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GOOD PROFESSOR

芝浦工業大学
工学部 電気工学科

藤田 吾郎 教授

ふじた・ごろう
1970年東京生まれ。97年法政大学大学院工学研究科電気工学専攻博士課程修了。97年東京都立大学(現・首都大学東京)工学研究科研究生。98年芝浦工業大学工学部電気工学科講師。01年同大学院講師兼任。06年同電気工学科助教授。07年同准教授。13年より現職。博士(工学 法政大学)。

著作に『基礎からわかる電力システム講義ノート』(分担執筆)『マンガでわかる発電・送配電』(編著・前著ともにオーム社)がある。

藤田教授が主宰する「電力システム研究室」のURLアドレスはコチラ↓
http://www.sic.shibaura-it.ac.jp/~ae11074/

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藤田研究室が入る豊洲キャンパス「研究棟」
芝浦工大豊洲キャンパス全景

「地球にやさしい」発電システムの壁を越える

――今週紹介するのは、芝浦工業大学工学部電気工学科の藤田吾郎教授。まずは電気工学科の特色からお話しいただこう。

本学電気工学科は、(1)電力エネルギー(2)ロボティクス(3)電気材料――の3本柱からなっています。そのカリキュラムの特色として、講義だけでなく実習・実験授業にも力を入れているところが挙げられます。実験室に備えられた装置などは学部の学生でも使用できるようになっており、知識だけではなく手を動かして物に触れて覚えるエンジニア育成教育を施しております。

――芝浦工業大学のカリキュラムは「日本技術者教育機構」(Japan Accreditation Board for Engineering Education、略JABEE)の認定を受けていることでも知られる。

本学教育プログラムのうち4学科はJABEEの認定を受けていて、国際的に通用するエンジニアの養成機関であることが認められています。学生は本学を卒業することで、自動的にJABEEから国際的に認定されます。卒業後の就職先については、製造業が4割ほどで、そのほかは鉄道・電力会社・インフラ関係・設備関係などが多くなっています。

今後の本学電気工学科への個人的希望としては、もう少し女子学生の割合を増やしたいですね。いま多くの日本企業が女性エンジニアを求めていて、いわば「リケジョ」は引く手あまた状態でもあります。工学とくに電気関係に興味のある理系志望の現役女子高生のみなさんは、ぜひ本学電気工学科への入学を検討していただきたいですね。

新緑の植栽が見事な豊洲キャンパス
なんと屋上までも緑化されている

太陽光発電や小水力発電を本気で普及させる

――そう語る藤田教授のご専門は「電力システムの制御・運用・解析」「再生エネルギーの創出」ということになる。

現在わたしが一番力を入れているものに、太陽光発電(Solar Photovoltaics)や、用水路・小河川などを利用した小規模水力発電(Low head hydro power)における電力システム「マイクログリッド」(micro grid)の研究があります。

「3.11」以後、環境負荷が少ない脱原発型の発電方法として有望視される太陽光発電などを組み合わせた発電システム地域インフラについては、広大な敷地を利用して大規模に発電がなされるようになりましたが、実はそれらは技術上および法律上の限界点に達しようとしています。

そこでそうした壁をできるだけクリアにして太陽光発電等を大量導入していくための「新たな発電基地の開発」「法律を含めた新しいルールづくり」――そんな問題も並行して研究しています。

――専門外であろう法律についての研究などにまで藤田教授らが関与されているとは驚きだ。さて本来の研究分野である電力システムの技術開発についてはどの程度まで進んでいるのだろうか。

コンピューターによる数値シミュレーションベースでは、ある程度の検証が進んでいる状態にあります。このあと実験室にミニチュアの発電装置を組んで、技術的な問題や課題がないかを細かくチェックしていくことになります。その実用化までは数年程度を想定してやっているわけです。

――このほか自動車用蓄電池の開発も手がけられているという。

正確には「自動車用蓄電池の運用手法に関する研究」というものになります。ここでいう電池とはトラックなどで使用されている鉛蓄電池とかニッケル水素電池などのことです。こうした充電式蓄電池の寿命を長くしたり(低コスト化)、電池そのものの量を減らしたり(廃棄物の減量化)するには、どうしたら良いのかという研究になります。

この国の大量輸送・流通を担うトラック等のエンジンはディーゼルが主流ですので、輸送走行以外にも冷蔵や冷凍のために電池が必須。しかもその電池の使用量は増加傾向にあります。それなのに今まであまり研究のされていない分野でもありました。

――過去ほとんど研究されてこなかった研究に先鞭をつけた藤田教授はまさに自動車用蓄電池研究のパイオニアと言えるのであろう。

どうでしょう? 自分ではよくわかりませんが(笑い)。具体的な研究については、蓄電池単体だけではなく、その電池と発電機などを組み合わせて実運転に近い実験をトラックメーカーと共同でやっているところです。

これらの研究で工夫を求められる点としては、数値シミュレーションと実験それにメーカーエンジニアとの3つの関係をうまく組み合わせところにあります。こちらは2~3年後の実用化をめざしています。

研究室の学生たちと藤田教授
芝浦工大豊洲キャンパス点描

「知的体育会系のエンジニア」の育成めざす

――つぎに学部生の研究室配属についてお伺いしていこう。

学部生が研究室に配属になるのは、3年次の1月からです。わたしの研究室で受け入れているのは毎年10人ほどになります。こちらに来てくれる学生たちの傾向は、電力会社をはじめ設備会社・鉄道・自動車メーカー・電機メーカーなどに将来就職しようとしている人が多いことです。そういう学生に人気があるようですね。

――3年次の1月に配属になった学生はどのような段取りで卒業研究に向かうのだろうか。

まず1月に配属になったところで、それぞれ卒研のテーマ決めをしてもらいます。研究テーマについては、わたしの方からいくつか提示し、その中から選ぶという方法です。そして2月から3月にかけて4年次の先輩学生に付いて学びながら研究内容の引き継ぎをしていきます。

それぞれ4年次に進級した4月からは本格的に卒業研究へと入ることになります。ここでは最初のうちはグループを組んで研究してもらい、10月くらいから各テーマによる個人研究になるようにしています。

当初から各自分かれてスタートしますと、途中でくじけてしまう学生が出てくる心配があるからです。研究室においては毎週1回ほどグループごとのミーティングと、研究室全員が参加する全体ミーティングを開いて、そこで各研究の進捗状況を互いに報告し合うことになります。

――あらためて学生たちへの指導方針については次のように語る。

「現場に強いエンジニア」にこだわって育てていきたいと指導しています。「現場に強い」というのは、理論だけではなく、自ら配線してモノをつくれる実践力のある人を育てたいということです。いわば「知的体育会系のエンジニア」というわけです(笑い)。実はこれは企業現場サイドからの要請に応える意味もあります。

また学生たちにはさらには「電気工事士」「電気主任技術者」の両国家資格の取得を推奨しており、そのための勉強会をわたしの主宰で開いています。これについては研究室所属の学生に限らず、電気工学科の学生であれば誰でも参加できるものです。

こんな学生に来てほしい

元気で明るくグローバルな視点を兼ね備えたエンジニア志望の人に来ていただきたい。わたしの研究室には海外からの留学生が7人おりますが、そのうち英語しか話せない学生も4人ほどおります。そうした異文化の学生たちとも積極的に関わっていけるような若者をぜひ求めたいですね。

公開日:

※掲載されている教授の所属・役職などは取材当時のものであり、現時点の情報とは異なっている場合があります。