早稲田塾
GOOD PROFESSOR

聖心女子大学
文学部 外国語外国文学科 英語英文学専攻

マーシャ・クラッカワー 助教授

Marsha Krakower (マーシャ・クラッカワー)
東京生まれ。聖心女子大学文学部卒。コロンビア大学大学院英語教授法学科修士課程修了。NHKテレビ・ラジオの 「英語会話」 講師、NHKテレビ・BSのニュースキャスターなどを務める。現在、聖心女子大学文学部助教授。主な著作に 『いつでもラジオ英会話』(NHK)、『英語はママにおまかせ』(広済堂出版)などがある

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M・クラッカワーを育てた聖心女子大伝統のディスカッション

日本屈指の女子大伝統・聖心女子大のキャンパス風景

聖心女子大学は東京・広尾の高台にある単科(文学部)大学で、緑に包まれたキャンパスに約2000人の女子学生が学ぶ。同大学の前身校が外国人修道女によって開設されたこともあって、同校の英語教育の充実ぶりには定評がある。 その外国語外国文学科英語英文学専攻(いわゆる英文科)で教鞭を執っているのがマーシャ・クラッカワー先生。テレビ・ラジオなどでおなじみの人気の先生である。じつはクラッカワー先生自身が同大学の卒業生でもある。まず同校の伝統ある英語教育の特徴から聞いた。

「講義がハードだということでしょうか。よく日本の大学は入るまでが大変で、入ってしまえば楽と言われますが、この学科では入ってからもみっちり勉強させられますよ(笑)。講義の大半は英語だけで進められますし、英文科の卒業論文も英文での提出が義務づけられています」

これは先生が学んでいたころから、いまも変わらずに続く特徴だという。そして、いま先生自身がそのきびしい指導をする教員のひとりなのだ。

「みんなにフェアにきびしくしているつもりですが、卒論指導などで私が批判や批評をすると、泣き出してしまう学生もいます。指摘されたことがどうしてもできなくて、自分自身に悔しくて泣くようですけどね。それだけ手加減しないでやりますから、卒論をやり終えたときは、みんな達成感でいい顔になります。私もそのいい表情を見るのが好きなんです」

クラッカワー先生の講義では、学生たちに英語で徹底的にディスカッションさせるのが最大の特徴だ。
「英語を使ったディスカッション形式の授業がほとんどで、学生たちに発言する機会を多く与えるようにしています。この形式の授業を続けておりますと、2・3年生までは英語でディスカッションするのが苦手だった学生も、4年生までには確実に自分のものにしてしまいます。4年生のゼミではそれぞれの卒論をテーマに本人がプレゼンテーションして、ほかの生徒がクリティックする方式で行っていますが、非常に活発なディスカッションになっていますよ」

さらに、このディスカッションを通して、社会のどこに出ても自分の意見をはっきりと言える学生が育ってくれればとも。

昨今の女子大卒業生の就職状況は、決して芳しいとはいえない状況といわれる。ところが、聖心女子大においてはすこぶる好調なのだという。2002年3月の卒業生の実績で、就職希望者の就職率は99.2%という高率なのである。外国語外国文学科の卒業生も、銀行・証券をはじめ航空運輸・通信・マスコミなど大手企業への就職が多い。むろんクラッカワー先生ひとりの功績ではないにしても、聖心伝統の英語力やディスカッションやプレゼンテーションの能力の確かさも預かって大きいようだ。

クラッカワー先生の専門はメディア・リテラシー。日本語に単純に訳せばメディア批判となる。

「日本語で批判といいますと響きが悪いんですが、これはメディアがどのような情報を伝えているかを客観的な目で見ることを養う学問分野です。アメリカではコマーシャルのメッセージをどう把握したらいいかなど、小学生からトレーニングしていますが、日本ではまだまだこれからですね」

やる気が報われる聖心ならではのメリット

クラッカワー研究室のある3号館

バブル崩壊後の大不況が続くいま、いわゆる女子大人気は凋落気味だという声も多いが、クラッカワー先生は、こんな時代だからこそ女子大ならではのメリットを大いに発揮すべきだと説く。

「男女共学の大学ですと、分野によっては男子学生に場を奪われがちになって、やる気をなくしてしまうことも多いようです。そこへいくと女子大は女性ばかりですから、スタートラインがみんないっしょで、チャンスは平等に与えられます。これが女子大の大きなメリットですね。それにアメリカをはじめ欧米では、ヒラリー・クリントンをはじめトップまで上り詰めた女性のほとんどが女子大の卒業生なんです。女子大がすばらしい女性を生み出していることは常識になっています。まだ日本ではお嬢様大学などと違うイメージで見られているようですが、じつは日本の女子大も事情は同じなんです」

また、女性が英語を学ぶことの意味について次のように語ってくれた。

「一般的に、コミニュケーション力は男性よりも女性のほうが優れています。 これは日本でもアメリカでも同じです。ビジネス社会においても、交渉やマーケットなどの売り込みでは女性のほうが柔らかくうまくいくことが多い。そのうえ英語までできますと、それが大きな武器になると思います。かつて外資系の企業が日本に進出してきたとき、最初に採用したのは英語のできる女性でした。それで多くの外資系企業が成功しました。そのときの彼女たちは、いまそれぞれトップ級のポストに就いています。英語ができるということは、そうやって日本のビジネス社会に出て活躍できる可能性が広がることだと思います」 聖心女子大英語英文学専攻では本人にやる気さえあれば、英語の読む・聴く・話すはもちろん、英語を駆使して世界中のコンピューター情報を検索するような高度な学習機会までが与えられるようになっている。英語を学ぶことで世界を広げ、自分を大きくしてほしいとも語る。

先にも述べたが、クラッカワー先生はこの大学のOGである。学生だったころに経験したこんな話もしてくれた。

「私が学生だったころは、この学科に英語の言語学の講義がありませんでした。学生のみんなで言語学の卒論を書きたいという声をあげてムーブメントを起こしたんです。そうしましたら、私たちの在学中には間に合いませんでしが、数年後には言語学の講義が始められました。この大学と先生たちは、そうした学生の声を聞く耳をもっています。それがこの大学のいい伝統になっていると思いますね」

歴史ある伝統校でありながら、真面目な女子学生たちの声にも耳を傾け、進取のものに取り組む柔軟性のある姿勢。どうやらそれが聖心女子大学の秘密のひとつと言えそうだ。

こんな生徒に来てほしい

好奇心がやる気のある学生に来てほしいですね。自分から新しいものを探していくような意欲のある学生。優秀な学生はもちろん大歓迎ですけど、そんなにお利口さんでなくてもやる気さえあれば受け入れてくれるのがこの学校のいいところです。何しろ私が卒業できた学校ですから(笑)

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※掲載されている教授の所属・役職などは取材当時のものであり、現時点の情報とは異なっている場合があります。