{literal} {/literal}
GOOD PROFESSOR

横浜市立大学
生命ナノシステム科学 研究科ナノシステム科学専攻

橘 勝 教授(専攻長)

たちばな・まさる
1963年岐阜県生まれ。'91年早稲田大学大学院理工学研究科博士後期課程材料科学専攻中退。'91年横浜市立大学文理学部理科(物理課程)助手。'01年同大学院総合理学研究科(理学部兼務)助教授。'06年同大学院国際総合科学研究科(国際総合科学部兼務)教授。'09年より現職。この間'98年米ケンタッキー大学物理学科博士研究員。'99年米ペンシルベニア州立大学物理学科博士研究員。現在、ナノシステム科学専攻長。
主な著作に『ナノカーボンハンドブック』(エヌ・ティー・エス)『Fullerene nanowhiskers』『Physical and Chemical Properties of Carbon Nanotubes』などがある(著作はいずれも共著)。
「橘研究室」のURLアドレスはコチラ↓
http://nanomate.sci.yokohama-cu.ac.jp/

  • mixiチェック

理系境界領域にまたがるナノ物性物理研究

橘研究室が入る横浜市大「理科館」
大学正門から続くイチョウ並木

横浜市立大学総合科学部は来春、それまでの3学系7コースから4学系12コースへと大幅に改組される。このうち「理学系」も「基盤科学」と「環境生命」の2コースから、「物質科学」「生命環境」「生命医科学」の3コースに増やされ、自然現象を物質と生命の観点から多角的にとらえる学系をめざすこととなる。

今回紹介する橘勝教授は、理学系「物質科学コース」において教壇に立つ(所属は大学院生命ナノシステム科学研究科)。まずは、横浜市立大学国際総合科学部理学系の特長から話していただこう。

「理学系のコース別履修が始まるのは2年次からで、1年次には物理・化学・生物全般について学びます。とくに高校時代に生物や物理を学んでこなかった学生のために『リメディアル講座』を設け、各科目の高校レベルの内容から徹底的に学び直せるようにもなっています」

なお、理学系の履修プログラムは文部科学省の「理数学生育成支援事業」にも採択されている。能力のある学生は1年次からでも研究室の研究に参加できるのだという。

さらにこれとは別に、大学院修士課程までを入学から5年で終える制度も用意されており、いずれも公立大学では初の試みになる。さらに、所属する横浜市立大学国際総合科学部「物質科学コース」の特長については次のように語る。

「このコースで学べるのは、物理と化学が融合した領域です。これからの理学は境界領域についての研究が重要です。物理や化学・生物にまたがる分野の研究にあたっては、物事を広い視野でとらえることが大切になりますね」

さらに物質科学コースでは、実験実習の講義が多いことも特色となる。学部生の実験実習でも最先端の装置が使用できるそうで、それらも大いなる特長といえよう。

一生モノの科学的考え方・見方を身につけよう

横浜市大金沢八景キャンパス点描
最寄り駅は京浜急行・金沢八景駅

横浜市立大学国際総合科学部理学系の、学部生の研究室配属は3年次後期からである。各研究室とも定員は3人で、配属先は学生たちの話し合いで決められる。話し合いで決着がつかない場合には成績順になる。これら選抜配属に関して教員は一切ノータッチなのだそうだ。

「研究室に配属されますと、まずゼミ形式の輪講で固体物理の基礎について書かれた英文テキストを読み込んでもらいます。それと同時に研究室でおこなわれている実験を大学院生の指導でひと通り経験してもらいます。そうした中でそれぞれの卒業研究のテーマが絞られていくことになります」

橘研究室では、カーボン系にしても有機タンパク質系にしても、その素材の物質開発から自ら手づくりしていくのが原則である。この段階で素材の魅力にひかれて各自の研究テーマが変更されることも珍しくないらしい。

そして4年次進級になったところで、本格的な卒研の実験がスタートしていく。日ごろから学生指導において心がけていることについては次のように語る。

「ものの考え方や見方が科学的かつ論理的にできるようになって欲しいですね。実験をするにしても、その論理の組み立てがきちんと整っていないといけません。その実験結果についても、その対象を解析してどう解釈するのかの論理的な視点が重要になります。この論理性は、他の人に説明したり論文を作成したりする時にも決め手になるはずです」

そして、このことは社会人になってからも最も必要かつ重要な考え方だとも強調する。最後に、現役高校生に向けてこのように話してくれた。

「いま社会は決して良い状況だとはいえません。こんなときだからこそ若者たちの力が必要になります。若さの特権は、失敗しても許されることです。私たちくらいの年齢になると、もはや失敗は許されません。失敗など怖れずに、失敗するのが当たり前のような強い気持ちで人生さまざまなことにトライしていって欲しいですね」

こんな生徒に来てほしい

夢をもっている人を歓迎します。自らの夢に向かって邁進する元気な学生に来てほしいですね。ただ最近は研究に失敗したり教員から注意を受けたりすると、めげてしまう人が多すぎるのが気になります。それをバネに「なにくそっ」と何回でもトライしてほしい。まぁそれだけ『素直な子』『良い子』ばかりになってきたとも言えるのでしょうが。

公開日:

※掲載されている教授の所属・役職などは取材当時のものであり、現時点の情報とは異なっている場合があります。