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GOOD PROFESSOR

麗澤大学
経済学部

下田 健人 教授(学部長)

しもだ・たてひと
1958年東京生まれ。88年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。88年(財)高齢者雇用開発協会調査研究部研究員。90年日本大学生産工学部講師。92年麗澤大学国際経済学部(現・経済学部)講師。同助教授を経て、04年より現職。13年同経済学部長。この間に96年東京都立労働研究所研究員。00年米スタンフォード大学フーバー研究所訪問研究員。

主な著作に『働く元気とエグゼンプト』『基礎から学ぶ経済学』(前著ともに麗澤大学出版会)『資格の経済学』(共著・中公新書)などがある。

麗澤大下田ゼミのURLアドレスはコチラ↓
http://www.ie.reitaku-u.ac.jp/~tsimoda/

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経済学部長室が入る麗澤大「かえで校舎」
麗澤大柏キャンパス「総合本館」建物

エグゼンプトな労働者の可能性

――今週登場願うのは麗澤大学経済学部の下田健人教授だ。下田教授は経済学部長でもある。まずは麗澤大学経済学部のことからお聞きしていこう。

本学の教育理念に掲げているのが「知徳一体」でして、経済学部もこの理念のもと指導がなされています。つまり、お互いを敬いあう「互敬」の精神が基本的な考え方となっています。

経済学部は経済学科と経営学科からなり、両学科の垣根を低くして双方の科目履修が容易にできます。このうち経営学科では参加型授業としてビジネスゲームを早くから取り入れ、学生の満足度も高く効果をあげています。このプログラムは本学教員が開発したもので、経営学科では必修、経済学部の学生も90%が履修しているほどです。

――麗澤大学らしい特徴として英語指導に力を入れていることもあげられる。

04年には「経済・経営英語コミュニケーション・コース」を、一昨年には「国際ビジネスコース」を開設しまして、真の国際人養成を目的に1年次に英語だけによる講義を週8~10コマほど配置しています。経済学部でこれだけの英語教育をしているのは、このコースをおいて他にあまりないと自負しています。また留学につきましても海外の約20大学と提携し、希望者は全員が留学できます。

さらにもう一点つけ加えますと、本学は高校や大学における道徳教育の発信基地だということも特筆すべきでしょう。これから教職課程で道徳を教えられる社会・公民の先生の育成を求められるようになり、これも一つの特長にしたいと考えています。

麗澤大キャンパス学生食堂「ひいらぎ」
創立者・廣池千九郎の「記念講堂・記念館」

未来の労働雇用施策に向けたタネづくり

――つぎに下田教授の専門についてお聞きしていこう。ご専門分野は「労働経済」「人的資源管理」だ。

03年より、アジア太平洋経済協力(Asia-Pacific Economic Cooperation、略称APEC)の作業グループにある「職業能力開発国際フォーラム」の議長をしてきました。これは、ニート・フリーター問題など若者の雇用や能力開発あるいは障碍者の就職などのテーマを設けて、加盟するエコノミー(国)の代表委員が毎年1回集まって討議をするものです。このほか厚生労働省のプロジェクトに参加し、日本における雇用・労働政策の「タネづくり」に協力しています。

――自身の研究内容として具体的にはどのような研究テーマを扱っているのだろうか。

研究テーマとしては「エグゼンプト」(exempt)の問題について考察しています。ここでエグゼンプトとは、IT専門技術者などに代表されるような高度な技術や職業能力を有し、自己の裁量で働く労働者です。彼らは労働時間から実質解放された人々であり、また、自らの雇用条件を企業と個人的に交渉して決めます。

エグゼンプトは欧米に多い労働形態ですが、日本でイメージするとすれば「契約社員」あるいは「一人事業主」でしょう。自身の有能なスキルを武器にいろいろな企業を開拓しつつ渡り歩く労働者です。わたしが研究テーマとするのは、日本的雇用慣行のなかでエグゼンプトのように強く生きて働くための環境分析です。

麗澤大学柏キャンパス点描
麗澤大学柏キャンパス点描

就職率100%を達成しつづける秘訣

――つづいて専門ゼミ演習について伺ってみよう。

麗澤大学経済学部の専門ゼミは3~4年次の学生が対象で、経済学部の学生であれば、経済学科のゼミでも経営学科のゼミでも自由に取れます。ですから、わたしのゼミにも両学科の学生が混在しています。

経済学部のゼミの定員は20人です。下田ゼミは例年20人弱の学生が来てくれます。人気がある理由は、わたしがあまり厳しくないという評価があるから(笑い)。あるいはゼミ選考の際に希望者の成績を見ないからかもしれません。

――下田教授のゼミの具体的な内容については……

ゼミが始まる3年次の4月から、ゼミ生は卒業論文作成に向けて準備してもらいます。卒論のテーマについては、「労働経済」「企業の人的資源管理」に関連するもの、あるいは多少とも即したものであれば各自自由にテーマを設定できます。

ゼミの選考は2年次の11月で、3年次4月の1回目ゼミのときまでに「自分はどんなテーマで卒論を書きたいのか発表できるようにしておきなさい」と学生側に伝えてあります。それ以後のゼミでは、毎回4~5人が自らの卒論研究についてプレゼンテーションします。

全員でディスカッションすることが4年次の卒論提出まで続きます。また他人のプレゼンに対して必ず質問することが最低限の礼儀であることを徹底しています。ですから全員の卒論がディスカッションでよく練られていくことになるわけです。

――下田教授は「ゼミは家族である」という持論をお持ちだという。

わたしのゼミの特徴は(1)大学祭への参加(2)夏と冬の合宿(3)就職のための勉強会など、OBを含めゼミ生が接する機会が多いことです。そうしたときに他人行儀ではうまくいきません。先輩はもちろん同輩・後輩に対しても一生モノの家族のように敬う心をもって接するようにして欲しいということですね。

――あらためてゼミ生たちへの指導方針については次のように語ってくれた。

現実的なこととして就職を希望する学生は100%就職させてあげたいと考えています。大卒者の就職率が悪い冬の時代にあって、わたしのゼミでは例年100%を達成してきました。麗澤大学全体でも90%を超えていて、『就職率が上昇した大学ランキング』(14年 朝日新書)でも全国の大学中の30番台にランキングされています。

こうした良好な就職率を続けるためには、社会人として恥ずかしくない人材に育てて社会に送り出していくことが求められます。そのためにも就職活動が始まるまでに卒論の6割程度は仕上げておくよう指導しています。卒論が大方仕上がっていれば、就職面接のときの定番の質問である「大学で何を研究したのか」にしっかり答えられるはずですからね。

こんな学生に来てほしい

小さな大学ですので、教員と学生との距離が近いというのが本学の特色です。家族的な雰囲気が好きな学生には良い大学です。入り口から出口までの面倒見はピカイチの大学だと思います。大学のコア・メッセージは「つながる力、つなげる力」です。たとえば自分と地域社会、日本と世界をつなげる力になりたいと希望をもつ若者に来てもらいたいですね。

公開日:

※掲載されている教授の所属・役職などは取材当時のものであり、現時点の情報とは異なっている場合があります。