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Good Professor

西澤 宗英

西澤 宗英 教授
青山学院大学
法学部 法学科

青山学院大学 副学長

西澤 宗英(にしざわ・むねひで)
法学博士。1949年生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒。同大大学院法学研究科民事法学専攻修士課程修了。城西大学経済学部助教授、杏林大学社会科学部教授、青山学院大学法学部教授を経て、現在に至る。

2003年4月、青学は変わる!

スチューデントプラザ200 新キャンパスに造られる学生ラウンジの完成予想図。内部がバリアフリーになっている
スチューデントプラザ200 新キャンパスに造られる学生ラウンジの完成予想図。内部がバリアフリーになっている
桜の花の向こうに見えるのは、青学の歴史とキリスト教の貴重な資料が収められている間島記念館
桜の花の向こうに見えるのは、青学の歴史とキリスト教の貴重な資料が収められている間島記念館

2003年4月、青山学院大学は大きく変わる。理系の世田谷キャンパスと文系の1・2年が通っていた厚木キャンパスを相模原キャンパスに統合し、「青山」と「相模原」の2キャンパス制になる。

「新しい『相模原キャンパス』は、①学生に優しい②社会に開かれている③高度情報型④国際交流⑤環境共生⑥地域共生――などのコンセプトに基づいて造られました。

たとえば、学生に優しい環境をめざして、1分でも長くキャンパスにいられるような工夫がしてあります。中庭を眺めることのできる学生ラウンジは、全面ガラス張りで2階まで吹き抜けの空間にしました。そこは、自分のコンピュータを持ち込んでインターネットにアクセスできるインターネットカフェになります。図書館でもなく、食堂でもない、学生のためのスペースを造りたかったのです」

廊下の幅を広く取り、コーナーにラウンジ風のスペースを設けたのも学生への配慮だという。

「講義が終わって、担当教授に質問があるとしますね。そんなときに教室を使っていると、次の講義が始まってしまいます。それなら研究室に行くかというと、キャンパスは広いので遠いでしょ。廊下にラウンジがあれば、心おきなく質問ができますから」  

新相模原キャンパスの設計段階から関わってきた西澤宗英先生のこうした話には、とにかく驚かされる。前述した6つのコンセプトに沿って、細かな配慮が行き届いているからだ。地域共生を実現するために、高い校舎をキャンパスの中央に置き、地域の住宅が校舎の日陰にならないようにしているのはもちろん、グラウンドの土が舞い上がらない工夫まで施している。

「住宅地の真ん中にキャンパスが落下傘降下してきたようなものですから、後発の我々が地域のことを考えるのは当然です」  当たり前のことをしているだけといった先生の口調から、逆に新相模原キャンパスの完成度の高さが伝わってくる。  

新しいのはハード面だけではない。理系と文系の学生が一緒に学べる環境であることも、新相模原キャンパスの大きな特徴だ。

「理系と文系の学生にどのような交流が生まれるかは、実際に講義が始まらないとわかりません。ただ白衣を着て歩いている学生がいたり、大学に泊まり込んで研究する学生のために、夜通し明かりの点いている研究室がある。そんな光景を日常的に見られるのは、文系の学生にとっても良いことだと思います」

さらに、こうした環境を活かして、西澤先生はとんでもなく魅力的な授業まで始めようとしているらしい。理系・文系を問わず、青学の全6学部が一緒に授業を受ける「総合演習」である。
「学部に関係なく、青学を卒業した学生に一定水準の技術・能力・知識・教養を持ってもらいたいという構想の下に検討されている講義です。学問の面白さを、こうした演習を通して学んでほしいのです。いやあ、担当教授は大変でしょうけれどね」そう言って、西澤先生は楽しそうに笑った。

学生に法律を教えるのは我が天職

昨年8月に完成した礼拝堂、ガウチャー・メモリアル・ホール。最新の設備を備えた外国語ラボラトリーなおども入っている
昨年8月に完成した礼拝堂、ガウチャー・メモリアル・ホール。最新の設備を備えた外国語ラボラトリーなおども入っている

先生ご自身の専門は倒産法や民事訴訟法である。ともすれば無味乾燥の印象を与える法学を、先生は次のように説明してくれた。

「法律は、人を縛るためのものではないのです。武器にもなるし、身を守る手段でもあります。たとえば裁判所で仕事をしていると、法律的には返済義務のない借金について取り立てられている人にも出会うのですよ。私は公正な立場を求められますから、『返済義務はありませんよ』とは言えないのですね。だから『ずいぶん古い借金ですね。市役所の法律相談などに相談してみてはいかがですか?』と言葉をかけるのですが、1ヵ月後にお会いすると、『忙しくて行けなかった』なんて言われてしまう。やはり日本は法律家が身近にいませんから、一般の方と専門家をつなぐ法律的な知識を持った方が必要でしょう。そうした人材を輩出するのも、法学部の仕事だと思います」

最近、「自己責任」という言葉が頻繁に使われるようになった。しかし法律的な知識がないまま、自己責任というリスクを背負い込むのは、自殺行為に近い。「すでに法律は、必要な教養の一部です」という先生の言葉は、脅しでも何でもない。日本もそんな時代に突入しようとしているのである。

たとえばこの不景気のなか、借金の保証人になって多額の負債を抱えてしまった。あるいは会社が倒産してしまった。さあ、どんな法律を使い、どうやって自分の身を守ったらいいだろうか? そんな答えも、西澤先生の講義は教えてくれるはずだ。

「学生に教えるのは天職です。生まれ変わってもやりたい」と語る先生の講義は、あなたを感動させるだろう。"生きた法律"が、いきなり目の前に現れるように感じるからだ。  青学に入学したら、法律を学ぶ面白さを先生から教わってほしい。そんな思いに駆られた取材だった。

こんな生徒に来てほしい

「大学が高等学校と決定的に違うのは、自分のやりたいことを自分で考える点です。言われて何かするのではなくて、面白そうなことを自分で見つける。だから好奇心の旺盛な人がいいですね。しかも漠然とただ生きているのではなく、将来の夢をもっている人。それに向かって、いま何をしたらいいのかを考えられる人。もちろん少々辛くても努力する覚悟もほしいですね。

自分で目的・目標を立て、それを達成するために努力をする覚悟がある。そういう人が青学に入学すれば、いろんな可能性が開かれてくると思います」

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