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東京海洋大学海洋生命科学部吉崎悟朗教授に聞く AO入試の特徴3

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 要件を満たし、出願書類が揃ったら、いよいよ2回にわたる選考に挑みます。どのような受験科目が課され、どんな準備が必要なのでしょうか。引き続き、吉崎教授にお聞きします。 

 

一次試験の論文では国語力と諸問題の理解力をはかる 

 一次試験は小論文です。定員の3倍程度までの数を合格とします。出願時に課題を提示するのではなく、当日テーマを発表して書かせる形式です。感じるのは、ちゃんとした日本語を書けない生徒が多いことです。私は、個人的には英語の早期教育よりも、母国語をきちんと論理的に理解できて、また論理的に発信する力を磨く方が大事だと考えています。でなければ、他の言語を理解することも難しいのではないでしょうか。 

 とくに理系の研究者は、観光目的で英語をしゃべるわけではありません。科学的な研究内容を英語で発表したり、英語の論文を読んだりするためには、論理的な思考が不可欠です。それには、やはり国語を勉強するほかないのですよ。課題論文では、主語と述語のねじれ、誤脱字がかなりたくさんみられます。筆記用具以外何も持ち込まないシンプルな試験だからこそ、本当の実力が見えてきます。内容以上に、国語力を見ているといっても過言ではありません。 

 

二次試験は、聴講論文も面接も素のままで挑んでほしい 

 二次選抜の模擬講義は、学科ごとにテーマが違います。どのような講義内容なのか気になるところかと思いますが、内容については全くの非公開としています。それは、私たちに「対策を練られるのは嫌だ」という気持ちがあるからです。素のままで来て、まっさらな頭で講義を聴いてほしいのです。 

 進学校の中には、AO入試や推薦入試を受けることに難色を示す先生がいると聞いています。そのような学校では、「AOや推薦対策よりも、一般入試向けの勉強にきちんと時間を使いなさい」と指導されるようです。しかし、海洋生命科学部のAO入試は、情報が公開されていないのですから、対策のしようがありません。志望理由書さえ書いてもらえれば、あとは試験当日に来てくれるだけでいいのです。特別な準備なく受けられる試験だという事を、ぜひ覚えておいてください。 

 個人面接についても、あまり構えず自分のありのままを語ってもらいたいと思っています。面接で素の自分を見せてくれるか、どれだけ自分の気持ちを感じさせてくれるかが重要です。 

 17歳、18歳の頃は精神的な成熟に差がつきやすい年代です。ハキハキと自分の志望を伝えてくれる子はいますが、用意してきたことをスラスラ言うような学生だと、こちらは少し身構えてしまいます。その人の本当のところが見えてこないからです。 

 だいたい、海や魚が好きな子というのは総じてしゃべるのが下手なのです。私は改組前からAO入試を担当していて、そのあたりの事情がよく分かっています。口下手でも、目を輝かせてくれていれば、何か光るものがあればいいのです。情熱が本物なら、きちんとわかってあげられますから、下手に面接の技術を磨くのではなく、素で受けてほしいですね。 

※記事の内容は執筆者個人の見解であり、早稲田塾の公式見解ではありません。