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GOOD PROFESSOR

東京電機大学
未来科学部 情報メディア学科

増田 英孝 教授

ますだ・ひでたか '
1965年静岡県生まれ。'90年東京電機大学大学院工学研究科電気工学専攻修士課程修了。'90年三菱電機情報電子研究所入所。'95年東京電機大学大学院工学研究科電気工学専攻博士後期課程修了。'96年米Parc Place-Digitalk,Inc.客員上級ソフトウエア技術員。'98年東京電機大学工学部電気工学科講師。'02年同大学学部改組により工学部情報メディア学科講師。'04年同助教授。'07年同准教授。'10年より現職。著作に『オブジェクト指向のためのJava入門』『サクサクSmalltalkオブジェクト指向のアートとサイエンス』(訳書・前著ともに東京電機大学出版局)『Java言語によるオブジェクト指向プログラミング』(共著・共立出版)がある。
増田先生が主宰する「Web工学研究室」のURLアドレスはコチラ↓
http://www.im.dendai.ac.jp/labs/cdl.html

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人々に役立つためのWeb工学研究

増田研究室の入る千住キャンパス1号館
真新しい東京電機大千住キャンパス点描

今回紹介するのは東京電機大学未来科学部情報メディア学科の増田英孝教授である。まずは在籍する情報メディア学科の特長から話してもらおう。

「情報メディア学科という名称は文系学科に多いのですが、我々はバリバリの理系学科です。たとえばコンピューターでCGやアニメをつくるにしても、自分でプログラムを書くことから学んでつくりあげます。ですから、ここでは数学とプログラミング技術が重要になり、両科目とも充実した内容で指導されています」

コンピュータープログラムの原理から学べるという同学科では、学生が自由に科目選択できることも特長とされる。

「履修科目は専門分野別に6ユニットにグループ化してあり、将来の目的に合わせて2つ以上のユニットを選択履修することになります。この自ら選択して学ぶ方式は、他大学には見られないもので、学生たちには好評ですね」

同学科には、CGや映像・音楽などメディア系を学びたいと希望して進学してくる者も多いが、4年間の学びを終えた卒業時にはシステムエンジニア(SE)など、システム開発の仕事に携わる人が比較的多いことも教えてくれた。

そんな増田先生が主宰している研究室は「Web工学研究室」。ずばり、ITなど工学技術をさまざまに駆使してWebを人々の役に立てることを研究コンセプトにしている。

Webにおいて合意形成したり図書館検索したり

真新しい東京電機大千住キャンパス点描
真新しい東京電機大千住キャンパス点描

そこで、Web工学研究室において現在進行中の主な研究テーマを2つほど紹介していこう。

「まず『社会的合意形成支援システム(Social-MRC)』の研究です。これは本学情報メディア学科の3研究室による共同研究で、いろいろな利害関係が対立する人々のあいだで、ITやWebを利用して合意形成していくシステムをめざしています。もちろん当事者が直接話し合うのが一番いいのですが、当事者が数百人・数千人規模になった場合には、全員参加の話し合いで合意を形成することはほとんど不可能になります」

そこで登場するのが「Social-MRCシステム」だ。

「まず、各利害者を代表する数人のオピニオンリーダーだけで合意形成のための討論をおこない、ほかの当事者たちはその様子を映像で見ながら、自らの意見を書き込んでいきます。そこで書き込まれた多数の意見を、リアルタイムで集計分析して表示することにより、オンタイムで実際の討論に反映させていくわけです」

すでに当事者数十人規模までの実験は成功しており、来年度は数百人規模で一大実験を実施する予定だという。
もうひとつの研究テーマは「図書館とWebの統合的利用」についての研究で、こちらは東京大学の研究室との共同研究になる。

「これまで図書館を利用した情報サービスは信頼性が高いとされ、長いサイクルで蓄積されるという利点も評価されてきました。しかし知りたい情報にたどり着くためには、高度なテクニックと手間が必要でもあります。一方でWebにおいて構築された情報は即時性が高く、膨大なトピックを扱うことが出来ます。ただし情報の信頼性や質の深さには難点があるとされます。こうした両者の利点の相互補完を図った情報検索システムを構築しようとしています」

この理想的なシステム構築のために増田先生らが着目したのが、いま話題のソーシャルメディアのひとつ「Wikipedia」であった。

「現代の高校生ならご存知のとおりのオープンコンテンツ型百科事典です。日本語版だけでも約80万記事が収蔵され、さらに270以上の言語による百科事典コンテンツが世界中にあります。このWikipediaを図書館とWebの中間的なものの具体例と位置付け、これを足がかりに広く深い情報検索のシステムづくりを目指しています」

実はこの検索システムはすでに供用されており、なんと国立国会図書館の検索システムにも採用されているのだ。その利便性と信頼性の高さがうかがえる話である。増田先生たち研究グループでは今後、さらに高度な検索ガイドができるシステム構築をめざしていくという。

大学生活の醍醐味として卒業研究を楽しみたい

キャンパス最寄りのJR北千住駅

東京電機大学情報メディア学科の学部生が教員主宰の研究室に配属されるのは、4年次の4月新学期からが原則となる。しかし3年次の11月ごろから説明会が始まって、募集・選考がなされるため、実際には3年次12月の初旬ごろにはそれぞれの配属先が決まる。そして翌1月末の定期試験を終えたところで研究室配属になるわけだ。

「わたしの研究室では毎週1回ミーティングを開いており、まずそれに初参加して自分がどんな研究をやりたいのかを話してもらいます。それを何度も繰り返すなかで各自の研究テーマが絞られていき、3月末までに決定されるという流れです」

ただし卒業研究テーマについては、増田研究室で進行している各研究プロジェクトに関するものから選ぶのが基本とはなるのだが――

「わたしは学生の自主性を重視したいと思っていますので、まったく新しいテーマで研究したいという希望があれば、従来の研究プロジェクトにこだわらなくとも原則OKとしています」

あらためて研究生・学生たちへの指導方針については次のように語ってくれた。

「基本的には放任主義が指導方針になります。自分自身で考えて決めなさいということですね。できるだけ自らで悩み考えて、自分で解決していく。必ずしも研究成果にはつながりにくいリスクも出てきます。しかし結果よりもプロセス、どういう考え方で研究に向かい、どういう方法で研究を遂行していったかを、学生レベルでは重点的に評価するようにしています」

こんな生徒に来てほしい

自分はこういうことが将来やってみたいという夢をもてる人ですね。大学3年までは受け身の授業が主体になりますが、卒研が始まる4年生からは自分のやりたいことを自由にどんどん進めていけるようになります。このタイミングこそ、大学に入った醍醐味なので、これを自分から楽しめる人でありたいですね。

公開日:

※掲載されている教授の所属・役職などは取材当時のものであり、現時点の情報とは異なっている場合があります。