の所属・役職などは取材当時のものであり、現時点の情報とは異なっている場合があります。