早稲田塾
GOOD PROFESSOR

桜美林大学
文学部 言語コミュニケーション学科

荒木 晶子 教授

荒木 晶子(あらき・しょうこ)教授(学科長)
大学卒業後渡米。
サンフランシスコ州立大学大学院修士号を取得後、スタンフォード大学教育学部客員研究員。
帰国後はNHKの国際放送・ラジオジャパンの番組アナウンス・通訳・翻訳などを担当するかたわら、異文化コミュニケーション・コンサルタントとして企業研修を担当。
1995年にはコミュニケーション分野の功労者に贈られる「Outstanding Interculturalist Award for Achievement」を受賞。
90年桜美林大学勤務。2000年4月より桜美林大学文学部言語コミュニケーション学科学科長に就任。

  • mixiチェック

人間関係にまつわる悩みは尽きない

情報科学ゼミを開く 大道 卓先生

学校を卒業して社会に出る。そこで最も頭を悩ませるものは何だろう?金銭・出世、それとも健康?いや、日本人が最も悩んでいるのは、人間関係であろう。会社はもちろんのこと、ご近所づき合いから子どもが通う学校のPTAまで、悩みの種は尽きない。実際、コミュニケーション・コンサルタントの第一人者である荒木晶子先生のもとには、人間関係に悩む企業人の声が数多く寄せられている。

「企業はもちろん、市役所や都道府県庁などからもコミュニケーションの研修を依頼されます。人間関係がうまくいっていない部署は驚くほど多いのです。自殺を考えるほど追いつめられているのは子どもだけじゃありません。人間関係がうまくいかなければストレスが溜まるし、仕事の成果も上がりません。そして人間関係を円滑にするのは、やはりコミュニケーション能力なのです」

欧米におけるコミュニケーション学は幼稚園から学びはじめるとされ、大学でも専攻する学生が多いメジャーな学問として知られている。人間関係を築く基礎として、コミュニケーション能力が非常に重要視されてきた結果だ。しかし、この学問が日本で注目されはじめたのはつい最近のこと。このコミュニケーション学の面白さと実用性を先頭に立って紹介し続けてきたのが荒木先生なのだ。

桜美林大学でコミュニケーション論を教えて10年。その講義の人気は、学外にまで広く知れわたっている。毎年300~400人教室がいっぱいとなり、欠席する学生はほとんどいない。授業後に書くアンケート用紙は学生の言葉で埋め尽くされる。授業の後も先生の話を聞くため、教授室の前に学生たちが列を作る。

そして2000年4月からは、学部の一講義から言語コミュニケーション学科へと荒木先生の活躍の場は広がった。

この言語コミュニケーション学科は、3つのコースから成り立っている。コミュニケーションの理論と実践を学ぶ「コミュニケーションコース」。言語の習得法や教授法などを学ぶ「言語教育コース」。そしてコンピュータの知識や技術を習得する「情報科学コース」である。

どのコースを選択しても、コミュニケーションの基礎と外国語、さらにこれからのコミュニケーションツールとして欠かせないコンピュータが必ず学べるようになっている。

「この学科で教えるのは知識だけではありません。知識と実践力です。そのために情報科学の分野では、IBMなど実社会で活躍していた方もお迎えしていますし、英語は英文科と同じようにネイティブによる授業を必修で設けています。コミュニケーション分野では、毎回の授業が学生参加型の体験学習になるように工夫しています」

たしかにコミュニケーション学が実際の人間関係で使われる以上、理論だけを学んでも仕方がない。
「卒業するころには、共感しながら相手に対応できるコミュニケーション能力がつくうえ、現在必要とされるコンピュータの知識も身についているでしょう。もちろん言語教育による語学力も同様です」。
そう語る荒木先生の言葉は、決してオーバーではなさそうだ。

相手を大切にし、自分も大切にする

押山 千春さん(4年生)

