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受験生必見! おすすめブックNAVI④

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みなさんこんにちは!
横浜校担任助手の山下帆乃香(関東学院六浦高校卒・早稲田塾第38期生・上智大学法学部法律学科2年)です。


今日は第4回目となる「受験生必見! おすすめブックNAVI」をお届けします!


わたし・山下が「おもしろい!」「役に立つ!」「受験生、高校生のみんなにぜひ読んでもらいたい!」と感じたおすすめの本を紹介していきます。


はじめましての方は、ぜひ

第1回(http://www.wasedajuku.com/school/wasedane/yokohama/detail.php?itemid=12171)、
第2回(http://www.wasedajuku.com/school/wasedane/yokohama/detail.php?itemid=12317)、
第3回(http://www.wasedajuku.com/school/wasedane/yokohama/detail.php?itemid=12498)


のほうにも目を通してみてくださいね!


この「受験生必見! おすすめブックNAVI」月1回のペースで更新しますので、ぜひチェックしてください!

 

さて、4月から新学期が始まって、はや2カ月が過ぎようとしています。


もうすぐ最初の中間テストがあったり、6月17日に全国統一高校生テスト(実は受験者数がいちばん多いため、もっともセンター試験に近い合格判定が出る模試です!)があったりして、高校生のみなさんの多くは「勉強しなきゃ!」と焦りや緊張感を抱いているかもしれません。


そんななか、この時期には早稲田塾のスタッフや担任助手に、ある悩みを打ち明けてくれる人が多くいます。


たとえば、


「あたらしいクラスになじめなくて…」
「部活にどうしても気の合わない子がいて…」
「友達と喧嘩しちゃって…」


そう、人間関係の悩みです。


クラスや部活内での役割が変わってくる新学期には特に、同じように悩んでいる人はたくさんいるでしょう。


他者と生きるわたしたちにとって、人間関係はとても重要な意味を持ちます。


他者との関係に悩んでいると、なにをしているときにも元気がなくなってしまったり、勉強に身が入らなくなってしまったりしますよね。


今月は、そのような悩みに苦しんでいる方の助けにきっとなってくれる1冊を紹介します。

菅野仁先生著・『友だち幻想』(ちくまプリマー新書、2008年3月10日第1刷発行、740円+税)です!


社会学者である菅野先生が、「友だち」のことで今まさに悩んでいる中高生の方々に向けて、人と人とのつながりについて解説してくださっています。


やさしい文体でとても読みやすいので、本を読むのが苦手な人にもおすすめです!

 

 

さて、わたしたちはどうして他者との関係で傷ついたり人を追い詰めたりして思い悩む状況に、まま陥ってしまうのでしょうか?


本書の中で、菅野先生はその問題について丁寧に分析してくださっています。

 


かつての日本には「ムラ社会」という言葉でよく表現されるような地域共同体が存在しており、その時代、他者と協力することは人びとにとってたいへん重要でした。


食糧や衣類などの生活必需品を調達するにも、仕事に就くにも、いろいろな人たちの手を借りなければならなかったからです。


たとえば「出る杭は打たれる」「長いものには巻かれろ」といったことわざには、伝統的なムラ的人間関係の同調圧力の強さがあらわれています。


物理的にひとりでは生活できなかったため、人びとはとにかく共同性を重んじ、他者とおなじであろう、仲間はずれにされないようにしようと努めてきたのですね。

 

 

ところが近代社会になってきて、貨幣というものがより生活を媒介する手段として浸透していくと、極端な話お金さえあれば、他者の助けがなくても生きるために必要なサービスはだいたい享受できるようになりました。


そうして、人びとはムラ的共同性が持っていた「みんないっしょ」の拘束力から切り離され、都市的な自由や個性の追求が可能になりました。


それまで個性を持ちたいと思っても社会的に実現する機会を与えられなかった人びとが、しだいに自分の好きなように振る舞ったり欲望を実現したりできるようになったのです。


そうした状況のなかでは、たとえば学校などで実際に身近にいるからといって「みんな同じ」というわけにはいかず、自分とはちがう振る舞い方や考え方、感じ方をする人びとといっしょに多くの時間を過ごすことになります。


