早稲田塾
GOOD PROFESSOR

麗澤大学
外国語学部

梶田幸雄 教授

かじた・ゆきお
1954年東京生まれ。中央大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。青森中央学院大学経営法学部助教授を経て、現職。北京航空航天大学法学院教授(兼任)。青森中央学院大学地域マネジメント研究所客員研究員。企業の海外進出支援のためのコンサルティングにもかかわる。
主な著作に『中国国際商事仲裁の実務』(中央経済社)『中国ビジネスのリーガルリスク』(日本評論社)『中国のM&A―その理論と実務』(共著・日本評論社)『中国企業の日本企業M&A』(共著・蒼蒼社)などがある。
「梶田幸雄研究室」のURLアドレスはコチラ↓
http://home.catv.ne.jp/dd/kajita/Lab/Welcome.html

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中国ビジネスリスクに対する国際企業法研究

梶田研究室が入る研究室A棟
グッドデザイン賞の新校舎「あすなろ」

今回登場の一生モノのプロフェッサーは、麗澤大学外国語学部中国語専攻の梶田幸雄教授である。まずは梶田教授に、所属する学部と専攻の特長から聞いていこう。

「本学の外国語学部は(1)英語コミュニケーション(2)英語・英米文化(3)日本語・国際コミュニケーション(4)国際交流・国際協力(5)ドイツ語・ドイツ文化(6)中国語――という6つの専攻からなり、いずれも『英語+ドイツ語』『中国語+英語』など専攻を越えた外国語の履修が可能です。さらに本学には外国語学部と経済学部の2学部がありますが、こちらも双方の学部を横断して履修できる科目が用意されています」

さらに中国語専攻については次のように語る。

「中国語専攻が開設されて50年以上です。その伝統ある指導には定評があり、とくに中国でビジネスを展開している企業から好評を得ています。学部授業も1クラス20人の少人数制で、教員と学生は当然のこと、学校職員と学生との距離が近いのも特長となります」

かつて麗澤大学は全寮制を採っていたそうで、現在の入寮学生にもその伝統が受け継がれているという。

「学生寮には日本人学生と海外からの留学生が共同で生活をし、学生自治の原則がいまも貫かれています。また、先輩の2年次学生が、後輩新入学生の学習指導をするという伝統があり、不安な気持ちで入学してくる新入生には心強い伝統だと思いますね」

現在、新学生寮「Global Dormitory」が建設中で、今春4月のオープンが予定されている。さらに梶田教授の話は大学キャンパスのことに及んでいく。

「南柏(千葉県柏市)にある麗澤大学のキャンパスは、約46万平方メートル(東京ドーム10個分)の広大な敷地面積を有した緑豊かなキャンパスです。11年に完成した新校舎『あすなろ』は森との共生をコンセプトにしていて、12年度『グッドデザイン賞』を受賞しています」

緑豊かな広々とした敷地内に、校舎建物が余裕をもって配置されたキャンパス環境は、都心の大学にはない素晴らしさがある。一見の価値ありだ。

「チャイナリスク」に対し日本企業はいかにあるべき

「新学生寮」の鳥瞰完成予想図
「新学生寮」のリビング予想図

中国語専攻の所属である梶田教授が学部授業で中国語を指導しているのは当然のことだ。ただし教授の専門は別にあり、「国際企業法」と「中国法」である。それぞれ研究内容についても伺った。

「まず国際企業法ですが、そういう法律が現に存在するわけではありません。経済のグローバル化にともなって国際ビジネスを各国に展開していくと、相手の国や企業との間でさまざまな法律問題が生じ、トラブルが発生することがあります。このような問題を検討し、紛争解決法のあり方を研究するのが国際企業法の役割です」

梶田教授は、とくに中国に進出した外国企業における現地でのトラブルについて研究している。

「日中政府間のコンフリクト・対立がビジネスに影響するなかで、中国企業との紛争解決法のあり方を検討するということは、実務上の意義、そして緊急性もあると思います。中国における立法・司法制度改正に関する提言もし、また、実務家に対しても中国企業と国際取引をおこなう際の紛争解決法のあり方について提言をしたいと考えています」

そんな「チャイナビジネスリスク」を抱える中国において、いかに企業活動をしていったら良いのかを研究するのが「中国法」ということになる。

「中国国内の法律に精通するのはもちろんですが、結局はいかに中国側と上手にコミュニケーションをとれるのかに尽きます。いま中国とはトラブルが頻発していますが、その大半はコミュニケーションのいき違いによるものです。ですから事前によく話し合って、たとえば合弁会社を設立する場合には、労働契約や労働協約・就業規則をしっかりと取り決め、きちんとした機関設計をしておくことが大切ですね」

とかく日本的経営管理は優れているのだからと、日本における成功体験をそのまま持ち込みがちなのだが、これなどはもってのほか! 双方でよくコミュニケーションを図って、両者の良いところを折衷していくのが最良だと梶田教授は説く。教授は中国における国際企業法研究の、わが国の第一人者と目されている。

学生時代には一生モノの『応変の才』こそを養おう

麗澤大柏キャンパスの中央広場
キャンパス南北エリア間の歩道橋

麗澤大学外国語学部の専門ゼミ演習は3~4年次学部生が対象である。梶田ゼミでは各学年5人前後のゼミ生を毎年受け入れている。

「これまでゼミでは国際企業法関係をテーマに文献講読を中心に進めてきましたが、今年度はちょっと趣を変えてみました。12年3月に『Reitaku Student Plaza〝はなみずき〟』(ラウンジやカフェレストラン・書店・コンビニなどが入った施設)がオープンしたのを機に、キャンパスの地元である光ヶ丘商店街の活性化を図るための方策を、ゼミ生たちに求めてみたのです」

すると、いつもは控え目気味だった学生たちが、キャンパス内や街中に飛び出していき、麗澤大学生や商店主・買い物客たちに意見などを聞いて回わった。ゼミ生たちの積極性には梶田教授もあらためて驚いたほどだった。

なお、これらの研究成果は日本経済新聞社主催の「社会人基礎力グランプリ」へエントリーし、奨励賞受賞を果たしたという。
あらためて学生たちへの指導方針については次のように話す。

「いろんな法律知識を詰め込むより、なにか問題にぶつかったときに落ち着いて適切に対処できるような人材を育てたいと思っています。『Reitaku Student Plaza〝はなみずき〟』や地元商店街をテーマに実地研究してもらったのも、コミュニケーション力を養うことが最大の目的なのです。いわゆる一生モノの『応変の才』を養って欲しいわけですね」

ちなみに、新年度のゼミは旧に復して、「比較企業法文化-多国籍企業の海外事業戦略」をテーマに開講する予定ともしている。

「各国の企業法文化の違い、それが多国籍企業の海外事業展開における実際動向にどのように影響し反映しているのか? こうしたことについて考え、その適切な事業展開のあり方を検討していきます。また企業法文化に関しては、各国のコーポレート・ガバナンスの実態を比較検討することによって、各国の異同を明らかにしていくつもりです」

こんな生徒に来てほしい

「Fly Against The Wind(逆風に立ち向かおう)」「自分の将来を予想して行動しよう」「忍耐強く自分たちの可能性を開いていこう」――。これらはわたしのゼミにおけるキャッチコピーの一部です。この意気で人生の成功を目指してほしいと思います。

公開日:

※掲載されている教授の所属・役職などは取材当時のものであり、現時点の情報とは異なっている場合があります。