早稲田塾
GOOD PROFESSOR

専修大学
商学部 マーケティング学科

生田目 崇 教授

なまため・たかし
1970年東京生まれ。’99年東京理科大学大学院工学研究科経営工学専攻博士後期課程修了。博士(工学)。’99年東京理科大学工学部第一部経営工学科助手。’02年専修大学商学部商業学科(現マーケティング学科)専任講師。’04年同助教授。’10年より現職。
移動者マーケティング研究コンペディション奨励賞(’00年)。日本オペレーションズ・リサーチ学会事例研究賞(’06年)。日本経営数学会奨励賞(’10年)。
主な著作に『マーケティング・データ解析―Excel/Accessによる―』(朝倉書店)『マーケット・セグメンテーション 購買履歴データを用いた販売機会の発見』(白桃書房)『BI革命』(NTT出版)などがある(著作はいずれも共著)。
生田目先生の情報やゼミナール活動に関するURLアドレスはコチラ→
http://www.isc.senshu-u.ac.jp/~thc0640/

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新地平を拓く経営工学・マーケティング融合

生田目研究室の入る8号館
専修大学「120周年記念館」

今週ご紹介するのは専修大学商学部マーケティング学科の生田目崇教授である。
まずは所属する専修大学マーケティング学科の特徴から聞いていこう。

「本学マーケティング学科の特徴は、まず実学教育に力を入れているところです。そのカリキュラムも4つのコース制度やセメスター制を導入して、キメ細かな教育指導がなされるようになっています」

専修大学は全学的に情報教育に力を入れていることでも知られる。

「学内には学生が使用できるPCが約2千台用意されております。各PCには通常のワープロや表計算ソフトのほか、分析用・画像用などの数多くのソフトも搭載されています。さらにPCとソフトは3年ごとに最新のバージョンに更新されています」

さらに教員の数の多いことも同学科の特徴としてあげる。

「商学系一学科の教員数としては全国有数の規模を誇ります。とくにマーケティング分野を研究領域としている先生の数は、全国屈指ではないでしょうか。マーケティングに関してはあらゆる切り口から研究されていて、まさに質量ともに充実した教員陣といえます」

ここで「マーケティング」について説明しておこう。商品やサービスの企画プランニングから市場調査・宣伝・営業・流通・販売・顧客情報管理まで、企業が顧客に対し行なう活動のすべてのことを指す。
最近では顧客同士の情報共有など、マーケティングの範囲はますます広がっている。
生田目先生のご専門は、ずばり「マーケティング」である。

生田目先生のマーケティング研究が、他と毛色を異にしているのは、工学的視点によってマーケティングを分析するところだ。
先生が工学博士であることに由来する。

社会システム一般への経営工学的手法の応用めざす

専修大図書館の生田分室
生田キャンパス9号館からの眺望

「学生時代は経営工学を専攻して『オペレーションズ・リサーチ』(OR=ある目的に合わせた最適な計画の立案や、それを実行するのにもっとも効率的な方法を科学的に決定する技法)の研究をしていました。ただこれは理論的な研究で、自分としては現実の社会問題をより研究したい想いが募っていました。それで大学院博士課程のとき、ある教授からマーケティングのデータ分析をいっしょにやらないかと誘われたのです」

これが生田目先生のなかで「経営工学」と「マーケティング」とが結びつくキッカケにもなった。

「経営工学は、リサーチのほかにもモデリングや統計・システム論など学問領域の幅が広く、実際のマーケティング分析との親和性も高いのです。これはいける! というわけで、経営工学的分析手法の研究にのめり込んでいきました」

生田目先生のマーケティング分析の特徴に、企業活動の現場から上がってくる生データについて、経営工学的手法を駆使して徹底的に実証分析するところがある。

「たとえば最近は店舗の売り上げだけでなく、特定顧客の消費履歴まで詳細なデータを取得できます。これらをうまく分析することで、将来の売り上げの予測やその店舗の優良顧客の抽出、顧客行動を先回りしたマーケティング活動までもが可能になります。マーケティングだけでなく企業経営などの総合分析にも利用できるのです」

こうした手法は多くの日本企業でも認めるところとなっている。
いまや生田目先生は、小売りや流通・金融・通信などの大手企業とともに共同で各企業のマーケティング分析を実施している。
さらに、この手法を応用して新たな地平を生田目先生は切り拓こうとしている。

「社会のさまざまな諸問題や一般的課題についても、経営工学的手法を用いて分析することで解決への道筋が付けられるのではないかと研究しています。いわゆる『社会システム工学』におけるアプリケーション研究とですね」

「商学部部長賞」授与される生田目ゼミの自由の秘密

キャンパス木々も紅葉真っ盛り

専修大学商学部の専門ゼミ演習は2年次後期から始まる。
商学部学生であれば学科やコースを跳び越えて、どのゼミでも取ることができる。

生田目先生のゼミでは毎年10人前後のゼミ生を受け入れている。
商学部ゼミには定員の目安があるが、入ゼミ希望者はできる限り受け入れるのが生田目先生の信念でもある。
過去最高では16人の年度もあったという。

「数ある中からわたしのゼミを選んで応募してくれた学生たちへの敬意ですかね」

そう言いながら生田目先生は笑顔を見せる。
それでは実際のゼミ内容はというと、ゼミ全体の研究テーマは『マーケティング分析』だ。

「まず2年次後期の入ゼミ生にはマーケティングの基礎文献を輪読してもらいます。ゼミ生それぞれで分担を決めて、分担した個所に類する事柄を調べてきて発表してもらいます。3年次ゼミ生はグループごとに研究活動をします。各種団体が主催している懸賞論文、神奈川県主催の産学チャレンジプログラムや各企業のインターンシップ事業などからいずれかに挑戦していきます」

どのプロジェクトに挑戦するかは3年次ゼミ生各グループの自由だ。
ただし、そのテーマについては、何があってもきちんと報告書を提出することを義務づけている。

そして4年次は卒業論文の作成だ。
卒論テーマについては各自の興味のあるものを原則自由に選べるという。

このように3~4年次における生田目ゼミの諸活動はかなり許容度が広い。
こうしたゼミ運営方針にあたっては、商学部はあくまで文系学部であり、高度な工学的データ解析手法を学生たちに無理強いしたくないという生田目先生なりの考えも反映している。

「それでも毎年度必ずひとつくらいは、割とディープなデータ分析に挑むグループが出てくるんですよ」

このような生田目ゼミは、’09年度の専修大学商学部部長賞を受けている。
あらためて学生たちへの指導方針について次のように語る。

「状況を見ながら自ら判断のできる人を育てたいですね。これは、事実なりデータなりの明確な判断材料を元にして、絵空事でない論理立った意見や提案が述べられるリテラシーということです。なにごとも自分の責任で最後まで走り切る。そうした自己完結できる人を育てたいとも思っています」

こんな生徒に来てほしい

今やどの大学も、その大学で学べるカリキュラム内容を受験生に向けて詳しく発信する時代になっています。
受験生の皆さんは、入試偏差値ばかりではなく、その中でひとつでもいいですから興味や関心のもてる内容がある大学を目指してほしいですね。
専修大学商学部は、先進的・積極的なカリキュラムを組んでいると自負しております。
ぜひ関心をもっていただければと思います。

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※掲載されている教授の所属・役職などは取材当時のものであり、現時点の情報とは異なっている場合があります。