スタッフとの対話で見出した、哲学への道。
労働の意味を考えるために筑波大学へ!

第45期生

岩﨑嶺(いわさきれい)くん

通塾情報

出身校 新宿校
出身高校 東京農業大学第一高校
部活 男子テニス部
夢・目標 深い思考ができる人間になること

進学情報

受験方式 AC入試
大学 筑波大学
学部 人文・文化学群 人文学類

――【入学の〈きっかけ〉】人間の本質を問われる総合型選抜に惹かれて

早稲田塾に入学したのは、高校2年の9月です。総合型選抜での実績があることと、兄も通っていたことが早稲田塾を選んだ理由です。私が総合型選抜に興味を持った理由は、一般選抜よりも人間の本質が試される受験であること。何に興味を持ち、進学後にどうしたいかが問われる入試なので、より本当の学びに近いと感じました。早稲田塾に入って良かったと思ったのは、他の学習塾よりも講師やスタッフとの距離が近く、自分の探究内容について気軽に話せる機会が多い点。大学でやりたいことや将来の目標が対話を通じて深まったと思います。

――【私の〈受験ストーリー〉】部活もやり抜き、総合型選抜の併願と一般選抜を同時に準備

私は一般選抜も同時に準備していて、総合型選抜としては筑波大学以外の2つの大学も併願していました。一般選抜と総合型選抜を両立するのは、簡単なことではありませんでした。特に夏休みは一般選抜の天王山といわれる重要な時期であると同時に、総合型選抜の出願開始時期でもあります。最も忙しい時期なので、一般選抜と総合型選抜を何対何の比率で対策するかを決め、計画的に学習していました。

また、高校では男子テニス部に所属し、勉強と並行して全力で頑張りました。私たちの学校はテニスコートを持っていないこともあり、意識が低く、試合でもあまり良い成績を残せていませんでした。しかし、私たちの代で部の方針を改革した結果、テニスコートがなくなって以来の最高成績を残すことに成功。与えられた環境の中で最大限の努力をするという姿勢は、受験にもつながったと思います。

――【タメになった〈授業・カリキュラム〉】探究テーマの可能性を広げた、総合型・学校推薦型選抜特別指導

授業の中で印象に残っているのは、「総合型・学校推薦型選抜特別指導」。5分間という限られた時間で、答えのない問題に回答するという難しい授業です。最初は人前で発表することに緊張し、うまく答えられなかったのですが、回を重ねるごとに瞬発的な発想力が鍛えられ、自分の意見を堂々と言えるようになりました。さらに、いろんな人の意見を見聞きすることで多角的な視点が身についたことも、受験につながったと思います。

そして、探究テーマを考えるうえで同講座では、主に1対1で対話を行うメンタリング形式の授業があります。いろんな学問分野を学んでいる仲間たちとの対話を通じて、一人で探究しているだけでは気づかなかった多様な考え方に気づくことができました。自分の考え方を言語化し、探究の可能性を広げるうえで、すごく役立ったと思います。

――【私を支えてくれた〈スタッフ〉】スタッフの対話から、哲学専攻への道が拓けた

早稲田塾に入って良かったと思うことの一つが、スタッフのみなさんが親身に話してくれたことです。提出書類や自分の考えを気軽にシェアすることで、自分の考えを整理することができました。私はもともと社会学者であるマックス・ウェーバーに興味があったので、社会学を専攻しようと考えていたのですが、スタッフの方と相談している中で、「岩崎君は社会学に興味があるというよりも、ものごとを深く考えること自体が向いているのかもしれないね」という意見をいただいたのです。それがきっかけで、筑波大学で哲学を専攻するという「本当に自分がやりたい学問」が見つかりました。

――【大学・学部を選んだ〈理由〉】幅広い分野の学問を学べる「学際性」が決め手

筑波大学の魅力は「学際性」にあると思います。つまり、いろんな学部や学類の授業を受けながら幅広い知識を学ぶことができる。私の探究テーマである労働について思考を深めるためには、哲学だけではなく、経済システムや法律など、幅広い分野の学問を修める必要があります。こうした研究を進めるうえで、筑波大学は最適の環境だと考えました。さらに、筑波大学にはヘーゲルなどのドイツ哲学を研究している著名な教授が在籍しており、この方から教えを受けたいと考えたことも筑波大学を志望した理由の一つです。筑波大学に合格した一番の要因は、哲学を受験の手段としてではなく、心から興味を持って勉強していたことだと思います。おかげで書類作成も苦しくなかったですし、つねにポジティブなマインドで入試対策ができました。

――【将来の〈夢〉】現代の労働の意味を研究し、哲学的な思考を深める

私の探究テーマは、「労働」という概念について、マックス・ウェーバーを軸としてさまざまな哲学者の考えを比較し、現代の労働について再考することです。私がこうしたテーマに興味を持ったきっかけは、高校1年生の現代文の授業で、ドイツの社会学者マックス・ウェーバーの主著である『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』について学んだこと。その後、早稲田塾のスタッフと話すうちにどんどん哲学が好きになりました。

マックス・ウェーバーは近代資本主義における労働を「鉄の檻」と呼び、人間が内的原動力の欠如した状態で労働していると悲観的にとらえていました。一方、他の哲学者たちもそれぞれの労働観について語っており、ポジティブなものもネガティブなものもあります。今の世界はAIの登場など複雑な状況にあり、人間にとっての労働の意義が改めて疑われつつある状況。過去の哲学者の思想を比較研究することで、現代の労働の持つ意味を解明することが、私の課題と考えています。また、将来の夢として掲げているのは「深い思考ができる人間になること」。哲学を学ぶことで、表面的な理解で満足することなく、多角的な思考でものごとの本質を理解できるようになりたいです。

私の「東京農業大学第一高校 自慢」

進学校なのでクラスメートはみんな受験への意識が高く、自然に「自分も頑張らなければ」と思える環境でした。部活の友人とは毎日一緒に過ごしていて、勉強に疲れたときにも元気をもらえる大切な仲間でした。

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