しかし、わたしたちはそのようななかでもまだ、「みんないっしょ」「みんな仲良くするのが理想でただしい」というムラ社会的な考え方を引き摺ってしまっているのです。


つまり、わたしたちが抱く人間関係の悩みの多くは、


「わたしたちの社会は物理的環境や法的な制度についてはじゅうぶん近代化しているのに、精神面や価値観(人間関係に関することもこれに含まれる)について、いまだに『ムラ社会』の伝統的な同質性の強さを求めてしまっている


ことで発生するのだと菅野先生は述べています。


「クラスの輪に入れないなんて、わたしはだめなやつだ…」
「理由もないのにあの子のことがどうしても嫌いだ…」
「あいつは自分にできないことをなんでもできて、つい嫉妬してしまう…」


みなさんのなかには、他者との関係がうまくいかないとき、その理由がわからずに「わたしが悪い」と自分のことばかりを責めてしまっているひとがたくさんいると思います。


わたしも高校生のころ、どうしてもじょうずに他者との関係を築くことができず、「わたしはなんてだめなやつなんだ!」と、自分に失望してばかりいました。


しかし、そのような他者との摩擦というのは、現代においては誰にでも当然起こりうることであって、みなさんはなにも悪くないのです。


そして、わたしたちは少なくとも「ひとりでは(物質的に)生きていけない」という状況からは解放され、自由なのですから、他者とちがうということにうしろめたさを覚えたり、無理に周りに合わせた振る舞いをしたりする必要はありません。


あなたはあなたらしく、自由に考え、行動していいのです。


菅野先生は、「気の合わない人がいるのは当然で、そのような人と無理に仲良くする必要はない。ほんとうに大切なのは、『気に入らない相手とも、お互い傷つけあわない形で、ともに時間と空間をとりあえず共有できる作法』を身につけることだ」と述べます。


いくら仲良くできない相手だからといって、けなしたり、傷つけたりしてよいということではない、ということですね。


「きらい!」「むかつく!」「つらい!」


他者に対してそう感じたときにたいせつなのは、「やりすごす」という発想を持つことだと本書には書かれています。


ムラ社会的な同調圧力から抜け出し、「自分は自分、ひとはひとだ」という、ちょっと突き放したようなものの見方をした方がよいと言うのです。


「わたしとは関係ないでしょ」というふうに。


すると、自分の気持ちも相手の気持ちも尊重することができます。


「『関係しよう、関係しよう』とするから、話がこんがらがってくるのです。(中略)
結局、『濃密な関係から、あえて距離を置くこと』が大切なんじゃないかと、私は考えています。距離の感覚は重要です。」


自分以外の人間を「他者」、つまり自分とはちがう考えからや感じ方をするほかの人間である、という認識をしっかりと持っていると、ひととのつながりをめぐるややこしい問題が案外うまく解きほぐせるかもしれません。


また、この「他者」という認識をしっかり持っていないと、「自分」という存在もあいまいになってしまうのです。

じつは、受験に関しても同じことが言えます。


今まで、受験生はテストの点数のみを使って合格のために争っていました。


そのようななかでは、当然


「あいつはわたしより点数が高い」
「あの子はあんなにできているのに、わたしはなんてだめなんだ!」


と、他者と比べて自分の価値をはかってしまいますよね。


しかし、近年募集人員・合格者数が全国で急増しているAO・推薦入試では、他の人にはない「あなただけの魅力」をアピールして合格を目指すことができます。


そのため、他者といがみ合い、蹴落とし合うのではなく、


「わたしはわたし、ひとはひと」
「それぞれにちがった良さがある」


と、尊重し合うことができるのです。


ぜひ、受験勉強で悩んだときにも、「やりすごす」考え方を思い出し、あなたの魅力を再認識してリフレッシュしてみてください。


自信をなくしてしまったときには、わたしたち早稲田塾のスタッフ・担任助手も相談に乗りますから、いつでも塾にいらしてくださいね!

 

 

今月は、他者との関係に悩んだときにそっと寄り添ってくれる『友だち幻想』を紹介しました!
ぜひお手に取ってみてください!


それでは、また来月お会いしましょう!

カテゴリ:
投稿者:
山下 帆乃香
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