学生に実践的な力をつけさせるために言語コミュニケーション学科では、休暇中にも先生同士の研修会が開かれ、模擬授業まで行なわれている。

さらに学生1人ひとりと履修相談を行ない、学科全員のアンケート調査を実施している。カリキュラムのチェックをし続けているのだ。

「私は、毎回の授業で書いてもらう何百人というコメントを読み、学生が求めているものを確認しながら授業をすすめています。コミュニケーションは単に技術というわけではありませんから、先生が学生とより良いコミュニケーションが取れていなければ説得力がありません。先生が実践することが重要なのです」
荒木先生はこのように1人ひとりの学生のニーズに合わせたカリキュラムを提供することを学科全体にまで拡大し、学生が満足できるカリキュラムを作り上げようというのだ。

「コミュニケーションを勉強すると、いろいろな考え方が見えてきます。多様な文化を理解できる柔軟性を身につけ、良いものは取り入れる。1つの考え方にしがみつかず、広く世界を見られるようになる。そこが重要です」

「こうして差があることを認め合うことで相手も大切にするし、自分も大事にする。対等な立場で相手を尊敬するために、自分自身に誇りを持つ。それもまた、コミュニケーション学を学ぶことで身につく姿勢なのです」

大学4年間、自分で何を見つけられるのか。荒木先生の話を聞くとドキドキしてくる。毎年、受験生向けに行なわれる荒木先生の公開講義はやはりすごい人気だという。興味のある塾生は、ぜひ一度先生の講義を聴いてみてほしい。

就職に強い言語コミュニケーション学科

コンピュータ実習室も完備

「英語を用いたコミュニケーションや自己表現法などを学び、“実践的で使えるスキル”を身につけられる点が特徴で、文学や文法・音声学などに関する非常に細かな研究を行なう英文学科との大きな違いです」と荒木先生は言う。

また、全員がコンピュータのソフトとハードに関する一定レベル以上の知識と技術を修得できる点も大きな特色だ。

その結果は就職率の高さにもあらわれている。2003年春に第一期生の卒業を迎える言語コミュニケーション学科では、取材日の9月初旬の時点ですでに、ミキハウス、日通、伊藤園、GUCCI、ゼロックス、キャノンシステム&サポート、NTTデータ東京SMS、ソフトウエア興業、さくら情報システム、三井住友銀行、長野銀行、東急観光――など最大手の内定を得た学生が続出している。

コミュニケーションスキルと同時に、コンピュータの知識と技術を修得することができる言語コミュニケーション学科は、文学部においては日本で最初に情報処理資格を取ることができるようになった学科だ。その証拠に、校舎の4階にはコンピュータ実習室が完備されている。

「たとえば実習では、コンピュータのさまざまなソフトを用いたプレゼンテーション術を学んだり、自分でハードを組み立てサーバーを開設するなど、いつでも社会で役立てられる実践的な技術を学びます」とお話しくださったのは大道卓先生だ。

ちなみに大道先生の情報科学ゼミでは、この取材時点で、ゼミ生11人のうちすでに10人が大手企業の内定を獲得しているという。

荒木晶子先生の著書紹介

『異文化コミュニケーション・ワークブック』(共著/三修社)
異文化コミュニケーションにとって大切なことは何だろう。まずは自分を知ること、心を開き、態度に表現すること、コミュニケーションのための活動に積極的に参加すること……etc。
いくつかのエクササイズを通して、異文化理解に欠かせない自己への気づきを深め、自文化と他文化の情報を集める方法を習得することができるワークブックがこの本だ。

『自己表現力の教室――大学で教える「話し方」「書き方」』(共著/情報センター出版局)
自己表現のための「話し方」「書き方」の能力を高め、誰でも必ず「話せる人」「書ける人」になるためのトレーニングブック。
これからの大学生活や就職活動には欠かせない「レポート」「企画書」「面接」「スピーチ」などそれぞれの場面で、自分の考えと自分らしさをきちんと伝えられるテクニックを満載した一冊だ。

こんな生徒に来てほしい

異なる考え方を持った人間に出会うことを恐れない、自分の知らない世界に積極的に興味を持って、面白そうじゃないかと思える柔軟な考え方を身につけたい人に来てほしいですね。自分と考え方の違う人を排除するのではなく、違いを乗り越えさらに大きく成長していける方法を学んでほしいと思います。コミュニケーションの知識、そして共感できる能力を培って、学生たちには実践力を身につけてほしいですね。

公開日:

※掲載されている教授の所属・役職などは取材当時のものであり、現時点の情報とは異なっている場合があります。