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GOOD PROFESSOR

獨協大学
経済学部 経済学科

藤山 英樹 教授

ふじやま・ひでき
1971年大阪生まれ。’00年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程満期退学。’03年博士(経済)京都大学。’00年獨協大学経済学部専任講師。’04年同助教授。’07年同准教授。’11年より現職。
主な著作に『統計学からの計量経済学入門』『情報財の経済分析―大企業と小企業の競争、ネットワーク、協力』(前著ともに昭和堂)『ネットワーク・ダイナミクス―社会ネットワークと合理的選択』(分担執筆・勁草書房)などがある。
「藤山研究室」のURLアドレスはコチラ↓
http://www2.dokkyo.ac.jp/~csemi011/index-j.htm

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複雑化する現代社会のなぞに迫る理論経済学

藤山研究室が入る獨協大学「中央棟」
晩春の獨協大学草加キャンパス正門

「経済系の学部や学科というのは、どこの大学でも学ぶべき内容がほぼ決まっていて、大学ごとの特徴というのが出にくい学問分野なんですよ」

そう語るのは獨協大学経済学部経済学科の藤山英樹教授。インタビューの冒頭、獨協大学経済学科の特徴について質問した際の答えである。

「語学を中心にした国際的な教養人の育成が、獨協大学の大きな目的のひとつです。経済学科でも、たとえば英語については習熟度別のクラス編成をして、能力に応じた指導がなされています。また経済学では経済市場のメカニズムを学ぶことを原則としますが、あまりに市場任せばかりでは2008年のリーマンショック(Lehman Shock)のような大混乱が起こり得ますから、ちょっと経済原則からはみ出すプラスαの事項についても学ぶべきだとしてカリキュラムに組み入れらていれます」

その経済学部に新年度(13年度)から新学科が誕生する。これまで同学部は「経済学科」と「経営学科」の2学科体制だったが、ここに「国際環境経済学科」が新たに設けられる。

「これまでの経済学は、自然そのものとか環境についてはあまり研究対象としませんでした。しかし、今や人間生活の根源である地球環境そのものまで揺らぐ事態に至り、経済学にもそうした視点を積極的に取り組もうとしています。さらに、日本国内だけでなく広くグローバルな視点からとらえようということで、国際環境経済という学科名になったわけです」

情報化社会の仕組みをカッチリと数字で読み解く

中に学食もある「35周年記念館」
建設が着々と進む「学生センター」

藤山先生のご専門については、「ゲーム理論」と「ミクロ経済学」、それに「計量経済学」である。その研究の中心になっているのはゲーム理論。先生は学生のころから社会の仕組みや動きについて知りたいと思っていたという。

「学生時代は、若気の至りとでもいいましょうか、こうした疑問を解くために哲学を学ばなければと思ったこともありましたが、当時はフランス現代思想がブームのころで、あまりにも難解かつ観念的な内容にとてもついていけませんでした。そこに数理モデルによって社会の仕組みや流れを表す研究分野があることを知って、飛びついたわけです。まさに経済学におけるゲーム理論ですね。社会を動かすメカニズムが数学によって記述されていくそのカッチリした世界に惹かれたのです」

いまやゲーム理論は現代経済学の主要な理論のひとつ。とくに経済活動において、相手の行動が自分の意思決定に大きな影響を与えるようなケースにおいてよく活用される。

「自分と他人がいて、それぞれが自分の都合のいいような展開にもって行きたいのがゲーム的な状況といえます。そうした状況の中でどのような動きが起きるのか? 自然科学の世界でしたら法則にのっとって動くだけですが、相手が意図的な動きをすると想定しつつ、それを分析するのがゲーム理論になります」

その「非協力ゲーム理論」によって社会の仕組みや動きを読み解いていく。さらに「情報財」という新しいテーマも藤山先生ならではの研究課題となる。

「情報財というのは、インターネット上で取り引きされるコンテンツ財のことです。たとえば映画は製作するのに何十億円もかかりますが、ネット上でダウンロードするだけなら非常に安い金額ですみます。経済学上の分析対象としては新しく、とても面白い現象なんです」

若き日の「化学反応」を助ける「触媒」たれ

最寄りの東武「松原団地駅」

今年度(13年度)から獨協大学経済学科の専門ゼミ演習は2~3年次が専門ゼミ、4年次は卒業論文の作成ということとなり、いずれも必修となった。藤山先生のゼミでは例年定員いっぱいの20人を受け入れている。

人気ゼミだけに希望者も多く、先生と先輩ゼミ生による面接により選抜される。そんな藤山ゼミの基本テーマは「ゲーム理論」「プレゼンテーション」、それに「ディベート」だ。

「ゼミは2~3年次合同の、2コマ連続(180分間)でおこないます。まずはゲーム理論について輪読学習をしていきます。その日に輪読した部分について、ゼミ生が2人ずつ交代で司会担当しながらプレゼンテーションとディスカッションをします。2年次のゼミ生にとって難解なところは3年次のゼミ生が説明してくれます。そのあと司会者から質問を出して、ランダムに指名された人が答えていきます」

これが基本的なゼミの進行スタイルだそうで、「なかなかにうまく運営されていると思いますよ」と藤山先生は言う。もう一つの「ディベート」については――。この名物イベントは半期に2回ほどのペースで開かれるらしい。

「これは学生たちの自己成長に期待するアクティブラーニング(Active Learning)の一環として実施しています。ディベート内容の優劣については、各グループの準備の濃淡が反映されるようですね。昨年度から準備の様子をSNS(Social Networking Service)に記録するようにしたのですが、それによると全員まんべんなく発言しているチームほど本番でも強いという結果が得られました」

今年度からはこのSNS活用方式を他大学との「インゼミ」にも導入したいと策を練っているとも語る。最後に、ゼミ生たちへの指導方針について次のように話してくれた。

「ゼミにおける教員の役目は『触媒』だと思っています。ゼミ生たちが意味ある化学反応を起こしかけたときに、それを一歩踏み出させてあげるのが教員の役割というわけです。さらには遅刻しない、授業中に私語はしない、当たり前なことをまじめにコツコツやり続ける――そうしたことの大切さについても伝えるように心掛けているつもりです」

こんな生徒に来てほしい

資格などすぐに役立つものばかりに飛びつく最近の傾向には嫌悪感がありますね。目先の、自分の得になることばかり考えているようで何かさみしいじゃないですか。
もちろん理想だけでは生きていけませんが、各人と社会の長期的な利益を調和させることが経済学を学ぶことに他なりません。できればより良く生きるためにはとか、社会や哲学の話なんかも出来たら、したいなぁと思いませんか。
また、本学が埼玉に立地していることも長所となり得ます。世の中の雑多な情報をじかに取り入れるのではなく、一歩引いたところで客観的に判断する習慣を身につけるのは非常に大切なことです。

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※掲載されている教授の所属・役職などは取材当時のものであり、現時点の情報とは異なっている場合があります。