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一橋時代に学生起業家へ。「日本を立て直す」存在に

有限会社エコカレッジ代表取締役 尾野寛明 Special Interview 1

Profile
海城高校、一橋大学商学部、一橋大学大学院・商学研究科 修士課程及び博士課程修了。
専修大学大学院 KSコミュニティビジネスアカデミー 非常勤講師(2009年)、一橋大学大学院商学研究科日本企業研究センター グローバルCOE・研究員(2008~2010年)。大学在学中に専門古書店「エコカレッジ」を創業。島根県川本町及び雲南市に10万冊を超える古書を保管し、インターネットでの売買を手がける。
現在、放棄地問題や産業支援、民営図書館の運営など、さまざまな社会活動にも精力的に取り組んでいる。

「自分を変えたい人」が集う塾

せっかく大学受験に臨むなら、楽しく勉強してやろう。それが、早稲田塾に入ったきっかけです。決め手は、入塾ガイダンスでのスタッフの一言「早稲田塾は、“自分を変えたい人”が集う塾です」――これで心が決まりました。
その頃の僕といえば、勉強とバスケ部の練習に打ち込み、何ら不自由のない生活は送っていたけれど「何かを変えたい」。そう、もやもやしていました。その違和感が打ち消せそうだという直感は、大当たり(笑)。

刺激的な授業が変化をもたらした

実際、塾仲間はとてもアクティブ。「将来、こう活躍したい」と本気で語りあえ、今も親交があります。また、授業では受験知識を得ながら、ITや医学、地方再生など、当時の時流を読み解いたり、ディスカッションをしたり。
そして僕の分岐点となったのが、一橋大学の米倉誠一郎教授との出会い。インターネットがようやく普及しはじめた頃に早稲田塾の特別公開授業にみえた米倉教授は、「IT革命が世の中を変える」そう強く言い切った。この教授のもとで学びたい、と強く惚れ込みました。
早稲田塾で得たものは、一問一答の学習スタイルではなく、知識と知識、知識と世の中を線でつなぎ、「一生モノの力」にする、そんな発想だった。僕の高校生活は、みるみる変化し、まだ進化が続いています。

悲しみを超え、起業の道を決意

米倉教授との出会いをきっかけに一橋大学への受験を決め、受験生活を送っていた高3の秋。大手商社に勤めていた父をガンで亡くしました。それまでは父のように企業に就職し、「商社マン」として世界を飛び回りたいと思っていたけれど、大企業に属することが僕の目標なのだろうか? それまで揺るぎなく信じていた価値観を疑ったときに、「自分の力で起業してみたい」という思いが芽生えました。
大切なのは自分の価値観に嘘偽りなく従うこと。父の他界に落ち込みながらも、「起業してみせる」という一心で、一橋大学への現役合格を果たすことができました。

一橋から学生起業家に

一橋大学では、起業するために必要な経営やマーケティングを専門的に学ぶことができた。加えて、学外にも早稲田塾時代の仲間たちという知的リソースが存在しました。アマゾンが日本の書籍売買のシェアを大きく広げた2001年、僕は価値の下がりにくい専門書の古書売買にチャンスがあるのではないか、と目をつけた。
思い立ったが吉日。法学部や経済学部に進んだ早稲田塾仲間を集め、事業計画づくりに没頭しました。しばらくは都内の大学でゲリラ的に古書を売買していましたが、翌年には仲間の専門知識を結集させ、法人化に向けたプロットを作成。社会起業家コンテスト「STYLE2002」に応募し、優秀賞を受賞しました。そうして生まれたのが、有限会社エコカレッジです。

「過疎地を変えたい」から、
5足のわらじ

会社の経営が安定する頃には、一時大学を辞めようかと思うこともありました。しかし、得た知識が、いつどのように成果として現れるかわからない。そんな期待を込めて大学院に進学しました。そんな矢先、ゼミで調査に訪れた島根県中部の川本町で、過疎化の現実を目の当たりにし、「ここで古書店を開こう」と決意。
2006年秋、本社を川本町に移すと、誰もが20代の僕を喜んで迎えてくれ、自然の中で温かい支援者に囲まれ仕事をすることで、効率もあがっていった。

それからは「過疎地を変える」一心で、猪突猛進にビジネスや社会活動を拡大していきました。博士論文に向けた研究を兼ね、都心の若者を農村や離島に受け入れるツアーを実施したり。そのためにと、大型バスの免許を取得し約1000kmを走行したり(笑)。放棄地対策や民営図書館の運営支援、空き店舗活用アドバイザー……。さらに2010年には県内雲南町にも古書店を開店し、現在では17人の従業員を迎えることになりました。障がいをもった従業員も活躍しています。地方に事業を興したことで、雇用や障がい者支援という問題に、少しずつですが関わっていけることを嬉しく思っています。気づいたら、会社代表という肩書きに加え、研究者、社会活動家、次世代の起業家を育成する指導者、それに結婚もして、夫という役割も得ることに(笑)。現在はそうした「5足のわらじ」を履き、「地域活性化の仕組みづくり」を目指しています。

将来の<夢> 地域活性化の
仕組みづくりへ

自分が起業家として多くの賛同者を得たり、メディアに取り上げられたのも、これまでの知識や出会いがあったからこそだと思います。かつて早稲田塾で学んだ社会的な問題に真っ向から取り組んでいたり、塾時代に出会った仲間と事業計画を一緒につくったり、たまたまゼミで調査した町に起業したり……。米倉教授の講義をきっかけに、大学時代には、1年間インドのIT企業でインターンもしてきました。
長期的な目標は、「地域活性化の仕組みづくり」。現在は試行的に都市の若者を農村に受け入れる取組みを行っています。こうした取組みが継続するための仕組みを整えたい。
現在、早稲田塾では社会起業家を育成するカリキュラム「ソーシャル アントレプレナー プログラム」が開講されていると聞きました。うらやましいな、塾生時代に開講されていたら受講したかった! 僕も含め、「自分を変えたい」早稲田塾の塾生たちが、社会的問題を解決する担い手になると信じています。

―― 終始笑顔で、大きな瞳を輝かせながら語ってくれた尾野先輩。
その言葉には、強い意志と、今の活動を心から楽しんでいる様子がうかがえました。
そのエネルギーが、島根だけでなく日本中を元気にさせてくれる日も、そう遠くないかもしれません。

尾野 寛明
尾野 寛明
一橋時代に学生起業家へ。「日本を立て直す」存在に

有限会社エコカレッジ
島根県邑智郡川本町川本529-1
電話 0855-72-2760
FAX 0855-72-2780

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