早稲田塾
GOOD PROFESSOR

青山学院大学
社会情報学部 青山学院大学大学院 社会情報学研究科社会情報学専攻

高木 光太郎 教授

たかぎ・こうたろう
1965年東京生まれ。'88年中央大学文学部哲学科心理学専攻卒。'94年東京大学大学院教育学研究科学校教育学専攻博士課程単位取得退学。'94年日本学術振興会特別研究員。'95年東京大学大学院教育学研究科助手。'96年東京学芸大学海外子女教育センター(現国際教育センター)専任講師。'00年同助教授。'07年同准教授。'08年より現職。
主な著作に『証言の心理学~記憶を信じる、記憶を疑う』(中公新書)『ヴィゴツキーの方法~崩れと振動の心理学』(金子書房)『ディスコミュニケーションの心理学~ズレを生きる私たち』(共編・東京大学出版会)などがある。
高木光太郎教授が主宰する研究室のFACEBOOKのURLアドレスはコチラ↓
https://www.facebook.com/pages/Takagi-LabSSIAGU/351049508274047

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コミュニケーション理解に役立つ「旧理論」

初秋の相模原キャンパス点描

もうひとつ高木教授の研究テーマは、旧ソビエト連邦時代において、マルクスの思想を土台に新たな心理学体系を構築した心理学者、レフ・セミョノヴィチ・ヴィゴツキー(L.S.Vygotsky)についての理論研究がある。

「ヴィゴツキーは、旧ソ連が誕生して間もない1920~30年代に活躍した心理学者で、『コミュニケーションが人間の心をつくる』という新しい心理学の考え方を提唱した人です。ふつうは、人に心があるからコミュニケーションができると考えがちですが、子どもの発達を見ていますと、きちんとした内面世界が形成される前に周囲とのコミュニケーションをとっています。つまり、子どもの内面世界はそうしたコミュニケーションを通してつくられていくという理論なのですね」

高木教授がヴィゴツキーの本格的な研究に取り組んだのは大学院時代から。以来、その心理学理論の研究を続けてきた。21世紀のいま、主流の科学的心理学などと違ってやや古めかしくなっているとも評価されがちな理論でもあるが、現代社会にマッチするように修正することにより、ますます複雑化していく現代社会のコミュニケーション場面の理解に生かすことが出来るという。

「人間の現象」の面白さからすべては始まる

初秋の相模原キャンパス点描

青山学院大学社会情報学部の専門ゼミ演習は3年次の4月から始まる。が、高木教授のゼミだけは、教授が大学院の講義を担当している関係もあって、3年次後期からの開講になる。

ゼミ生の定員は10人強だが、入ゼミ希望者は例年定員を超える。面接とリポートの提出によって選抜される形式が採られる。そのポイントは、研究対象になるような「興味深い人間の現象」を探し出せるかどうかにかかっているという。

「3年次後期から始まるゼミでは、まず研究の基本になるテキストの輪読から始まります。心理学的な考えが身についたところで、個人あるいはグループでの研究を行い、リポートにまとめてもらいます。最後の4年次は個別の卒業研究になります」

おのおの3年次・4年次の研究テーマについては自由。強いていえば、先にも述べた「興味深い人間の現象」を探し出して、それを研究対象にすることを推奨しているという。

なかにはアイドルのファン心理について考察した卒研もあったりするそうだ。といっても最高学府における卒研である。週刊誌の記事スクラップを集めたようなレベルで認められるはずもない。

「だからといって難しい理論や分析方法を駆使しなさいということではありません。それでも現象を表面的に安易に見るのではなく、本当のところはどうなのか? 背後の人間関係はどうなっているのか? そうした奥深いところまで踏み込んでとらえて欲しいわけです」

その条件さえ満たせば、研究テーマは学生自身が決める方式をとっているという。
あらためてゼミ生たちへの指導方針について語ってもらった。

「自分にとってその研究テーマがなぜ重要であり、どこに興味をひかれ面白いのか、その理由を常に明確にしておくことが大事になります。さらには実際に研究するときにも知的好奇心をもって面白いと思って進めること。そのためゼミの場で何か発言したり主張したりする際には、必ずその根拠を示すように求める指導も常にしています」

こんな生徒に来てほしい

人間のさまざまな行為や現象に興味を感じたり、不思議に思えたりする人なら、私の研究室にマッチすると思います。だれでもが当たり前にやっている行為も、よく観察するといろんな不思議が詰まっているはずです。そうしたことに興味や不思議を感じてくれる人ですね。社会情報学部におけるどの研究においても、行き着く先は結局は人になりますから、やはり人への興味というのが最終的に重要になります。

公開日:

※掲載されている教授の所属・役職などは取材当時のものであり、現時点の情報とは異なっている場合があります。